<観劇レポート>架空畳「インテグラルの踵は錆びない‐13人姉妹のモスクワ‐」

#芝居,#架空畳

【ネタバレ分離】
昨日み観た芝居、架空畳「インテグラルの踵は錆びない‐13人姉妹のモスクワ‐」の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名架空畳
第18回公演
インテグラルの踵は錆びない‐13人姉妹のモスクワ‐
脚本小野寺邦彦
演出小野寺邦彦
日時場所2020/10/15(木)~2020/10/18(日)
神奈川県立青少年センタースタジオHIKARI(神奈川県)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

架空畳(かくうじょう)は、2006年、多摩美術大学在学中 であった小野寺邦彦が岩松毅らとスタートさせました。
旗揚げより一貫して、異常な情報量、台詞量、運動量を詰め込む『エントロピー演劇』を標榜しています。

架空畳

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

雨の夜。 私は、モスクワを目指す13人の姉妹と出会った。 だが彼女たちは、出国を許されない。 なぜなら、ワンダース+ワンの姉妹たちは、 それぞれ身体の一部を欠き、それを電子機械で補っていたのだ。 現在、彼女たちの身分は「人」ではなく「機械」に分類される。 機械に許されるのは、出国ではなく出荷だが、その順番は来世紀まで埋まっている。

私は13人姉妹の出国を叶えるため、彼女たちを手術したラボを訪れた。 だが執刀医のドクターは既に亡く、私を出迎えたのは、忘れ形見の一人娘だった。 彼女は私に言った。 生前、父の行った悪行により、私には呪いがかかっているのです。 呪い?私は聞いた。それはどんな? 性欲です。私は物凄く性欲が強いのです。これは性欲というより、暴力です。

私は二つの依頼を一度に請け負うことになった。 13人姉妹をモスクワへ出国させること。 執刀医の娘に掛かった呪いを解き、その性欲を常人並に戻すこと。 私は、カルバート・ブコウスキ。 頼まれごとを引き受ける、幻覚症状持ちの詩人である。

お察しの通り、この物語は、幾つかの時代、場所、人物を行き来します。 そしてやはりあなたが思う通り、やがて物語は一つになる。 手あかのついた手法です。 ただ、こう考えて頂きたい。 物語は、はじめから一つであり、すべての時間は現在なのだ、と。 ご安心下さい。この物語に、トラウマは出てきません。 現在を、過去の答え合わせにはしない。 描くのは、すべて、いま、この瞬間、目の前に現れる、ドラマです。

観劇のきっかけ

好きな役者さんが、何人か出演しているので、の観劇です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2020年10月15日
19時30分〜
上演時間115分(換気休憩10分含)
価格3000円 全席指定

チケット購入方法

団体ホームページから、申し込みました。クレジットカード決済をしました。
当日、送られてきたQRコードをリーダーにかざして、入場しました。

客層・客席の様子

男女品は5:5くらい。
男性は30代~50代が多く、女性は若い人が多かったです。

観劇初心者の方へ

あくまで私見ですが、観劇初心者だと、理解が難しいかもしれません。
はじめて舞台を観る、という方の場合、観劇慣れしている人と同行するのをお勧めします。

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(1/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは・・・全く、分かりませんでした。理解できませんでした。

よくよく考えると、事前記載のストーリーのような気もしますが、観劇後も、正直よく分かりません。そこそこ観劇経験のあるつもりの、私。ストーリーの理解や解釈を「間違う」事は多々ありますが、「全く分からない」という事態には、久々に遭遇しました。

初日という事もあり、また、マスクをしての演技という事もあり、冒頭、セリフが聞き取り難くて困りました。セリフがとても早口で、まず聞き取りにくいという特徴がありました。終演に向けて慣れてくると、段々と聞き取りやすくはなってくるのですが、やはり1/4くらいは、言葉を明確に聞き取れませんでした。最初はマスクのせいで聞き取れないのかな、と思っていたのですが、時間が経つと、そもそも意味不明な言葉を話している、理解出来ない事を前提とした言葉ではないか、という事に気が付きました。

一人ひとりが舞台で会話をする、というよりは、長ゼリフを読み続けるスタイルの芝居だったので、セリフを聞き取れない事、うまく理解出来ない事が、私にとっては致命的でした。あるいは、私自身の語彙が少なくて、、、、要は私の頭が悪くて、理解できなかったのかもしれません。もしそうだとすると、頭が悪くてごめんなさい、としか言えず。頭の悪い人には、不向きな芝居かもしれません。

ただ、意味が呑み込めないセリフの中に、いわゆるIT系ワードを会話の中で並べただけのセリフが多くて、それ意味分かって言ってるのかな、と確認したくて仕方ない衝動が産まれました。私は理系で、IT系の仕事をしているのですが、それだからこそなのか、鼻についてしまう感覚がありました。

個人的には、ふと、「演劇集団キャラメルボックス」と第三舞台の「朝日のような夕日をつれて」など、80年代の劇団作品を思い出しました。

演目にもよるものの、キャラメルボックス、セリフを感情全力で叫ぶように伝えてくることがありました。キャラメルの場合、叫ぶようなセリフひとつひとつの意味は平易なので、叫んでいても、客はしっかりと受け取っている、という事が多かった気がします。

「朝日のような夕日をつれて」も、劇団紹介にあるような「情報量の多い」セリフが多かったように思います。情報量が多いのはさることながら、選ぶ言葉が、もっと繊細な言葉の選び方をしていたように思いました。それを思い起こした自分としては、2020年の今、そんなGoogleで調べてすぐ分かるワードを並べて、何を表現したいのだろうか、と、ストーリーとは別に、その点にとても疑問を感じました。

総じて、なんじゃこら!な、とても意味不明な、80年代演劇の劣化コピーかな、というのが、率直な感想でした。

ひょっとすると、私のような頭の悪い人には理解できない芝居で、頭の良い人向けの芝居なのかもしれません。解釈を待ちたいところです。


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