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【観劇レポート】劇団アンパサンド「デンジャラス・ドア」

#芝居,#劇団アンパサンド

【ネタバレ分離】 劇団アンパサンド「デンジャラス・ドア」の観劇メモです。

初回投稿:2025年10月29日 16時34分
最終更新:2025年10月29日 16時34分

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名劇団アンパサンド
デンジャラス・ドア
脚本安藤奎
演出安藤奎
日時場所2025/10/23(木)~2025/10/29(水)
ザ・スズナリ(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

劇団アンパサンドとは
2016 年、 安藤奎(劇作家・演出家・俳優)が旗揚げした演劇団体。2021年、深見由真(俳優)、菅原雪(俳優)が加入。

茶の間やオフィスから始まる日常が、少しずつズレていき、いつの間にかとんでもない世界に変わってしまうという作風を特徴とし、現代社会のスケッチの技巧と展開が予想できない独自の物語性が魅力。

「歩かなくても棒に当たる」(2024年)で第69回岸田國士戯曲賞受賞。

劇団アンパサンド

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

オフィスのドアが、誰も触れていないのに勝手に閉まる。

最初は些細だった違和感が、やがて職場の空気を変えていく。

誰もが「何かがおかしい」と感じはじめたとき、すでに取り返しのつかない状況が始まっていた。

そのドアは、誰かの意志で、閉まっている──

初演で反響を呼んだ衝撃作が、装いも新たに帰ってくる。

アンパサンド・オフィス・ホラー

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2025年10月29日
14時00分〜
上演時間90分(途中休憩なし)
価格4500円 全席指定

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

劇団アンパサンド「デンジャラス・ドア」

就業直後のオフィスに女6人。頼っていた先輩が辞めてしまって仕事がきついが、新人君は特に仕事がないので帰ろうか…としていたら。どうも部屋のドアが、自動ドアでもないのに自動で閉まることに気が付く。まるで、「ちゃんと閉める」と小言を言いながらドアを閉めていた頼りになるあの先輩がいつも閉めていたように。終業後もいろいろと仕事が舞い込んでなかなか帰れない中…自動に閉まることに気が付いていく女たちだが。娘のために早く帰ろうとした先輩が…ついにドアに挟まれて腕がもげた。親指、首、頭と次から次へとドアの犠牲になる女たち。このドアの自動開閉は止めってしまった先輩の「念」のなせる業なのか。就業間際のオフィスで起こるホラー…的だけれどめっちゃコメディな作品。

MITAKA Nextで観て以来団体2度目。後半どんどん人が死んでいくの、はもちろんホラーではなくコメディ。腕がもげたり首が飛んだりするのはビジュアル的に少しグロくてビックリするものの、それでも人が死ぬたびに笑いが起きる不思議。前作「地上の骨」でも前半オフィス話で後半訳わからない魚化の展開に持ち込まれたので、この団体の作風なのかも。前半60分の残業瀬戸際のシーンは、どうやったって会社の仕事は非効率でもう「やってらんねえ」と叫びたいけどぐっと押し殺して仕事している女たち。チクリと痛さのある会話が繰り広げられる残業の風景が、後半30分で惨劇の場に変わっていくのが何とも面白い。前60分はクスクス笑っていたのが、後30分でガハガハ・ゲラゲラ笑うモードに急にギアチェンジ。人が死んでるのに何故か清々しいコメディ。

不条理劇…と言われればそうなのかもしれないし、深読みすれば社会的な問題に対するアンチテーゼ…とも取れるけれど。けれど、敢えて分類するものでもないし、深読みし過ぎても野暮な感覚。まあそういう下敷きは理解しつ、この異質な状況を楽しんでガハガハ笑えばいいような気がする。難しいことは何もないのに、深読みすればそれなりに深い。でも深読んだ事を語るのは野暮。そんな巧みな演劇に見えた。

舞台#芝居,#劇団アンパサンド