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【観劇レポート】MAO WORKS「不在の彼らはそこにいる」

#芝居,#MAO WORKS

【ネタバレ分離】 MAO WORKS「不在の彼らはそこにいる」の観劇メモです。

初回投稿:2025年09月21日 20時18分
最終更新:2025年09月21日 20時18分

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名MAO WORKS
MAO WORKS 04
不在の彼らはそこにいる
脚本田村真央
演出田村真央
日時場所2025/09/19(金)~2025/09/21(日)
高田馬場ラビネスト(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2023年に結成、田村真央が作・演出を務める演劇ユニット。
奇想天外で大胆な作風で、オリジナル音源によるラップを取り入れたPOPな演出をしながらも、鋭い批評性を持つダークな作品を上演している。

MAO WORKS

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

MAOWORKS主宰の田村真央がポーランドの前衛演劇家タデウシュ・カントルの『死の教室』からインスパイアされた新作書き下ろし。
現代の日本社会における若者の死生観を中心に展開され、テクストは詩的で意味を伴わないポストドラマ的な表現を中心とする。
舞台は小学校の教室。出演者6 名は 20 代〜30 代の若者たちで、全員自身の80歳の姿を模した人形「マネキン」をもち、登場する。
我々若者にとって生き続けること、未来とは何なのか?「死」を表現する際に、生身の人間がマネキンを超える想像力を観客に与えることはできるのか?
無意味でダークな内容が展開される。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2025年09月20日
14時00分〜
上演時間85分(途中休憩なし)
価格4000円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

MAO WORKS「不在の彼らはそこにいる」

舞台には学校机と椅子が6セット。6体のマネキンが座っている。入ってきた転校生。自分の席に自分そっくりのマネキンが座っているのに気が付く。入ってきた他の男女5人のクラスメイトは顔が灰色。それぞれにそっくりのマネキンを乱暴にどかしマネキンをごみ箱に捨てて自分がその机につく。客席方向にあるはずの、でも居るはずのない先生に向かって、ゆっくりと手を挙げる5人。さしてほしいのだ。だがさされるはずもなく。何故君はそのマネキンをどかして自分が座らないのか、と転校生に迫る5人。彼ら彼女らと転校生の、どこか自己主張的な不条理な物語。

団体2度目。前回の「クレイジー・ジャンキー・ショッピング」のようなファッション性のあるポップな作品が来るかと勝手な想像と期待をしていたが、さにあらず。かなり内面的な表現作品でどこか不条理劇のテイスト。白塗りした5人の生徒はどこかアングラ演劇な雰囲気も漂わせている。劇団のストーリー紹介の通りタデウシュ・カントルの「死の教室」という作品にインスパイアされているよう。1976年製作の舞台を映像化した映画作品が残っているらしく、すこし調べてみると「死の教室」という作品の解釈や解説の文を読むことができる。もちろん私は、この基作品は見たことも触れたこともない。

自分の分身であるマネキンを押しのけてまで席に座り、ひたすら必死に手をあげて、先生にさされるのを待っている不気味な幽霊のような男女。一体何のメタファーなり象徴なのだろうか…みたいなことを必死に考えてしまう。なにも成し得ず果たし得ぬまま、朽ちていく人生の象徴?。あるいは、過去の人生との決別?。いろいろと考えてしまうが、結論が出ようはずもなく。黒を基調に白と黒しか存在しない世界の舞台。終始不気味な雰囲気で展開される話。訳わからない…というほど分からなくもなく、でも何を表現しているのか分かりもせず。禅問答のような問いかけを、観ている最中ずっと自分に問いかけている時間だった。「死の教室」の舞台公演を記録した映画を見てみたいと思った…まあ、おそらく見ても意味が分からなそうだが。

前回との共通点と言える点は、途中にラップ調のセリフ回しが含まれること。演劇にラップを持ってくると、上滑ってて見てられない…っていうケースが多いが。MAO WORKSの作風だろうか、演劇にラップを馴染ませるのはとても上手い。プロジェクターに投影される言葉とともに、風刺的な意味も込めてグサグサ客を突き刺してくる感じが好き。

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