<観劇レポート>MCR「死んだら流石に愛しく思え」

<観劇レポート>MCR「死んだら流石に愛しく思え」

【ネタバレ分離】

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どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。観た芝居の感想です。


公演前情報

公演・観劇データ

団体名 MCR
死んだら流石に愛しく思え
脚本 櫻井智也
演出 櫻井智也
日時場所 ザ・スズナリ

MCR?

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

MCRは1994年に脚本・演出の櫻井智也(ドリル)を中心として、

当時同じ演劇の専門学校に通っていた数人により結成されました。

コンスタントに年2~4本の本公演を重ね、本公演22回を数えます。

また、本公演以外でも主宰ドリルによるプロデュースユニット「ドリルチョコレート」公演、

第13回ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルの最終予選会出場、

各種企画公演への出演等を本公演の間に積極的に行っており、

それらを総合すると年に2~5本、計40余公演を上演しております。

事前に分かるストーリーは?

劇団ホームページには、こんな記載がありました。

罪の上に立つ自覚のある殺人鬼と

疑問も持たず只の空白で踊る殺人鬼と

天使と呼ばれる資格のない女。

どれだけ手を伸ばしても

その手に触れるものは、何もない。


2015年にザ・スズナリで上演した「死んだらさすがに愛しく思え」の大幅改訂を加えた再演になります。

大幅すぎる改訂なので、もはや新作といっても良いと思います、言い直します、新作です。

実在した殺人鬼「ヘンリー・リー・ルーカス」を下敷きに、クズと、クズと、ある人にとっては善人と、クズだけど世界にとっては善人と、善人だけどある人にとっては邪魔者などが、やあやあやあと愉快な情景を繰り広げる、四方八方から罵詈雑言が飛び交う滑稽なお話です。

観劇のきっかけ

チラシを見て、興味を持っての観劇です。


ネタバレしない程度の情報

上演時間・チケット価格・満足度

観劇した日時 2019年5月9日 19時30分〜
価格 3000円 全席自由(事前にネット予約)
上演時間 115分(途中休憩なし)
個人的な満足度
CoRichに投稿
★★★★★(5/5点満点)

客席の様子

30代~50代を中心に、幅広い世代の方がいました。男女も半々くらい。ギョーカイっぽい会話の人もチラホラ。劇団に固定ファンがついている印象を持つ客層でした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る舞台です。

ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

二人の殺人鬼と、一人の天使。その生きざまを、夢として見ている女性が、それぞれの世界で、そして時に世界を跨ぎながら、繰り広げる物語。・・・と書くと、何だかSFっぽい変な設定に思えてしまうけれど、そういう訳でなくて。笑いも交えた、しかしとてつもなく深い、深い会話劇。酷い生活環境で母に抑圧されて育って、何が自分がしたい事なのかもう分からなくなっている川島。母を殺した後に出会った、天使のような恋人、飛鳥。母とは間逆で、殺人に、罪悪感と共に快楽を見出す彼を、受け入れてくれる彼女。しかし、しばらく離れている間に、彼女は宗教にハマり、神を信じるようになっていた・・・。そして、この世界を「夢」として見ているうちに、世界に迷い込んでしまった幽夏子。ストーリーをかなり強引にまとめるとこんな感じか。

劣悪な生活環境と、抑圧、殺人鬼などの設定は、とても尖がってはいるものの、終始主人公の川島を「(観客の)自分の事」「(観客の)自分の身の回りで起こったこと」という捉え方をするように迫ってくる作品だった。誰でも多かれ少なかれ、抑圧の経験を抱えて生きているし、無条件で受け入れてくれるものを求めているし、人には言えない性格を持っている。その部分が、尖った主人公の性格と対応しているので、いつしか自分の事として重ねて捉えてみていると、とにかく重くて、苦しくて。観ていて、どんよりと、やり場のない切ない気持ちにさせられた。自分自身の肩に、主人公の経験が降りかかってくるものだから、笑のシーンも、腹から笑うというよりは、若干乾いた笑いになってしまっていたように思う(悪いことではないんだけれど)。終演して現実に戻った時、どこか安堵してしまった自分がいた。それ位、自分事として迫ってくる、少し異常な世界観だった。

忘れられないシーンが。川島と飛鳥が、しばしの別れをして。それぞれの生きたい道に邁進。矢井田瞳の「My Sweet Darlin'」が大音量で流れる。殺人鬼たちはグレープフルーツを貪り食い、飛鳥と宗教団体の「神」がダンスするシーン。爆音で音がかかって踊っているのに、後ろに佇む、この世界を夢として見ている女性。このシーンが、川島と飛鳥の関係に対応する、そもそも手に届かないものを求めている何かの「あがき」に見えて、ノリノリで踊っているのに、とにかく悲しくて悲しくて、矢井田瞳なのに悲しくて、観ていられない程だった。しばらく、この曲か頭から離れそうにない。

役者さん。後藤飛鳥、いやもう可愛い。川島の「マジ天使」っていうのが、ものすごく納得。笠井幽夏子、矢井田瞳のシーンと、川島と対面するシーンが、もう観ていられないほど切なかった。川島潤哉、なんだろう、このリアリティは。終始自分の事として物語を捉えさせてくれた。

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チラシの裏

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舞台