<初日レポ>ろりえ「ミセスダイアモンド」観る側の青春時代を思い出させる。元気いっぱいだけど切ない舞台。

前・後半で、印象全く違うので驚き。一発逆転ホームランな舞台。

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どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。
観劇三昧 」で観た、
ろりえ「ミセスダイヤモンド」の舞台を観てきました。

公演データ

ろりえ 第12回公演
ミセスダイヤモンド
2018/12/19 (水) ~ 2018/12/23 (日)
脚本・演出 奥山雄太
駅前劇場


観劇データ

日時 2018年12月19日 19時00分〜
価格 3800円 全席自由(事前にネット予約)
上演時間 145分(途中休憩なし)
★★★★★(5/5点満点)

客席の様子

客層は様々。カップル、女性一人、サラリーマン風の一人観劇も目立ちましたし、女性二人組まで、様々な客層が来ている印象。役者の友達関係だけでなく、芝居が好きな層も多く観客席にいて、劇団としては人気が出ているのかな、と思いました。


劇団紹介

2007年8月に結成された「ろりえ」。
コンセプトは、「女の子に対する絶対的な憧れと、男の子であることへの開き直りを、様々な角度から描き出す。あと、たまに切ない。」という事で。ろりえ、っていう劇団名も何だか女の子の微妙な何かを連想させます。てっくぱぱは、初めて観る劇団です。
ろりえ


ストーリー

公式ページには、ストーリー紹介はありませんが、宣伝の中に以下のような記述を見つけました。

平成最後のろりえは、ビッグカメラ下北沢駅前店女子ソフトボールチーム”ベリービッグベアーズ”の奮闘を描く、汗と涙と青アザのアラサースポ根演劇。

という事ですが、概ねこんな感じのストーリーです。明快なストーリーなので、観劇初心者でも全く問題なし。万人に進められる舞台です。


青くて何が悪い

正直に言うと。前半1/3ぐらいまでの所で、このままこの調子ならどうしようか、寝ちゃうかも、と思った。ストーリーの細かい点が雑。しかも青臭い。遭遇する物語上の障害も甘く、それ程葛藤もなく解決していく。例えば、ソフトボール部にメンバー集まらないんじゃないかというヒヤヒヤする感じも、気がつけばバイトのユニクロ以外はメンバーになってる。あれ、そこで物語あるんちゃうの?と首傾げたり。

ストーリーより、女優の「可愛さ」前面のビジュアルで押してくるなら、そっち路線に目線を切り替えるぞ…と思ったりもしたが、役者が客に媚びてくる様子もない。この物語で、何を語る気なんだろう、途中で寝たらどうしよう、と、ちょっと眠気感じながら、上から目線にも思ったのだけれど。

そうこう、不安を抱えて観ていると。後半、みのりが移籍し、かな子が田舎に帰るあたりで、話が微妙に変化しだした。
2人がチームを抜ける下りも、葛藤の描き方は少な目。物語としては、かなり大胆に大雑把だ。みのりが、ソフトボールで上を目指す、オリンピックなんかを目指したい感情は、それまで全く見えなかったし、かな子の夫に対する配慮っていうのも描き方が断片的。描写不足だと思う。
しかし、そんなどうしようもない事情を前に、「なんでここで、バカヤロー」とななせが叫ぶあたりから、物語の方向が明確に定まったのか、なんとなくこの物語が見えてきた。

そして、ラスト、ジェンダーズとの試合のシーン。展開するセット。走り回る役者たち。ジェンダーズは殆ど男だし(その点が爆笑なんだが)、相変わらず展開は無茶苦茶。ラスト、試合に負ける結末は、正直ミエミエなんだけど、観ている観客側の興奮が止まらない。

結局伝えたいことは物語じゃあない。いい加減な物語が語る、何か別の事なんだ、とハタと気が付く。ラスト、主役の3人が高校生に戻って現れるあたりで、この空間にあふれる魅力の沼に、ストンと突き落とされた。

観劇後の帰り道、自分の青春について思い至って止められなかった。冒頭気にしていた、物語の細かい設定や物語の筋など、正直なところ、どーでもよくなっていた。

大人なら、誰にでも持っている、青春時代の思い出。その思い出を、強制的に思い出せさせられて、目の前に提示させられたような気がした。
青春時代の思い出は、誰もが美化しているもの。思い出なんて、所詮は都合よく解釈している記憶だ。しかしその曖昧さは、このストーリーが若干「雑」である点に似ているような気もする。おばあちゃんになった、ななせのシーンが効果的なのは、その「残像」を映す効果があるからだろう。
「確かに存在したけれど、幻のような切ない残像」を描く手段として、女優達のエネルギーは、これ以上ないパワフルな武器だ。「自らの青春」を、ベリービッグベアーズとジェンダーズの試合のシーンで、思い出させてもらったような気がした。

前半と後半で、ここまで印象が変わるとは思わなかった。一本取られました。まさに、逆転ホームランな舞台体験だった。

劇団紹介に「たまに切ない」とあるが、これは「たまに」なのだろうか。ろりえの公演は、目が離せそうにない。


役者さん

岩井七世は、細い体で舞台狭しと駆けずり回る。ソフトボールの所作は、見ててヒヤヒヤしたけれど、やはり舞台映えする。加えて、斎藤加奈子の細かい演技が、個人的にはとてもツボだった。この二人のシーン、いつまでも観ていたかった。

男優陣、どうしても女優が目立つ芝居・・・ではあるけれど、監督の高木健、ポリス森崎健吾、明後日くるアスクル山本周平、他のアンサンブルがとてもよかった。特に、後半の試合のシーン。ジェンダーズでの男優陣の盛り上げ方が、シーン展開を支えていた。


チケット、大分少なくなっているみたいなので、ぜひお早めに予約して劇場へ。


観劇三昧

ろりえを観に行ったきっかけは、「観劇三昧 」。
ろりえの作品は
桃テント
女優(おんなやさしい)
恋2
全裸物語改め実家物語
年末

スマホ、パソコンで観ることができます!

初劇団を観に行くのは勇気が要りますが、観劇三昧で納得してから、劇場へ足をお運びください。

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舞台, 観劇三昧