なんかくうかい https://www.nanka-ku-kai.com 人生はまるごと、自分のもの。仕事なんてしてないで、さあ、楽しもう。最近は、芝居の感想と、日本酒が多め。 Sat, 07 Dec 2019 03:21:21 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.2.4 https://www.nanka-ku-kai.com/wp-content/uploads/2019/07/200608s.jpg なんかくうかい https://www.nanka-ku-kai.com 32 32 <観劇レポート>劇団肋骨蜜柑同好会「殊類と成る」 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/12/06/080044 Thu, 05 Dec 2019 23:00:44 +0000 https://www.nanka-ku-kai.com/?p=2629

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 劇団肋骨蜜柑同好会
劇団肋骨蜜柑同好会第12回
殊類と成る
脚本 フジタタイセイ(劇団肋骨蜜柑同好会)
演出 フジタタイセイ(劇団肋骨蜜柑同好会)
日時場所 2019/12/05(木)~2019/12/10(火)
Geki地下Liberty(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

劇団肋骨蜜柑同好会とは
げきだんろっこつみかんどうこうかいとは
東京を中心に演劇活動を行う。2010年の旗揚げから現在に至るまで、手探りで、暗中を模索するように活動中。

主宰フジタの標榜する「演劇とは方法論ではなく存在論である」という言葉のもとに 、言語による世界の腑分けを試み、「生きづらさ」を抱えた人たちの救いとなることを考えている。
頭のねじがどこか緩んでいるようなズレた登場人物と、捩れたメタフィクション的な構造、既製品を多用したシンプルで分裂的な舞台構成が特徴。
ストーリーやメッセージを極端に廃し、あるいは換骨奪胎し、あるいは解体し、その先の地平にたどり着くべく、過剰に論理的に「なぜ演劇なのか」を問い続ける。問い続けたい。問い続けられますように。
コミュニケーションはいつも、祈りの形に。

第12回「殊類と成る」 | 劇団肋骨蜜柑同好会

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

酔わねばならぬ

気がついたら、見知らぬ駅のホームだった。
ここがどこなのかも、どうやって来たのかもわからない。
ぼんやりした意識の中で、男はやがてこんなことを考える。
一体これはどんな始末だ。
自分はもう、完全に人間ではなくなってしまったのだろうか。

偶因狂疾成殊類
災患相仍不可逃

今宵もあの山のどこかで
十六夜の月に照らされて
醜い獣が短く噑える

観劇のきっかけ

周りの演劇好きの方の評判が高いのと、お誘いを頂いたのと、気になる役者さんが出演しているから、の観劇です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2019年12月5日
19時00分〜$$
上演時間 125分(途中休憩なし)
価格 3500円 全席自由

チケット購入方法

劇団のホームページから、PassMarketを選択して、同サイトで予約をしました。ヤフーのIDが必要でした。
事前決済でしたので、クレジットカード決済をしました。
メールで、QRコードのチケットが送られてきました。

客層・客席の様子

男女比は6:4か、7:3くらい。ひとり客が多かった印象です。年齢は男女ともにバラバラで、特定の客層は掴めませんでした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・シリアス
・笑える
・会話劇
・考えさせる

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは。いろいろなものが交錯するけれど。
3人。サンゾウと、ナカヤマと、乞食と。人より勉強はできたが、どこか他人を見下すような。そんな男。真面目だけど、どこか人との間合いが分からず。そんな3人が、どうしてそのような境遇になったのか・・・という物語。小説「山月記」をベースにした物語。(青空文庫で無料で読める。30分かからない)
https://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/624_14544.html

いつもはツラツラと、ストーリーらーしき感情の流れを書いてしまうのに、この芝居はストーリーを追って書くのが難しい。いや全般的に書くのが難しい。・・・「山月記」は高校生くらいの時に読んだことがあるったと思う。もう忘れかけていて、よく覚えていないのだけれど。どちらかというと、鼻持ちならないエリート的な人が、若い頃に自らを客観視できなくて崩れていく。・・・今回読み直していないと、正しいかどうか分からないけれど、そんな話だったように記憶している。

芝居全体。さして難しい訳ではない。難解な話だった訳でもない。でも、物語が飛んだり、混ざったりするので、何が本筋だったのか、と問われると難しい。で、書けなくなった時は、いつもは最後まで読まない当日パンフを紐解いてみる。・・・いろんな物語を、混ぜ合わせたと書いてある。ああ、そうなのか。それでいいのか。と納得したりする。・・・まあ、別に納得しなくてもいいんだけれども。

山月記。前述の通り、記憶の中では、自らの行いを悔いているような物語だったと記憶しているけれど。今回の「殊類と成る」は、どちらかというと、何かに馴染めなかった。社会とどこか何かがズレていて、別に悪い訳でもないのに上手く生きていけなくなってしまった、そんな人の物語に思えた。

主に出てくるのは、臆病で羞恥心が強いのか何も踏み出せないサンゾウと。自意識過剰で自信家のナカヤマと。2人を通して語られる、やっぱり踏み出せなかった二人。乞食の人生ともシンクロしつつ、虎になってしまう様。涙が出てくるわけではないのだけれど。ものすごく苦しい現実を見せられているのに、一方、その事実を突きつけられることで、ものすごく楽にもしてもらっている感覚。ラスト。SNSや何やら、自意識を意識することが多い現代。そこに対して、まるで駄々をこねるように抵抗をしているような、そんなものを感じ取った。

「同じ匂いを持っているような気がする。」っていう言葉が、とても印象に残る。

気になった役者さん。あーもう、全員まとめて大好きなのですが。藤本悠希、最後まで淡々と淡々と喋る様。ラストの叫びも、切実なのにどこか淡々としていて、淡々がとても印象に残り。室田渓人、「ナイゲン(暴力版)」で部屋住みとして初めて拝見して、2度目。座っていた位置がよかったのかな。流れ流れ、溜めていく感情の末の涙して崩れているシーンが、光の中でものすごく美しかった。安東信助、上手く言えないのだけれど、印象的。何だか、演じているのが辛そうにも見えたけれど、それがむしろリアリティがあったようにも感じ。林揚羽、しあわせ学級崩壊で拝見した時とは全く異なり驚き。何だかドキドキしながら観た感覚。杏奈、何だか一人だけ違う時間を生きている感覚があって面白い。サンゾウを責める様は、ちょっと怖かったけれど印象的。終始白衣っていうのは、意図的な意味かな。

今は言葉に出来ないけれど、この後の人生で、ジワジワと来そうな作品。

[kangeki]

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<観劇レポート>たすいち「足がなくて不安」 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/12/05/080042 Wed, 04 Dec 2019 23:00:42 +0000 https://www.nanka-ku-kai.com/?p=2604

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 たすいち
第31回公演
足がなくて不安
脚本 目崎剛
演出 目崎剛
日時場所 2019/12/04(水)~2019/12/08(日)
サンモールスタジオ(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

カムカムミニキーナ、ポツドール等を輩出した早稲田大学演劇倶楽部から、
2007年に目崎剛が旗揚げしたユニット。

『ありえない』設定を『ありえそう』に見せる屁理屈でちょっとファンタジーな舞台を創る。
文学でも映像でもなく演劇でしかできないことを追求し、
笑って泣けて考えられるエンターテイメントを志向する。

2011年1月より12ヶ月連続公演を敢行。2012年4月には吉祥寺シアターで本公演を行った。
2015年、「劇王東京Ⅱ」にて、二代目東京劇王となる。
またその後、神奈川かもめ短編演劇祭で、短編演劇日本一(優勝は韓国だったため)となる。

たすいち

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

胸がざわざわする。
自分で自分のことがわからない。
ここがどこかもわからない。
まるで幽霊にとり憑かれているかのような。
地に足がついていない。
不安。
そうか、これは、不安だ。

​一生を過ごしていく内、安心を与えてくれる人は誰だろう。
短いようで長い人の生。
最後まで一緒にいてくれる人は誰だろう。
そんな自分にぴったりの人はいるのだろうか。

界隈で噂の心霊スポット。そこには一人の幽霊がいると噂されている。
その幽霊に見初められると、あの世へ連れて行かれてしまうとか、しないとか。
幽霊も実際困っていた。一体誰を道連れにしたらいい?
愛する人?親しい人?
でも大切な人には健やかにいてほしい。
じゃあどこかの馬の骨?
そもそも、自分の人生の中で大切な人って誰だったんだ?

そんな相手、見つからない、なら、育ててしまえばいい。
何せ私は、悪霊だ。

悪霊視点で綴られる、一人の人間の人生譚。

観劇のきっかけ

好きな劇団の一つです。また目崎剛さんの作品が好きです。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2019年12月04日
19時30分〜
上演時間 115分(途中休憩なし/初日挨拶含む)
価格 3500円 全席自由

チケット購入方法

劇団のホームページから、予約に進んでチケットを前売り料金で予約しました。
当日受付で、前売り料金を払いました。
当日並んだ順番に整理券番号を渡されて、その順に入場しました。

客層・客席の様子

男女比は7:3くらいで、男性の比率が圧倒的に多かったです。30代前後の男性と、50代前後の男性が多かったでしょうか。女性の年齢層はまちまち。一人で観劇している人が多い印象を受けました。聞こえてくる会話は、コアなファンが多い印象でした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・テンポ
・シリアス
・コメディ
・にぎやか
・SFチック

観た直後のtweet

映像化の情報

この作品のDVD予約を受け付けていました。予約特典で、2000円。2月初旬発送とのこと。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは、事前の記載通りなのだけれども。エッセンスを書くと。
一人の男、谷本創(はじめ)。生まれるころに、「悪霊」に目をつけられて。いずれとりついて、「こちらの世界」に引きずり込んでやるために「育てる」対象として選ばれた男。その男の、生まれてから老いるまでの、大河ドラマというか、私的な叙事詩というか、あるいは「走馬灯」のようなお芝居。「育てる」と言っても、その「悪霊」が取り憑いている広場にやってくるときに、ただ話すだけ。「悪霊」と、創と、取り巻く家族と、友達と、猫と、犬のシロと、周り霊たちの物語。・・・物語の冒頭は、老年期を迎えた創が、「悪霊」に話しかけられるところから始まる。創は、人生で「悪霊」とのかかわりを全く記憶していない。それもそのはず、別の悪霊に殺されそうになった時、記憶を消すことと引き換えに、生きる事を選んでいたから・・・と、書いてて自分でも混乱してくる。

三度目の「たすいち」。「たすいち」らしい、とそろそろ堂々と書いても間違いないと思う。素早い転換と、物語の進行を全く滞らせない動きと、照明とで構成される舞台。パタパタパタと、次から次へと気持ちいいように流れていく感覚。正味105分位、飽きるというか、止まる時間が全くなかったようなテンポで紡がれる物語。

創の成長の物語。よくよく思い出してみると。物語の中で、ものすごく特別な事なんて何一つ起きていなくて。個性はあるものの、どこか平凡でもある谷本創が、赤ちゃんの頃からどんどん大きくなって、高校を卒業し、東京に出て大学通い、大学を出て就職し、結婚し、地元に戻り、母が死に・・・という、ごくありふれた人生を、ただ追いかけている物語、という事も出来る。思い返してみると、一体何に感動したんだろう、と、キツネにつままれたような気さえしてくる。「たすいち」らしい舞台表現に、何に魅せられていたのか、忘れてしまったような感覚。

一方、もう一つの世界として、その人生の成長の物語の中で、「霊」あるいは「悪霊」は存在していて。何だか自信が無くて、自分がどうして「悪霊」になったのか分からない、思い出せない悪霊と、それを取り巻く周りの霊たち。「いつ、創をこちらの世界に引き入れるのか」何てことを話しているのだけれど、どことなくやる気がないというか、本気で考えているように見えなくて。それで、たまに「悪霊」に顔をみせに来る創だけれども、何だか「いい感じの交流」に見える感覚で終わってしまう。物語的な結末としては、「悪霊」は誰かの事をずっと待ち続けていた犬の霊だ、という。ほとんど説明がなされないまま幕切れしてしまったので、私自身も、解釈に自信がある訳ではないのだけれど。やはり途中から「悪霊」って、この物語で一体何を指しているのか、という、隠喩的なものが気になってくる。多分、いろんな感じ方、いろんな受け取り方、いろんな解釈が成立する物語のように思う。

私の中では・・・。「悪霊」は、夢見た事さえ忘れてしまったような「何か」だったり。思い出を構成する要素の中で、物凄く些細な事・・・例えば友達と学校帰りに食べたアイスの味とか・・・そんな些細で、キッカケをもらって想い出さないと、思い出す事さえ忘れてしまっている記憶だったり。そんな些細な何か、人生という大きな川の流れの中で、見過ごしてしまうような何かの事を表しているのかもしれない、と思った。

当初、「悪霊」は地縛霊で、公園から動けない、という説明がなされるのに、舞台後半になると公園から動けて「お前、地縛霊じゃなかったんだな」何ていう、途中で変化している設定もあり。きっとこれは、歳を経てある事を思い返すとき、その時は「絶対だ」と思っていた制約が、実は自分自身が決めていた、偽りの制約でしかなかったりする事に気がついたり・・・という事に対応しているんじゃないか、などと考える。劇中の台詞で言えば「学生の頃は、学校が社会のすべてでそ、そこで嫌われたら終わりだと思っていた・・・」的な感覚。その感覚の中のように感じる。正に「足が(つか)なくて不安」から「地に足がついてくる」感覚とも言えるのかもしれない。

そんな不思議な世界で紡がれる、人生の走馬灯。人生そのもののドラマ。「悪霊」のバックグラウンドの話が存在するだけで、不思議と「人生の途中で捨ててきてしまった何か」や「枠の中にいた若い時分」みたいなものを、観ている人それぞれが思い起こさずにはいられなくなる。そんな不思議な世界に迷い込むための、物語だったように感じる。

・・・と、ここまで書いて、何だか上手く表現するのが難しい作品な訳だけれど。根底に流れているのは、人生に対する賛歌というか、賛美のように思う。観ていて、とても切なくて、ほんの少し元気になって気分の晴れる、そんな物語だった。

そだ。書き忘れていた。冒頭のプロジェクションマッピング?的なの、ものすごくカッコいい。

役者さん。あ~いや、もう、昨今の小劇場界のエース級が大集合した感じですので。一人一人書いたら止まらないので、やめておきますが。二つ。白井肉丸の、自信のなさそうなんだけれど筋が通っている「悪霊」のインパクトが、とにかく絶大だったのと。それぞれの年齢の、谷本創を演じている四人、細田こはる、ニュームラマツ、鳥谷部城、小太刀賢のコンビネーションというか、成長していくそれぞれのフェーズと移り変わりの四人が、とても印象的だった。

ここだけの話。「足がなくて不安」ってタイトルから、実はもう若くない下り坂中のOLが、アッシー君が少なくなってきて、家に帰るための「足がなくて不安」な話だと勝手に想像していたけれど。全然違ったわ。

[kangeki]

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<観劇レポート>タカハ劇団「女友達」 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/12/04/083006 Tue, 03 Dec 2019 23:30:06 +0000 https://www.nanka-ku-kai.com/?p=2597

【ネタバレ分離】

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 タカハ劇団
タカハ劇団第16回公演
女友達
脚本 高羽彩
演出 高羽彩
日時場所 2019/12/23(火)~2019/12/07(土)
スタジオ空洞(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

高羽彩が脚本・演出・主宰をつとめるプロデュースユニット。
2005年、早稲田大学にて旗揚げし、大学内外より高い評価を得る。
日常に普遍的に存在しているちいさな絶望や、どんな壮絶な状況でも変わることのない人間の些細なあり方、生き方を笑い飛ばしながらすくい取る、リリカルでクールな作風が特徴。

タカハ劇団 |

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

事故で緊急入院した姑の世話をするため、忙しい旦那に替わって一時帰郷した朱音(あかね)は、高校時代の同級生で今は介護士となった稔梨(みのり)と再会する。
再会の挨拶も早々に、朱音は稔梨に姑の事故原因について詰問する。
稔梨曰く、姑の事故にはこの家の引きこもりの長女、紀香(のりか)が関わっているらしいが――。

女三人、一夜で語りあうのは、恋バナよりも赤裸々な、人生の話。

観劇のきっかけ

前回公演が面白かっのたと、好きな役者さんが出演しているからです。
https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/02/13/190000

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2019年12月3日
19時30分〜
上演時間 90分(途中休憩なし)
価格 3200円 全席

チケット購入方法

劇団ホームページのリンクから、予約をしました。当日清算でしたので、当日受付で前売り料金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は7:3。男性アラフォー世代が多く、若い方の二局な感じでした。一人客が多い印象でした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・会話劇
・笑える
・泣ける

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは。
義理の母が家で転倒した、と聞いて、東京から急いで戻ってきた朱音。そこで待っていたのは、高校時代の仲良し友達、稔梨。偶然の再開。昔話に花が咲き。夫は、偶然にも高校時代に仲の良かった友達紀香の兄で、実は引きこもってこの家の2階に住んでいるらしい。引きこもっている娘がいるのは知っているも、まさか高校時代の友達の紀香だとは知らずに、ヘルパーの仕事で通っていた稔梨。・・・期せずして同じ家にそろった、高校時代の仲良し3人。でも紀香は、2階から降りてこない。昔話や、近況の話。そして、幼馴染の友達位にしかできない下らない話をして懐かしむ、朱音と稔梨。お互い、10年位でいろいろな事があった。高校時代に、紀香の書いた台本で芝居をやって、上手くいかなかったけれど楽しかった話。そんな話をしていると、引きこもりの紀香が2階から降りてくる。実は紀香は在宅で働いていて、脚本家としてゴストライターをしている・・・と本人は言うも、どうも嘘らしい。突然紀香から発表。私、劇団やります。劇団員は、この3人です、と。そこから始まる「女友達」の劇。気が付けば高校時代にタイムスリップし・・・。そして、その回想シーンが終われば・・・、3人は、本当の境遇・・・を話始める・・・・と、ストーリーだけ強引まとめるとこんな話。

観劇前にチラシのストーリーを読んだ時、何となく、ストーリーは読めていたのだと思う。大人になって、それぞれ人生が違って、話せない事が多くなってくる。友達といれば、「盛った自分」を見せたくなってくる。勝手に虚像を褒めてくれる友達に、真実を告げるのが辛くなってくる。そんな「女友達」が真実に近い会話をしたらどうなるのか。そんな話なんじゃないか、と。結果的に、予想通りではあったし、予想は大きく外れもした。ドラマというか、時間の切り取り方が絶妙だった。

開演60分位までは、朱音と、稔梨の会話。自然な自然な会話。たまたま再開してしまった二人の、丁寧な丁寧な会話。「リッツ」が「ルヴァン」になってしまったり。「パトレイバー」が思い出せなかったり、そんな下らない会話をしつつ。でも、広告代理店勤務のバリキャリなのに、「ルヴァン」の宣伝が沢口靖子だと知らない朱音。病院からの電話を妙に気にしていて、義理の母が転倒した原因をどこか隠しているような朱音。そして、誰からか電話がかかってきていて、待っている人がいそうな稔梨。お互い大人だし、友達なんだから気にしない。そんな会話が続くのだけれど。この妙に間合いの探り合い的な会話がとても自然。程よく笑いも巻き込みながら進む会話。会話劇として面白く、いい時間だな、と思っているも。あれテーマは、このお話は何処に進むのかな、どこに行くのかな、と思っていたら。

60分目くらいで出てくる、引きこもりの紀香。脚本のネタが、高校時代の2人、朱音と稔梨の会話の克明なメモ。三谷幸喜・・・最も自分の脚本にプライドを持っている作家・・・のゴーストライターやっているって、一発でバレる嘘はつくし。でも、突如始まる、高校時代の続き。演劇ごっこ。この一瞬だけ、高校生に戻ったような。でも、日常が続いているような気もするし。そんなタイムスリップ的な時間を共有した後。自然と出てくる、本音。本当の自分。近況。・・・ラストに、「入れ子構造」的な自虐的なネタバラしもしつつ。あるいは、この3人は、たまたまこういう関係になれた、という見方もしつつ。どんどん出てくる「本音」「本当の言葉」。この紡ぎ出し方が、本当に絶妙としか言いようがない。

前半の伏線の部分、「ルヴァン」や「パトレイバー」や「サザエ」では、かなりクスクス笑いしてしまったけれども。後半の畳みかけてくる展開は、ああすごいなぁ、切ないなぁ、こういう感覚ってあるよなぁ、と、思わず遠い目をして涙しながら、芝居を見つめる感じになってしまった。結果的に、ストーリーは予想通りだったけれど。この3人が紡ぐ空間が、あまりに緻密で愛おし過ぎて・・・そんな感覚の90分だった。

役者さん。異儀田夏葉、サバサバした役がナチュラルでぞくぞくするほど魅力的な感じ。大好きです。高野ゆらこ、先日のゆうめい「姿」で初めて拝見して、ものすごく衝撃を受けた方。今回は正反対の役だけれど、介護の現場の「引いた」感じとか、息子とのメール/電話のやり取りとか、ラストの告白後の涙のシーンとか(横顔しか見えないのだけれど)。物凄く感情を丁寧に追っているのが分かって。ますます気になり出してしまい。高羽彩、前回の公演「僕らの力で世界があと何回救えたか」の脚本家で、あ、こんな不思議で魅力的な脚本書く人がいるんだなぁ、という記憶の仕方だったけれど。役者さんとしても、二人を転がす演出家的な立ち位置ではあるものの、何だか欠かせない感覚。うーん。恐れ入りました。

[kangeki]

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<観劇レポート>雀組ホエールズ「ピラミッドの作りかた」 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/12/04/080044 Tue, 03 Dec 2019 23:00:44 +0000 https://www.nanka-ku-kai.com/?p=2592

【ネタバレ分離】

観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 雀組ホエールズ
雀組ホエールズ第16回公演
ピラミッドの作りかた
脚本 佐藤雀
演出 林高士
日時場所 2019/11/27(水)~2019/12/08(日)
シアターグリーンBASETHEATER(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

​横浜がホームグラウンドですが、公演は都内を中心に活動。

雀組ホエールズは「社会派」といわれることが多いですが、作品の根底は「思いやり」をテーマにしたいと思っています。「恥ずかしいくらいに正直な思いを伝えてみて、そこからどう思われるかはお客様に委ねるしかない」そう考えています。現実がどんどん殺伐としていく中で私たちがお伝えできることを探していきたいと考えています。

また雀組ホエールズは、小劇場の面白さを初めて演劇に触れる方にお伝えしたい。演劇ファンはもちろんですが、演劇を観たことがないという人にこそ、見て欲しいんです。お金を払って90分以上、狭い空間に押し込められて、なんだかお金も時間も損した気分になる、それが演劇。そんな風に思ってる方にこそ見て欲しいんです。

楽しい、笑える、そして泣ける。舞台上の役者たちと観客が一体となって作り上げる空間。それが演劇の魅力だということを体験して欲しいんです。役者はお客様の空気を敏感に感じる。そしてお客様も、そんな役者の空気を感じることができる。舞台の上と観客席がお互いに心を開き合ったとき演劇は、最高のエンタテインメントになるんです。

映画は1800円、演劇はその倍以上の値段がかかります。雀組はそのことを踏まえて、「お客さんに損はさせない」そういう思いで演劇を作り上げて本番に臨みます。そんなわけで、一緒に小さな空間を共有しましょう。

劇場でおまちしています。

http://suzumegumi.com

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

エジプト王朝最後の女王・クレオパトラはローマとの決戦を目前に、現代に迷い込んだ。
そこには芸術を愛し、芸術を信じ、芸術に苦しむ人たちがいた。
陶芸、文芸、企画、批評、ダンス、さらにエジプト王朝初代ファラオの生まれ変わりも。
ピラミッドは芸術なのか?
スゴイって何なのか?そもそも芸術って何なのか?
雀組ホエールズが無理難題に挑戦します!!

観劇のきっかけ

大好きな劇団です。
https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2018/10/27/143436https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2018/11/05/070000https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2018/11/15/070000https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/05/30/080000https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/06/05/080000

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2019年12月3日
14時00分〜
上演時間 120分(途中休憩なし)
価格 4500円 全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページからのリンクで、チケット購入申し込をしました。当日清算でしたので、当日受付で、前売り料金を支払いました。

客層・客席の様子

平日マチネということもあり、シニア層が多め。男女比は半々くらいでした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・笑える
・考えさせられる
・にぎやか
・元気になる
・芸術とは

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは。
陶芸家、菊右衛門の一家。娘がエジプトに旅行にでかけて。お土産にクレオパトラとアントニヌスの人形?を買って帰ったら。菊右衛門にはその人形が動き出して見えた。祖母、あおいにはその人形が見え、あおいの事をナエジプトの女王だと呼んでいるが、他の人には見えない様子。ピラミッドは芸術か、何故芸術か、などと質問する。陶芸家、菊右衛門は、悩んでいた。新進気鋭の若手陶芸家、源水と対決形式で展示会をすることになり。芸術とは何かを悩んでいる。一方、寺山周治は、幼少時代母から愛されなかったことを原動力に、物語を書き続けている物語も交錯し・・・。悩む菊右衛門。町の陶芸教室、下品(しもしな)などとの出会いもあり。その答えを見つけ出していく・・・と強引にまとめるとこんなお話。

寺山周治(修司?)の世界や、クレオパトラ・アントニウスの世界、そして秋元也寸志(秋元康?)まで登場して、物語の登場人物だけを俯瞰すれば、一見すると、かなりカオスだ。しかし中身は、表現するとは何か、芸術とは何なのか、という問いを基に、何かを表現しようとしている作品だった。表現する、という事に身を置いたことがある人なら、一度は考えるであろう問題を、なんとか解釈して提示しようと試みていた様に感じる。時代設定的に合わない人々が、名前を少し変えていろいろと登場してくるのも、アントニウスの突っ込みが次々入ってくるのも、ストレートなテーマの照れ隠し的な部分があったのだろうと思う。テーマ自体は、ストレート過ぎるくらいに、ストレート。・・・役者さんの技量に、ちょっと差が激しいのかな・・・、作品としては粗削りな部分が多かったのは否めないものの、ラストに向かっていく過程については、うっすらと涙するのを止められなかった。

ここから先は、芝居を観た上での自分自身の意見も含まれる考え方になるが・・・。劇中、サラッと言葉に出てきたように。結局「芸術」とは、人の心の中にあるものだ。「芸術」という絶対的なものが存在する訳ではなく、一人一人が何かを観た時に感じる、その心にこそあるものだ。「花が美しいのではなく、美しいと思う心があるのが美しい」のと同様だ。秋元也寸志の世界や、評論家の貝原雄山の世界などは、「芸術」を、あたかも、元々存在するモノのように捉えて、それで金儲けを考えていて。それ自身は悪いことではないが、やはり「芸術」とは異なる。・・・物語は「お金」と「芸術」の相容れなさだけを語っているわけではなかったが、その部分の対比が、一番分かり易く提示されていたように思う。

作品の結論・・・表現・芸術は「愛」っていう結論は・・・、私的にはあまり納得できるものではなかった。結論は「愛だ」って豪語する、多々ある芝居と同様、「愛」っていう一言で全てまとめるのは、ちょっと無理がある。寺山修司の世界観も並行して出てきて、彼の表現での「愛」や「母性」みたいなものは、理解は出来るけれど。うーん、だからって、芸術=「愛」で何でも解決するなよ、というような風に思った。菊右衛門の陶芸が、受け入れられたのは、そこに家族や他人を動かす何かが内包していて。「芸術」とは、「他人の心」である事に気が付いた菊右衛門が、その心で作品を作ったから、という風に解釈した。やっぱ、「愛」っていうだけじゃ、いろいろと説明がつかないよ、と、どうしても思う。

表現に関する事。若い人がもっと観て欲しい作品に思えたけれど。マチネを観たからだろうか。かなり年齢層が上。特に演劇をやっている若い人達には、いろいろと刺さる部分が多い作品なんじゃないかなぁ、と思った。

印象に残った役者さん。阪本浩之、安定の演技。毎回やっぱりいい味出しているな。今回は全編にわたって、みんなにちょっかいを出していて。棚橋幸代、クレオパトラ、立ち姿、メイク、衣装、奇麗で好きでした。頭に乗っているコブラ?が、横から見ると小鳥か何かに見えて、それも好き。夏井貴浩、悩む感じの役をやるととても似合うなぁ。尾上貴宏、寺山修司っぽい感じっていうの?あの影がある感じははまり役。どこか別の場所で観た気がするのだけれど・・・思い出せず。井上晴賀、前回の「ワスレナグサ」とは大分変わって、おばあちゃん役。あのケツをわさっと掴むの、いいな。

[kangeki]

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【個人的メモ】2019年11月観劇の総括。 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/12/01/133506 Sun, 01 Dec 2019 04:35:06 +0000 https://www.nanka-ku-kai.com/?p=2576

観劇総括

観劇数は、18本。2019年の、年間通算観劇数は143本。
2019年観劇一覧

126 11/1 人間嫌い かわいいチャージ’19
127 11/4 東宝ミュージカル ビッグ・フィッシュ "12 chairs version”
128 11/4 くちびるに硫酸 あの星にとどかない
129 11/6 KOKAMI@network 地球防衛軍 苦情処理係
130 11/7 笑の内閣 ただしヤクザを除く
131 11/8 演劇プロデュース『螺旋階段』 小田原みなとものがたり
132 11/13 劇団やりたかった レタスとわたしの秘密の時間
133 11/15 T-PROJECT 8人の女たち
134 11/16 県立麻布大学附属高校 えーあい
135 11/16 県立横浜翠嵐高校全日制 ダイナマイトと蛙たち
136 11/16 県立神奈川総合高校 O-dentity
137 11/16 県立瀬谷西高校 それでもだれかとつながってる
138 11/21 東京あたふた 獏のゆりかご
139 11/22 feblaboプロデュース 日曜日よりの使者2019
140 11/26 東京AZARASHI団 空飛ぶカッパ
141 11/29 劇団ダブルデック ピンポンしょうじょ→→
142 11/30 八千代松陰高等学校 ナイゲン(盆栽版)
143 11/30 うめめ シゲル

先月同様、濃い芝居が多かったなぁ。印象に残るのが多くて困る。
CoRichでの感想はこちらに投稿。基本はブログからの抜粋。

印象深かった作品

CoRich満足度で5つ星

https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/05/080053https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/14/080001https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/23/080046https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/27/080056https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/30/080020https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/30/180019

とても好き

https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/17/103013

12月の観劇

もうダメ。一杯いっぱい。

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<観劇レポート>うめめ「シゲル」 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/12/01/115025 Sun, 01 Dec 2019 02:50:25 +0000 https://www.nanka-ku-kai.com/?p=2560

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 うめめ
シゲル
脚本 真臼ねづみ
演出 真臼ねづみ
日時場所 2019/11/28(木)~2019/12/01(日)
BUoY(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページはなく、劇場ページにこんな解説がありました。

2015年6月旗揚げ。
名古屋を中心に俳優/脚本/演出家としてフリーで活動していた真臼ねづみが、自身の表現を舞台上演する母体として設立。2016年第2回公演後さらなる飛躍と挑戦のため拠点を東京に移す。
家族を題材とした作品が多く、日常のリアリティを面白おかしく描く。
人間の格好悪い側面に特に愛着を持ち、不器用な人や追い詰められた人たちの常軌を逸した行動を切り取る。シュールな笑いと、誰もが思い当たる身近さが特徴的。

シゲル – BUoY
うめめ(@umeme2015)さん | Twitter

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

律子が家を出て1年、久しぶりに帰省する。
そこには“彼女のいない1年”があった。
どこにでもいるような家族と、誰もが抱えるかもしれない問題の詰め合わせコメディ。
「簡単に絡まるのに解くのは難しい」をコンセプトに、主人公以外全員男優でお届けする年齢と性別を気にしないホームドラマ演劇。

観劇のきっかけ

気になる役者さんが出演しているから、の観劇です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2019年11月30日
19時00分〜
上演時間 90分(途中休憩なし)
価格 3300円 全席自由

チケット購入方法

劇場サイト内の公演ページから「予約はこちら」を押して、ネット上で予約しました。
代金は当日清算でしたので、当日受付で払いました。
シゲル – BUoY

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。年齢層も様々。極端にシニアな方は見かけなかったかな。特定の傾向があるようには思えませんでした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・泣ける
・笑える
・会話劇
・家族

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4.5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは。
一年ぶりに帰宅した姉、律子。20代後半だろうか。実家は大きく変わっていた。家の周りは「ガーデニング」という名の草ぼうぼうに覆われて、祖父の認知症は進行し、父は誰のものとも知らない家族アルバムにストーリーをつけて説明する妄想の中に生きているし、母はテニスをやめても結局世間体に生きている。高校生の妹には彼氏が出来、社長だと言っているが、実は近くの中華屋でバイトをしている。いわゆる「お化け屋敷」を作って事業を起こして成功させると言っていて、顔面真っ白に入れ墨したへんな後輩が家の中をウロウロしている。帰宅した姉は、実は未婚の母になる事を両親に告げに来たが、妹の彼氏の問題もあって最悪のタイミングで話すことになる。そうやって、一年すると家族は変わってしまっているけれど。やはり記念写真は最後に・・・と、強引にまとめるとこんな話。

出演者は、主人公の姉以外は全員男性で、女性も男性が演じて。半分は女装した男たちが演じる、ちょっと変わった家族劇。劇中のセリフでも出てくるのだけれど。「自分自身が成長して理解できることが多くなると、これまで見えていなかったことが見えるんだなぁ。」という感覚。でも、父・母・祖父・妹のいろいろな事が見えても尚、やはり分からない・・・というか、得体のしれない事が見えてきて。その断絶というか、ズレみたいなものを描いている作品に思えた。

変な設定の男(+女装)たちが沢山出てくるのに、会話が物凄くナチュラルというか、自然。物語を進めるのに必要な言葉は選びつつも、帰省した時のある瞬間を切り取ったんじゃないだろうか、という感覚だった。

相手の訳の分からなさを表現する、という点。主人公以外が全てが男性という配役にも現れていいるように思えた。しかも、男性陣が非常にパワフルな役者さんが人が多く、そのドタバタ劇的なものを観ているだけでも面白い。しかし、家族との「ズレ」を描いている作品だけあって、笑いも自然と乾いたものになってしまって。細かいネタでゲラゲラ笑っているのに、全編通じて物悲しい感覚が舞台を支配していたように思った。

作品が提示しているような世界観は、これまでも、どこかでみたことがある。割と普遍的なテーマで、テーマ自体には新鮮さみたいなものは、特に感じなかった。そんな中、私自身は、30代くらいの女性から一人称で世界を捉えた物語は、実はちょっと苦手だったりもする。拝見した回は、作者が主人公の女性も演じるのを知り、一抹の不安を覚えたりもした。「私はこう世界を見たの!」という感覚で、視点を迫られると、ちょっと困る物語だった気がするのだが。・・・観てみて、予想とは裏腹で、完全に裏切られた感覚だった。

律子が主人公の物語なのだが、実は物語の中では、家族を見つめる脇役になっている。あくまで物語の主軸は、家族の面々。自分自身の妊娠、という側面を抱えつつ、その家族を外から「見つめる」視点で進む物語の構造。男優陣の濃さも相まって、律子自身が、とても空虚な存在であるように見えた。客側に、その視点を体験させるような構造に、したかったんじゃないかと思うのだけれども、解釈が正しいとすると、演出的には成功していたように思う。ダブルキャストで、主役のみ、別の女性が演じるバージョンもあるようなので、そちらも観てみたかった。

父が、インターネットで買った他人の家族写真を古臭いアルバムに入れて、その写真が撮られた経緯の、架空の話を作り上げていた話が、とても印象的だった。「GHOST IN THE SHELL /」に出てくる家族の記憶を埋め込まれた人や、「岸辺のアルバム」を思い出した。

男優さんの迫力というか、緩急自在な演技が、一部役の女装した演技と相まってとても印象的。その中で気になった役者さん。山崎丸光、何だかお母さんが板に付きすぎていて。自然に受け入れている自分にビックリした。家田三成、他の男優陣と違って、自信なさそうにトツトツと喋る声と、KENAROのトレーナー着ている様があまりに哀れというか情けなくて。半面、アルバムにかじりついてる時の嬉しそうな表情が印象的だった。今井勝法、女子高生もそうだけれど、パジャマが似合い過ぎてる。お姉ちゃんの布団に入ってくるのとか、それだけでもう可笑しくて仕方なかった。タクシー運転手も好き。白川哲次、あのうさん臭さはいいなぁ。

[kangeki]

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<観劇レポート>八千代松陰高等学校「ナイゲン(盆栽版)」 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/30/180019 Sat, 30 Nov 2019 09:00:19 +0000 https://www.nanka-ku-kai.com/?p=2546 【ネタバレ分離】

千葉県の、高校演劇の県大会を、一校だけ観てきました。
たまたまタイトルが目に入ってしまい、観に行かずにはいられませんでした。

公演前情報

公演・観劇データ

名称 第72回千葉県高等学校演劇研究中央発表会
日程 2019年11月29日(金)~12月1日(日)
会場 千葉県教育会館ホール

観劇した演目

学校名 タイトル 作者 日時
八千代松陰高等学校 ナイゲン(盆栽版) 冨坂 友/原案
神田 沙羅/作
30日09:10~

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

八千代松陰高等学校「ナイゲン(盆栽版)」

冨坂 友/原案
神田 沙羅/作

ストーリーは。
盆栽部。3年生の先輩が引退する。引退する前に、その後一年間の部活の活動方針を決めて、内容を限定する会議・・・内容限定会議=通称「ナイゲン」。昨年通りの活動を踏襲する事を決議しようと思ったら、学校側から通達が。「昨今の情勢にかんがみ、部活動はその活動内容を見直す事」との事。そこで始まる活動の見直し。活動の見直しに「賛成」か「反対」かを部員の中で議論して、最終的にどうするかを決める、という事になる。議論7日から、盆栽部は、その歴史130年(?)、週6活動。盆栽部なのに、筋トレやスクワットなどなど、かなりハードな内容だという事が分かる。そこで浮き彫りになる「伝統的な厳しさを続けるか」と「練習を合理的に、緩くしていくか」という議論。そして、練習がまりにも厳し過ぎる中、体調を崩してしまった部員が、以前不登校になってしまったことが明らかになり。対立する3年生と、2年生。「伝統を守るべきか」はたまた「時代に合わせて変えていくべきか」。最後は全会一致が大原則の「ナイゲン」。活動を緩くすることは伝統にのっとり許容できない、と3年生の一人が反対する。議論の末、2年生2人が「先輩にはついていけない」と退部を決意したところで、ちょうど体調を崩した部員が部室に。退学届けを出しに来たついでに寄ったのだという。それぞれの想いが爆発しつつも、最終的には3年生は変化しようとしている盆栽部を受け入れて、全会一致する・・・と、強引にまとめるとこんな話。

冨坂友作「ナイゲン」をベースにした、創作劇。設定を踏襲しつつも、(おそらく)架空の部活「盆栽部」を巡る、全く新しい物語に見えた。

最初は軽快に始まる議論。ある2年生が、実は縛るの大好き、盆栽に針金をかけるの大好きなちょっと「変態な」要素が垣間見れるコメディも交えつつも。最終的に帰結していくのは、3年生と2年生の考え方の対立。盆栽部は、傍目からはいわゆる「ブラック部活」。伝統を重んじ、厳しい練習をして、WBC=World Bonsai Contestで優勝したいけれど、実はこの30年位結果は出ていなくて。その中で「伝統」を重んじるのか、「変化」を求めるのか、という深い話でもあった。

ふと思い出さずにはいられないのは、日本大学のアメフト部の問題などの「部活でのパワハラ」や、「伝統という名での厳しい練習」や、高校野球での投球数の問題など。あるいは、最近の「無意味な校則」の議論。そのやり方は本当に効率的なのか、合理的なのか、意味があるのか、という視点に立った時に、崩れていく「伝統」という名の惰性の文化や、所与性。そのとても脆い問題に対して、直球勝負を挑んでいるように思えた。日大の問題のように酷い例まで行かなくとも、「伝統」という名において、あまり意味のない、しかも負荷の高い事が、今でも部活動で行われているのだろうと思うし。それは部活動に限らず、日本の社会のいたるところで蔓延している事なのだろうと思う。その事をふと思うと、問題への切り込み方、提示の仕方が、とても鮮やかだなぁ、という事を感じずにはいられなかった。

一方、「伝統」を重んじる側の3年生にも、3年生なりの理論や想いがある、という事がひしひしと伝わってきた。独断で「伝統が大事」という3年生にはついていけない、と怒る2年生。突如出てくる不登校になった生徒とのコミュニケーションが、あまりにも切なすぎて涙せずにはいられなかった。そこには、大きな流れの中で、個人の力では通常どうしようもない事柄に対する無念さも含まれていて。きっと、集団で何かを成し得ようとしたとき、誰もがこんなことを経験するのだろうと思う。その切ない、どうしようもない想いを、「ブラック」な盆栽部(盆栽、っていう例が絶妙だけれど)のちょっと架空な例で、とても切実に描かれていたのだと思う。途中から、舞台中央に置かれる、伝統の「盆栽」が、いかにもな設定でコメディっぽくも、どうやっても動かない伝統の象徴のようにも見えて、非常に悩ましかった。

また、最近読んだ、鴻上尚史の本、「空気を読んでも従わない」「空気と世間」なども思い出す。

原案の「ナイゲン」という枠組みを上手く使っていたと思う。ナイゲンの枠に囚われすぎても、面白い話にはならないし、ナイゲンの枠を使うなら、ナイゲンらしさも失う訳にはいかない。ナイゲン、一言でまとめるならば、、、、誰にも譲れないものがあって、その譲れないものをどう乗り越えていくか、という事がナイゲンのテーマだ。本家ナイゲン程、「ほんわか」した雰囲気は無いものの、逆にしっかりと議論して、人と人の想いがしっかりと衝突して、そして先に進んでいく。人々の想いの話・・・という意味合いでは、ナイゲン以上にナイゲンらしい、と言えるかもしれない。ナイゲンはあくまで「コメディ」だとすると、学園シリアス版「ナイゲン」と言えるかもしれない。(とはいえ、前半部分の「縛るの大好き」話は完全にコメディだけれど。)

気になった点としては、やはり「全会一致」の件が出てくるのが、ちょっと唐突だった気もした。(ナイゲンを知っている私はよく理解できるが)また、「反対派」が勝ったら、今度はどう「変えるか」を「ナイゲン」の結論として議論しないといけないと思うので、三年生まだ引退しちゃダメダヨ、という思いもあって、ちょっと不自然さも残っていた。どうしても「ナイゲン」という作品を観ている方が、すんなり理解しやすい舞台にはなっていると思うので、理解の差が生まれる作品になっていたとは思う。とはいえ、そのあたりの気になる点を思いつつも、全体としては気にならないくらいに感情のうねりが描かれていた。

・・・ここまで書いたところで調べてみると、この作品は同校の顧問創作のよう。今年、私にとって、「ナイゲン」は5作目。改変版は、先日観た「ナイゲン(暴力団版)」があった。暴力団版も良かった。しかし、人の生き様の切り取り方という観点では、他のどの作品よりも印象深い作品になった。

https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/03/27/080000https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/08/25/110016https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/10/17/080044https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/10/24/080032

直後のtweet

[kangeki]

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<観劇レポート>劇団ダブルデック「ピンポンしょうじょ→→」 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/30/080020 Fri, 29 Nov 2019 23:00:20 +0000 https://www.nanka-ku-kai.com/?p=2530

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 劇団ダブルデック
劇団ダブルデック リターンズvol.1
ピンポンしょうじょ→→
脚本 ゴロ六郎
演出 ゴロ六郎
日時場所 2019/11/29(金)~2019/12/01(日)
アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2009年、劇団綺畸メンバーにより結成。紆余曲折を経て、2010年7月に第0弾「イエス!マイライフ」を上演し事実上旗揚げ。

公演をやる上での第一目標は「お客さんのエネルギーを吸い取る」こと。生で見ているからこそ伝えられる「人間の持っているチカラ」を伝えたい。ありそうでないようでやっぱりあるような現実を強烈に、パワフルに、そして優しく描くことにしている。

劇団名の由来は「いろんな視点がありいろんな景色が見れるけど行先は一つ」である。二階建てバスのような演劇がしたい想いから、ということになっている。

http://gekidandoubledeck.web.fc2.com/

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

浅草に天才卓球少女・現る。東京オリンピックでは公式種目ではない卓球。しかし、将来の公式種目化に向け、毎日のようにラケットを振る天才卓球少女がいた。品田ゴム工業社長の品田卓さんの娘・本子さん。かわいい顔の小さい体から繰り出されるスマッシュは4歳と思えないほどのスピード。負けず嫌いで卓球大好き。未来のオリンピア・品田本子ちゃんを私はこう名づける・ピンポン少女!

観劇のきっかけ

関係者の方から、twitterでお誘いいただいたのがきっかけです。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2019年11月29日
20時00分〜
上演時間 95分(途中休憩なし)
価格 3000円 全席自由

チケット購入方法

Webで予約をしました。当日清算でしたので、当日受付で代金を払いました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。若い方が非常に多かったように思いますが、シニアな方もチラホラ混じっていました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・コメディ
・パワフル
・動き

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありませんが、感想をつぶやいたりすると、DVDのプレゼントの案内があったように思います。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリは。3部作的な感じ。
1967年。ゴム会社の娘、本子が、父の影響を受けて卓球を始める。友達の福と、優も卓球。気がつくと卓球ばかり。卓球大好きのはずが、いつしか父のプレッシャーがすごい人生。オリンピックなんかも出場して。3人は常にアイドル。でもあるとき卓が怪我をして大会に出れず。「福のためにも金メダルを取らないといけませんね」とうインタビューで逆ギレした本子は、「私は私のために金メダルとってるんだ」と言い残して卓球界を引退する。
1980年代。バブル期。福と優は、男女で卓球界の頂点に。しかも結婚。卓球日本代表のイケメンコーチにまで。一方引退した本子は、「ぴんぽん中毒。「卓球」には手を出さず、高校でできた友達と、「ぴんぽん」と音が出るものを求めて彷徨う。クイズ研究会で「ピンポーン」してみたり、エレベーターガールで「ピンポーン」と言ってみたり。気がつけば夜のヤバイ仕事にまで落ちぶれて、誰が父親ともわからない子供を出産して、「ぴんぽん」と名付ける。
2000年。ぴんぽんは、卓球をやりたいと母親に問うが、よく分からない条件を出されて却下される。事業仕分けをしてみたり、はやぶさを帰還させてみたり。そうして初めて降りた許可。母子でピンポンしているうちに、本子は、自分が本当は卓球がやりたかったと気がつく。50代になっても、東京オリンピックを目指す。その様子をYouTubeで流す。例え、再生数が二桁いかなくても。私は私の人生を生きる・・・とちょっと長いけれど強引にまとめるとこんなお話。

全編、軽快なリズムに乗せて、時代背景をトレースするようなギャグと、ダンス・・・まではいかないけれどキレキレな動きと、目まぐるしく変化する照明と役者さんのテンションで、終始運んでいく物語。パワーというか、表現としての熱量と、ラスト、非常に単純だけれど涙しそうなテーマに持っていく表現。観ていて、鳥肌が立つ感覚だった。舞台の熱量そのままを、観客が受け止めきれていない量だったように感じた。すごいもの観ちゃった、という感覚だった。

どこか懐かしい、という感覚も覚えた。「柿喰う客」に若干作風が似ている気もするし、古いおじさんの私は「惑星ピスタチオ」のパワーマイムや、劇団ショーマのようなものの影を見たような気がする。ただ、「何かに似ているな」と劇中から思い始めて、なんだろう、と問い続けているのだけれど、「これ」というものにたどり着かない。どこか懐かしさを感じるけれど、オリジナルの表現ということか。

1960年代から、2019年のオリンピックの前の年まで。その年ごとのネタを織り込んだギャグが満載なんだけれど。あまりにも唐突で、観客が拾いきれていない。しかも年代的な齟齬もあるから、そもそもギャグに気がつかない世代も多そうだし、理解できても、笑いまでたどり着くのに1秒くらいかかりそうな「思い出す」のが必要なネタ・・・NACK5とか、あの速度感で出されても、脳の回路がつながるのに時間かかるって・・・。なので、特定の層が、微妙に遅れて笑っているギャグが何度も出てくるのだけれど。そんな「やや受け」のギャグでも、全くひるまない。時代ネタ以外のネタではしっかり笑いとりつつ、ものすごい勢いで進んでいく芝居。

勢いで迫ってくるけれどラストはしっかりと、「私は私の人生を生きる」。単純で原始的な感情だけれど、この熱量の舞台の後だと、とても心地よいテーマ。あー、なんかうっすら涙も出てきてしまったし。圧倒されて、笑って、泣いて。。。。最高の舞台だった。

思えば、ここって「アトリエファンファーレ東新宿」、なんだけれども。狭さは感じつつも、こんな小さな空間で、ここまで表現できるんだなぁ、という感覚が強かった。特に、照明の作り込み方がすごい。ある程度小さな空間で成立しうる表現・・・という気もしなくもないけれど、もう少し大きなところで・・・例えばスズナリくらいの小屋で、観てみたかったなぁ、という思いも出てきた。

一つ不思議だったのは、ものすごく楽しいのに、いつもより多い回数、時計を見てしまった。理由がわからなかったけれど・・・終演後に理解した。観ていると、パワーが凄すぎて、疲れるからだ・・・。あと何分位、受け止められるかな、と思っていたのだと思う。この感想を書くために、劇団の紹介を見ていたら、・・・確かに。観客のエネルギーを奪う芝居なのか。

8人しか出ていないのに、全くそうは思えない。複数役をこなしていたシーンもあったけれど、それに頼っていたわけでもなく。なんだろう、あのたくさん出ている感は。役者さん。さんなぎ、可愛い。元気さと、表情と動きの緩急がとても印象的だった。はりゆうき、「卓球」っていう言葉に反応するの面白い。背が高いなぁ。八谷しほ、なんか物凄く表情が濃くて豊かで、観ていて飽きなかった。松原圭、イケメン!。斉藤百香、さんなぎとツートップで可愛い。田口ともみ、役が変わった時の変容っぷりが面白い。稲垣晋太郎、不良グループ面白い。稲垣晋太郎、中国人うまいなぁ。中川慎太郎、全体を回す狂言回しの役割と、「ぴんぽん」の差が凄かったなぁ。

今年のベスト10に食い込んできそうな一本。

[kangeki]

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<観劇レポート>東京AZARASHI団「空飛ぶカッパ」 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/27/080056 Tue, 26 Nov 2019 23:00:56 +0000 https://www.nanka-ku-kai.com/?p=2517 【ネタバレ分離】

$$当日の写真$$
観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 東京AZARASHI団
#15
空飛ぶカッパ
脚本 穴吹一朗
演出 穴吹一朗
日時場所 サンモールスタジオ(東京都)
2019/11/26 (火) ~ 2019/12/01 (日)

団体の紹介

団体の紹介らしき記載を見つけられませんでした。公式ブログがあるも紹介は無し。twitterに辛うじて記載あり。

TBS系『Dr.DMAT』・『信濃のコロンボ』・『蝶の力学』の脚本家、穴吹一朗率いるコメディ集団。

東京AZARASHI団のブログ
東京AZARASHI団(@azarashidan)さん | Twitter

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

老人は少年時代に宇宙人に会ったことがあった。
その宇宙人と心が通い合い、追ってきたNASAの連中から守ってあげた。
その時、乗っていた自転車が空を飛んだ……らしい。
老人にその宇宙人の絵を描いてもらったら、それはそれは見事な河童だった。
その老人の命がまもなく尽きようとしている。
信州のドンファンと呼ばれたこの老人の隠し資産はなんと30億。
だが、その隠し場所はこの老人しか知らない……。
果たしてこのお宝をゲットできるのは一体誰なのか!?
そして本物の河童は出て来るのか!?

観劇のきっかけ

チラシが気になっての観劇です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2019年11月26日
19時00分〜
上演時間 115分(途中休憩なし)

客層・客席の様子

男女比は6:4くらいで男性が多め。男性は30代~40代。女性は若い客が目立ちました。若い人は団体で、シニア層は一人で観に来ている人が多いように感じました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・コメディ
・笑える
・ハッピー
・演技

観た直後のtweet


映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは。
若い頃に財をなして遊びまわって、今は年老いてちょっとボケそうな感じで入院中のヒビノさん。同じ病室の患者さんに、「若い頃、宇宙人にあった」というはなしを何度もしてうんざりされていて。しかもその「宇宙人」を描いたという絵はどこからどう見ても、カッパで。ひとり娘はワガママで、娘婿は何考えているか分からないけれど一応会社を任せられて、ちょっと変わった看護婦さんと、ちょっと変わった医師に囲まれて。そんな中ヒビノさんの娘だという女性が現れてから、相続の話などが巻き起こる・・・そんなシチュエーションのコメディ。

ど真ん中ストレートなシチュエーションコメディ。なのでお話云々っていう感想よりも、「笑った!」っていう感想が占めている。冷静に考えると、笑かし方はものすごくオーソドックス。なのに、ゲホゲホ咳き込むくらいに笑ってしまうのは、コメディとしての本がとても完成度高いのと、役者さんが魅力的だからだろうなぁ。コメディなのに、演技が細かくて上手い。

吉本新喜劇の影みたいなものを、ほんの少し垣間見てしまう部分がある。でも新喜劇より演技に偏っているし、笑いの要素を抜いても、演劇としてはある程度成立しそうな気もする。なんだろう、この新喜劇の影を見てしまう感覚は。

脚本に関していえば、ナチュラルを装う会話なのに、どういうわけか笑ってしまう。ヒビノさんが、国の名前を思い出せなかったり、死にかけてやっぱり生きているお約束を三連続してみたり。細かいセリフに、自然に笑ってしまうようなネタが入っていて、しかもツッコミもその流れで自然で、観ているのが心地よかった。ヒビノさん、「死んだ」って言われているのに出てきちゃうのは、伏線にもなっているしギャグとしてはものすごく面白い。

「ET」と、タイトル通り「かっぱ」が作品モチーフとして入っていた。「ET」は、必須の要素っていうわけではなかったけれど、どこか物語が空中分解しそうなコメディを、この二つの要素がまとめあげている感じだった。2時間、時間を忘れて物語の中で笑っていられたので、とても幸せだった。

印象に残った役者さん。渡辺シヴヲ、あのボケているんだかいないんだかの演技はすごいなぁ。彼自身の歩き方が、正に「宇宙人」だなと思った。それを受けつつ、全編ツッコミ担当の医師、近本キナミ、間が絶妙で喋り出すだけで笑ってしまいそうになった。根本こずえ、コメディの中でよくありがちな怒り爆破ささせている人だったけれど、なんだか目が釘付けになる感覚の演技だった。足の行儀悪さが人となりを表現していて、何気に面白い。そのべ博之、サブツッコミ的な感じで、舞台を回していく感覚が好き。3人揃っていれば最強、感じかな。山岸由佳、カッパ似合い過ぎてちょっとマヌケな感じが面白い。畠山航輔、前半後半での演技の変わり様も面白いが、声が特徴的で好き。声優さんじゃないかな、と思って調べてみたら、大当たり。当日パンフのどこにも書いてなかったと思うけれど。作品リストみるも、私の見てそうな作品の声を当てている感じてはなかったんだけれど・・・、どこで聞いた声だろう。

コメディ劇団として、継続して観たい劇団が一つ増えました。

[kangeki]

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<観劇レポート>feblaboプロデュース「日曜日よりの使者2019」 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/23/080046 https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2019/11/23/080046#comments Fri, 22 Nov 2019 23:00:46 +0000 https://www.nanka-ku-kai.com/?p=2496

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 feblaboプロデュース
feblabo×羊とドラコ 大阪→東京→石巻三都市ツアー公演
「日曜日よりの使者2019」
脚本 竜崎だいち(羊とドラコ)、目崎剛(たすいち)
演出 池田智哉(feblabo)
チーム 東京Aチーム
日時場所 2019/11/22(金)~2019/11/24(日)
新宿シアター・ミラクル(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

feblaboとは?
東京の演出家・池田智哉による一人企画・プロデュースユニット。
読みは「ふぇぶらぼ」。2006年始動。
毎回脚本家を招き、池田が演出するスタイルをとる。これまで組んだ脚本家は50人以上、演出作は長短編併せて100作品を越える。再演も多い。何よりも脚本を重視し、空間とそこに存在する俳優と役割を掘り下げ、「嘘のなさ」を引き出す演出が特徴的である。

羊とドラコとは?
⻯崎だいちの個人ユニット。
2015年1月、ユニット名発表。関西を拠点に活動中。
表舞台は苦手な本名の自分と、⻯崎の名を名乗る非常に活発な自分。二つの自分をつなぎ合わせ、ユニット名として具現化。
2013年まで在籍していた関⻄の劇団「ミジンコターボ」で培ったファンタジーの世界は勿論、やりたいことは全部やるをモットーに様々なジャンルに挑戦中。

feblabo×羊とドラコとは?
2011年1月に「日曜日よりの使者」初演を大阪でたまたま観たfeblabo池田が、2017年4月に石巻の街に立った時に、「石巻で『日曜日よりの使者』を上演したい」と思い立ったことから、いしのまき演劇祭に参加し、東京の俳優と石巻で3年間で3度の上演が実現。
今回は、満を持して、本家の初演キャストの大阪チームの羊とドラコと、3年間『日曜日よりの使者』を上演してきた東京チームのfeblaboが、それぞれの『日曜日よりの使者』(と、もうひと作品ずつ)を引っ提げて、大阪・東京・石巻の三都市をめぐります。

feblabo×羊とドラコ 三都市ツアー特別サイト on Strikingly

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

「いまこそわかれめ」
脚本 目崎剛 (たすいち)
演出 池田智哉(feblabo)
出演 塩原俊之・大和田あずさ

「ちゃんと仰げば尊し歌った?」
いつもの喫茶店。いつもの席。目の前の親友は不意にそんなことを訪ねてきた。
いつもと違うのは、卒業式だったこと。卒業しなくてはいけないのだということ。
親友の「仰げば尊し」講座が始まって、いつも通りにくだらない話をしながら、僕達は卒業していく。
卒業しなくては、ならない。

「日曜日よりの使者(東京版)」
脚本 竜崎だいち(羊とドラコ)
演出 池田智哉(feblabo)
出演 荻山博史(smokers)・島田雅之(かはづ書屋/DART'S)・堀ユーヘイ(SUANA)

とある日曜日。懐かしい喫茶店。
コーヒーメーカーがゆるゆると、こぽこぽと音を立てる。うっすら波の音が聞こえた気がする。老人がトイレから帰って来る。他に人はいない。挽きたての珈琲のいいにおいがする。老人、においに誘われ、珈琲に口をつけようとしたその時。けたたましい声とともにもう一人、老人が現れる。
これは、リクオとハマオの友情物語。
ほれ、懐かしいじゃろ、このにおい。あのころのこと、何か思いださんかーー?

観劇のきっかけ

feblabo他、見たい要素、役者さん満載の公演です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2019年11月22日
20時00分〜
上演時間 80分(途中休憩なし)
価格 2800円 全席自由

チケット購入方法

CoRichiのページで、当日清算で予約をしました。当日受付で料金を支払いました。
https://stage.corich.jp/stage/103671

客層・客席の様子

男性8割:女性2割。男性は30代〜40代が多く、女性は若い方が多かったです。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・泣ける
・笑える
・会話劇
・シンプル

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
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感想(ネタバレあり)

「いまこそわかれめ」

作品自体は、今年の2月に観て以来2度目。そして、前回も同じキャスト。大和田あずさと、塩原俊之。
塩原俊之自主企画興行「AFTER塩原JUNCTION」 – なんかくうかい
初めて観た時、感想を言葉にするのに凄く苦戦した作品だった。大和田あずさの可愛さと、塩原俊之との2人のかけ合いのみずみずしさにとても感動したのだけれども、作品として、物語として、何を示しているのか、上手く言葉に出来なかった。その日は4作のオムニバス。「笑の太字」に思いっきり感銘したこともあり、そちらに気を取られていて。それ以上は考えられていなかった。

日常生活で、たまにふと「こそ+已然形」っていう言葉が思い出されたり、突然、「何故クレジットカードで会計したんだろう」、何ていう事を再度考えたりして。とにかくこの作品は、引っかかっていた。2人の出演している舞台を観に行ったりすると、突然リフレインしてきて、それが意味するところがよく分からなくて・・・要は作品をちゃんと解釈できていなくて、何なんだろう、と不思議に思い続けていた作品だった。

二度目を見て思う。記憶が正しければ・・・多分、物語が前回とは異なる。ラスト。クレジットカードで会計をする下りは、現金でのお会計に変更されていた。会計の後、泰司は学ランを脱ぐと、喪服用の黒いネクタイ。・・・うーん、こんな下りはなかった。この物語だと、玲奈は既にこの世にはいない。これは泰司が、彼女を振り切るための物語、という事になる。彼女は泰司に、一年に一回、ここで逢いたいというが、泰司はもう会えないと告げている。・・・逢いたい、逢えないの関係が、前回は逆だったと記憶している。命日に来る、という事だろうか。

多分。この物語は、何かあがなえない「別れ」について、描いている作品なのだと思う。それは純粋に「卒業」という風にも取れるし「死別」という風な解釈の物語にもすることが出来るし。2月に観た時に書いている通り「観る側に解釈を与え」つつも、その時に応じての物語に変容しうる、という事なのだろう。今回の公演、いくつかのバージョンは、この後、宮城県の石巻での公演が控えているとの事。今回の「いまこそわかれめ」のアレンジは、その事を意識したものだったのかな、と捉えた。

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「日曜日よりの使者(東京版)」
ストーリーは。
老人が営む喫茶店に、ボケてしまって、自分が何処から来たのか分からなくなってしまったような別の老人が来店する。一緒に記憶をたぐるうちに思い出される、若い頃の記憶。そして、小学校時代の友人と死別した記憶。・・・実はボケてしまった老人は、もう死んでいて。天国から迎えに来た、小学校時代の死別した友人が、喫茶店の老人だった。その生きた「記憶」を、舞台に立体化していく・・・という話。

ベースになる回想・・・というか、老人が記憶をたぐるお話は2つ。カモメに突っつかれても、海辺でご飯を食べる2人と。小学生の頃、女の子に告白するために無理をしてボートに乗って、そのまま帰ってこなかった友人の話。カモメの話は、若い頃の無理や無茶を象徴しているように思うし。後半の話は、やはりトラウマという部分を描いているように捉えた。

舞台は、主に役者さん2人しかいないのだけれども(後はギターの人と、パーカッションの人、1人ずつ)。何だか強烈なもの、・・・生き様というのか、生きた記憶というのか、切なさというのか、愛おしさの記憶というのか、悔しさというのか、いろいろな感情が、舞台の真ん中に立体化して見えた、そんな舞台だった。ストーリーだけ書き下してしまうと、ごく数行程度で済んでしまう。のだけれど。その「ああなって、こうなって」というストーリーだけでは、とても書き表せないような感情の流れというのか、現実感が、そこにあった。

忘れていた。上演前にレーズンチョコが2つ入った小さな袋を渡されて、上演中に主人公のリクオが食べるのに併せて、客も一粒ずつ食べて欲しい、との説明が上演前にあり。味の感覚も、一緒に共有したような不思議さ。あるようで無かった演出かもしれない。

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役者さん。塩原俊之、大和田あずさ、このペア、大好き。他の作品も、ペアで、あるいは共演して、上演してくれないかなぁ・・・、というワガママな事を言ってみる。島田雅之、迫力が凄かったなぁ。荻山博史、お爺さんの作り方というのか・・・特に喫茶店のお爺さん・・・静かに受け止める感じがとても印象に残った。

[kangeki]

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