<観劇レポート>ジョン・スミスと探る演劇『劇「鳥の映画」』

【ネタバレ分離】
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どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 ジョン・スミスと探る演劇
劇「鳥の映画」
脚本 三宅章太郎
演出 三宅章太郎
日時場所 2019年5月23日(木)~26日(日)
@神奈川県立青少年センター
スタジオHIKARI

ジョン・スミスと探る演劇?

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2016年より演劇活動をはじめました。
おもに会話劇をやっています。
いつも心がけていることは、俳優たちのほとばしる汗をお届けすること。
あと、できるだけ60分で作品を終えること。
あと、オシャレな感じをだしていくこと。
ただ、それだけを胸に。

ジョン・スミスと探る演劇

事前に分かるストーリーは?

劇団ホームページには、こんな記載がありました。

ある森で野鳥観察を楽しむ人たちの元に心中をたくらむ一家がやってきて、さらには森に棲む先住民も襲撃してくるという三つ巴の死闘を描いた一幕の劇をやります。 どうぞお越しくださいませ。

観劇のきっかけ

チラシをみて惹かれたのと、横浜で上演されている演劇、が観劇を決めた要因です。

ネタバレしない程度の情報

上演時間・チケット価格・満足度

観劇した日時 2019年5月24日 19時30分〜
価格 3000円 全席自由(事前にネット予約)
上演時間 65分(途中休憩なし)+10分押し
個人的な満足度 ★★★★☆(4/5点満点)
CoRichに公演ページ無

客席の様子

男女比は、男6女4くらい。一人客が多かった印象。開演が10分押しましたが、待っている間は非常に静かでした。

観劇初心者の方へ

肉体と会話とをフルに活用した舞台ですので、演劇好きでも好き嫌いが分かれると、私は感じました。その点を留意して、ぜひ観劇初心者にも挑戦してほしい舞台です。

観劇直後のtweet




ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは、あるようで、ないような。一応、パンフレットなどに書かれているストーリーは物語を表しているのですが、微妙に外れている気もする。3部構成。1部は、野鳥観察をしている人々の集まりの中で、突然老人が死に。死んだ老人をめぐって、実は誰が誰と寝てただとか寝てないだとか、女をシェアリングエコノミーしよう、だとか、だいぶ下世話な話もあり。2部は、一家心中したいけれど、なぜか大分図々しい4人家族が、心中直前に娘が超能力を使えると知ってすったもんだして。そうしていると、老人が死ぬ場面に直面する話(つまり時間が少し戻っている)。3部は森に住む何かが、集まった人々に次々とのり移って、気が付くと人々同志の意識も交換して…男も女も入れ替わっていて訳わからん、の話。老人の死を一つの軸に、3つの物語が時間軸を少し交錯させながら繋がっていく。…かなり強引にまとめるとこんな感じだが。

ストーリーを楽しむというより、ストーリーを追いながら、舞台で繰り広げられる「遊び」を観て楽しむという趣向の舞台。舞台全体を広く広く使って駆けずり回り、柱も、客席の後ろ側も駆けずり回る。静かだけれど楽しいドタバタ劇。「肉体を使う」という表現は少しオーバーだけれど、体全体、舞台全体を使う表現は、観ていて本当に面白い。気が付くと、65分経っていた、という「演劇の目撃体験」の時間だった。

特に面白かったのは、全員出てくる3部。森に住む何かが、次々に人々にとりついていく応酬が、いつしか、それぞの人格も入れ替えていく。男が女に、女が男に入れ替わる表現が、それまでの性の表現を助走にしているからか、妙に生々しくて、可笑しい。ラスト、死んだ?兄をみんなが囲んで看取っているものの、一人輪から外れた女には、実は誰か男がのりうつっていて(兄なのか、森の何かなのか)・・・このシーンが継続したまま、ムクっと起き上がった老人が、終演の挨拶。「アンケートにご協力…」なんて言っているのに、後ろでは、胸やお尻の感覚を楽しんだり、アレが付いていないぞ、なんていうのを確認したりしている。観ているこっちが恥ずかしくて、「目をそむけたくなるような面白さ」という変な感情に遭遇した。

芝居の始まり方、終わらせ方、そして、各部のつなぎ方がとても面白い。前説を聞いていたかと思えば、もう舞台は始まっているし、あの展開では終わらせ方次第では拍手のタイミングを失いそうになるところを、スパッと終わらせているのも鮮やか。また、客入れ曲は何故か「ビーチボーイズ」なのだが、劇中音楽はなく、音響効果も役者の発声でまかなっていたのも、体験の効果を相乗させていた。

芝居の本筋とは逸れる。スタジオHIKARIは、神奈川県立青少年センターの中にある。トイレに行くと、その隣に丁度「演劇資料室」というのがあって。開演前、立ち寄ってみた。少し前に、息子とセンターの科学イベントに来た時に立ち寄って以来、数年ぶり。演劇に関する書籍や雑誌、過去の高校演劇大会のパンフレットなんかも置いてある。本棚をみていたら、ピーター・ブルックの「何もない空間」があって、思わず手に取り、パラパラとめくってしまった(私はこの本は学生時代、どうしても欲しい、とお願いされた女性に譲って以来、手元には持っていなくて。当時はまだAmazonで本が気軽に買えたわけではないので。)。

今回観た『劇「鳥の映画」』は、正にピーター・ブルックの言う「Play is Play」だなぁ、なんていう感想を思わず持つ。本気の遊びの時間に、同席させてもらった。この本を手に取らせてくれた芝居の神様が、何かお告げしたかったのかなぁ、なんていう事を思った。

気になった役者さん。来栖梨紗、ハイジ?みたいな服可愛いし、演技がしっかりしていていいな、と思ったら、テレビなどでもかなり活躍されている女優さんでした。神代冥、いたずらっぽい目がいい。最後、男に入れ替わっちゃった女を演じていたのは、彼女。福本剛士、あのよく分からん父親像は、どこか憎めなくて。小池琢也、何の魅力だか分からないけれど、何だか気になる。大久保賢一、前説と、部の繋ぎと、終演後の挨拶意外は、殆ど、死んでるシーンなんだけれど、存在感抜群。調べてみたら、映画評論家の方。てっきり作・演出、の方と同一人物かな、と思っていたけれど、調べた限り判断付かず。

10分押し。おそらくあの劇場の構造、あの演出の方法だと、途中入場は非常に難しいので、可能な限り予約者を待つ配慮をしたのだと思う。ただ、遅れてきた客を理由に待つのは、やはり嫌だ。この「遊び」方なら、待っている時間も公演時間に含めてしまってよいのではないか、とさえ思った。実測65分だったが、事前に75分、とアナウンスしても、誰も異は唱えないはず。

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チラシの裏
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舞台