ダークモード対応しました。画面右下の🌓をクリック。

【観劇レポ】舞台芸術ユニットPINO「ここに在る不在」

#芝居,#舞台芸術ユニットPINO

【観劇メモ】舞台芸術ユニットPINO「ここに在る不在」

【ネタバレ分離】 舞台芸術ユニットPINO「ここに在る不在」の観劇メモです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名舞台芸術ユニットPINO
ここに在る不在
脚本原作 星新一、ものしりこがねむし/崋山ふみ/古川尚音/山口亜希子
演出ものしりこがねむし/崋山ふみ/古川尚音/山口亜希子
日時場所2025/07/04(金)~2025/07/07(月)
早稲田小劇場どらま館(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

明治大学文学部演劇専攻に在学中の華山ふみ(劇団木霊)と若林尚紀(早大劇研)によって捜成されるユニット。表現者と観客ないしは表現者同士の間に存在する距離感や、多空間の共存に重きを置き、多様な形で舞台作品の創作を目指す。

舞台芸術ユニットPINO

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

記載はありませんでしたが、星新一のショートショート4編のようです。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2025年07月07日
16時00分〜
上演時間110分(途中休憩なし)
価格1500円 全席自由

観た直後のpost

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

星新一のショートショート四編の舞台化。星新一の作品として面白いのはもちろんだが、四編とも、シンプルな演出ながら、空間の作り方が巧み。星新一に親しんだのは、もうだいぶ前の事だけれど。過去読んだ作品が急に記憶として立ち上がってくる。なかなかに秀逸な舞台だった。

「暑さ」
正に劇場の外がびっくりるするくらい暑い中、始まった舞台もびっくりするくらい暑い描写で。いや~もう暑いのはいいわ、という「嫌な感覚・退屈な感覚が」しっかりと舞台に立ち上がっている。基作品、読んだ気がするけれど忘れてしまったが、ちょっと別役実っぽい。狂気の一歩手前の、でも淡々とした描写がよい。

「こんな時代が」
こちらも「退屈」を形にしたような作品。同じセリフの「組み合わせ」が、二度舞台に展開されるが、どこかAIに身を委ねかかっている今の人間に見えてちょっと空恐ろしい。これ、実は食料が無いんじゃなくて、あえて少なく配給することでロボットが人間を支配しているんじゃないか・・・とも取れる。でも、コロナの時代って、正にこんな生活だったよなぁ・・・とか思い出したり。想像すればするほど、いろいろなもののアナロジーに見えて恐ろしい世界。退屈させつつ、でも、退屈させない舞台の構成が見事。

「鏡」
捕まえた悪魔をうっぷん晴らしに使っていたのに、悪魔に逃げられた途端にその矛先を失う話。確か読んだことがあるが、忘れてしまっていた。「鏡」のタイトル通り、結局人間の方が悪魔で。狂気に歪んでいく二人の夫婦がちょっと怖い。あそこまで鬱憤を晴らさないと生きていけない人生ってのも哀れな気もする。悪魔が黒い服としっぽ以外は全然悪魔じゃなくて可愛い。

「処刑」
舞台を観ている途中で、過去作品を読んだことを思い出した。作品のキーとなる「銀の玉」を擬人化していて、しかも事あるごとに表示される銀の玉の言葉にならない言葉の字幕が、とこか「ハイボールでもいかが?」と勧めてくる、飲み屋の女将さんのよう。若林尚紀の、死の恐怖に身を委ねていく様と、そこから「それ程変わらない」ということに気が付いていく演技が秀逸。ラスト、男は銀の玉を押しまくって水浴びをするのが、原作の描写。ちょっとオチが分かりにくい演出にはなっていたが。星新一らしい皮肉の効いたメタファーを、シンプルだけれどとても圧の強い空間に立ち上げていた。