【観劇レポート】uniqueunion musicalkids「FINDING BLUE」
【ネタバレ分離】 uniqueunion musicalkids「FINDING BLUE」の観劇メモです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | uniqueunion musicalkids |
回 | Vol,20 |
題 | FINDING BLUE |
脚本 | 葵 日向子 |
演出 | 大塚幸太 |
日時場所 | 2025/08/08(金)~2025/08/10(日) ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
ユニユニミュージカルキッズは、プロとアマ問わずミュージカル・舞台経験を一つのツールとして
コミュニケーション能力・協調性・表現力・発言力・五感力・創造力そして「人間力」を育てるスクールです。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
突然、日常が「不要不急」と切り捨てられた――。
バスケ部の活動停止、休校、仲間との繋がりを奪われ、閉塞感に押し潰されそうな日々を送る奏真。
そんな中、街角でギターを奏でる青年・航と出会う。彼は同級生・多月の従兄で、音楽で自分を表現しようともがいていた。
一方、多月もまた、コロナで中止となったミュージカルの仲間たちと秘密の稽古を続けていた。
その情熱に心を動かされた奏真は、「自分たちにも何かできるはず」と動画配信を企画するが、現実の壁は想像以上に厚かった。
それでも彼らはあきらめない。
声を上げること、動き出すこと――それは過去の自分たちへの挑戦でもあった。
コロナ禍の閉塞を越えて未来へ踏み出す、等身大の青春物語。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2025年08月09日 14時00分〜 |
上演時間 | 115分(途中休憩なし) |
価格 | 3000円 全席自由 |
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
コロナ禍の中。バスケットボール部の少年は何もできない。でも何かしたい。そんな鬱屈とした思いを抱えていると。楽器を弾く大人とミュージカルサークルのメンバーに出会う。彼らは、コロナ禍の中でも「出来る事」をやろうとしている。その姿に触発されて動画のコンテンツを作る少年。童話「青い鳥」を劇中劇や東日本大震災のエピソードを挟みながら語る、コロナ禍の物語を描いた、子供出演者を中心に演じられるミュージカル。。
団体紹介の通り子供向けミュージカルスクールの発表会に近い公演。客席は、子供たちの友達や親御さんが多い。正直言うと予約時に演目選択を見誤った。小劇場でよく見かけるスタッフさんが関わっているのを見かけたので、よく知らない団体だけれもミュージカルだし、チラシもあらすじも良さそうだし、ラゾーナだから観てみようか、くらいの軽い気持ちで予約した。まさかスクールの発表会とは。観劇おじさんととしてはかなり場違い感がある客席だったが。結果的に間違って予約してよかった。とても良い作品を観ることができた。
コロナ禍の物語。一時期…2021~22年くらいはどこに行っても演劇はコロナ、コロナ、コロナの物語。直接的にも間接的にもコロナを扱った作品がとにかく多かった。でもいつしかコロナの物語は減り、最近ではめっきり見かけなくなった。そんな中で遭遇したこの物語。「三密」とか「ソーシャル・ディスタンス」とか、そんな言葉あったよなぁ…と、どこか懐かしい感覚で観ている自分がいる。あれ程苦労したのに、実はどういう生活をしているのかよく覚えていなかったりもする。今思えば、効果があるのかないのかよく分からない「間隔」を空けた客席で、観劇していた記憶がほんの少し蘇る。
ミュージカルとして立ち上げるコロナ禍。正直、観ていて心地よい感覚だけではないも。あの時感じた焦燥感みたいなものがありありと蘇ってくる。キャストは小学生が多いが、この子たちにとってコロナ禍ってどんな感じだったのだろう・・・おそらく小学校に入学したてか、幼稚園にも入っていないころだったのではないかと思うので、大人たちが感じていた焦りの実感を、実際どの程度味わっていたのかは分からない。でも、歌に乗せて描かれる「焦り」が妙に生々しくて本物で、子供たちの演技と歌唱は当然粗削りな部分も多いのだけれど、気が付くと物語の中に引き込まれて魅了されてしまった。劇中劇の「青い鳥」や東日本大震災のエピソードなどをさりげなく織り込むのもよい。しばらく忘れていた、忘れたかったコロナ禍の感覚を、久しぶりに取り戻させてもらった。
子供客がこれだけ客席にいたら少しぐらい騒がしくなりそうなものだが、予想に反してとにかく客席が静か。子供の観客も引き込まれているのが分かる。
大人キャストの水越里歌。プロフィールを読むと2022年の桐朋学園の卒業公演のRENTに出演していたのか。私が観た回ではアンサンブルのようだけれど、別回ではミミ役を演じていたよう。あの「RENT」は私の中で伝説的に良かったので、その後の活躍が観れてうれしい。