<観劇レポート>モミジノハナ「危ういながらあなたと、」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 モミジノハナ 「危ういながらあなたと、」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | モミジノハナ |
回 | モミジノハナ “ Limited♥ ” |
題 | 危ういながらあなたと、 |
脚本 | 野花紅葉 |
演出 | 野花紅葉 |
日時場所 | 2021/09/23(木)~2021/09/26(月) シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
野花紅葉が主宰する個⼈演劇ユニット。2019年2⽉『粗末な⼈たち』で旗揚げ。 紅葉の花のような「⾝を潜めている美しくないもの」をテーマに、それを否定しない演劇を上演する。恋愛やセックスなど極めて個⼈的な事柄について描き、その中で⽣まれる愚かで醜くも切実な⾔葉を⼤切に、「否定しない」。
過去の観劇
- 2022年03月25日 モミジノハナ 「粗末な人たち 新宿編」
- 2019年07月28日 SWANDIVE×モミジノハナ「夏じゃなくてお前のせい」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
“ Limited♥ ”?
主宰・野花紅葉がコロナ禍で始めた「いつか台本にする⾔葉たち」がテーマのnoteから、いくつかを本当に台本にして上演♥100以上の記事から選んだとっておきの言葉たっぷりの、今回だけの、ここだけの、 “Limited♥” な公演です。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年9月24日 14時00分〜 |
上演時間 | 100分(途中休憩なし) |
価格 | 3000円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団ホームページから予約しました。
当日、受付でSuicaでお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
学生さんくらい若い客と、オジサンとに二極化していました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・恋愛
・考えさせる
観た直後のtweet
モミジノハナ「危ういながらあなたと、」100分休無
面白かった。恋?愛?への相入れない視点・価値観を噛み合わせようともがく様子。それぞれの視点で描く。感情的な題材に見えて、実はものすごく理屈っぽい描き方だなぁ。題材とは裏腹にちょっと授業中のような退屈さがあったりする不思議。オススメ。 pic.twitter.com/fXtsyBDQTA— てっくぱぱ (@from_techpapa) September 24, 2021
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
2カップル、4人の恋愛を、それぞれの価値観の違いやモノの見方で起こるすれ違いを、丁寧に描いた会話劇。感性・感情をメインにして、割と軽い恋愛をしてきたフキ子と、その友達で恋愛経験ゼロの菊ちゃん。菊ちゃんの友達で、水商売の帰りにフキ子を泊めているけど、特に男女の関係にはなっていない聖司。クソまじめなナンパ、誠実な恋愛をしようとするマコト。その中で、菊ちゃんと聖司、フキ子とマコトが、カップルになり、つきあい出して、そしてすれ違っていく様を描く。
会話劇で、恋に対する価値観の違い・・・あるいは年齢や成熟度、何を「恋愛」だととらえているのかの違い・・・を、主に2人の会話を連ねていく事で、淡々と描いていく。
聖司に、もっと好きになってほしいとお願いするも、どこか上の空の聖司だけれど、思わぬ拍子で抱きついてしまうと、そこから感覚的な愛おしさが産まれたり。でも菊ちゃんは、クマデみたいに手の指を広げて、硬直していたり。
フキ子と、マコトの間の「誠実」は、全然違う。お互いが思う「誠実」が違うからこそのすれ違い。「心が汚い」って罵るけれど、それ、お前が好きになったフキ子だろ、と突っ込みたくなるし。
ひょっとしたら聖司は、いわゆる「寝取られ願望」的なものの心理を説明しているのかもしれない。ラストシーンはちょっとショッキングだけれど、むしろそんな願望を的確に表していて、納得もしてしまう。
緻密で面白い世界観だなと思うのと同時に、何故か、大学の講義のようなあの独特の退屈感が同時に存在する。この感覚の由来は、人物の価値観の差が、むしろ手に取るように分かり過ぎるから、という事に気が付く。ハッキリとした価値観の言葉が、それぞれの価値観の説明にも思えてきてしまう。・・・会話劇として成立していて、いわゆる「説明のための芝居」という訳では全く無いのに、価値観のぶつかり合いの「最短距離」の線を常に描いているのでそう見えてしまうのかもしれない。こんな芝居の感覚には出会ったことが無くて、独特。むしろ、どちらか一方のカップルの愛憎を、情も交えて描いたらどうなるのかな…みたいなことを考えた。