まだ間に合う公演レポ(24日5時)
●10/24(日)まで あんっHappyGirlsCollection「泡雪屋電影譚」
●10/24(日)まで 壱劇屋「独鬼」
●10/24(日)まで U-33project「シャンデリヤvol.2」
●11/30(火)まで 楽市楽座「うたうように」

<観劇レポート>ハツビロコウ「夏の砂の上」

#芝居,#ハツビロコウ

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 ハツビロコウ「夏の砂の上」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名ハツビロコウ
#11
夏の砂の上
原作松田正隆
上演脚本松本 光生
演出松本 光生
日時場所2021/09/21(火)~2021/09/26(日)
「劇」小劇場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

ハツビロコウとは
『俳優が、自ら主体となって発信する』をコンセプトに、
2015年、俳優たちだけで発足した演劇企画集団。
特定のプロデューサー、脚本家、演出家を置かず、 公演毎にそれぞれが企画を持ち寄り、その時々のテーマに応じ表現方法から興行形態まで模索し上演している。
代表は松本光生。

ハツビロコウ

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

錆びついた造船所
陽光で眩む 乾いた夏
この街に 雨は降るのだろうか

1999年、第50回読売文学賞受賞作「夏の砂の上」。
平凡な男の手から、砂のようにこぼれゆく日常と、大切な人々。
かすかに残る「ざらついた記憶」は、現実のものなのだろうか・・・
これは、あやうさの中に立たねばならぬ人々の、とても静かな物語である。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年9月22日
19時00分〜
上演時間125分(途中休憩なし)
価格3500円 全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページからのリンクで予約しました。
当日受付で、現金でお金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は5:5。
様々な年代の人がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・会話劇

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

長崎。造船所を見渡せる、丘の上にある家。息子を水の事故で失い、造船所が倒産して仕事も失った治。どことなく何もやる気がない。妻の恵子は愛想をつかしたのか、他に男が出来たのか、家を出て行ってしまった。そんな中、妹の阿佐子が娘の優子を預かってほしいと訪ねてくる。どうやら博多で男と暮らしたというのが本心らしい。造船所のかつての同僚たちは、再就職に苦労し、住み着いた阿佐子の娘の優子は、コンビニでバイトしながら、アバンチュールのような恋もしている。恵子はやはり、治の同僚、陣野とつきあい出したようだ。・・・そんな、あるきっかけで乾き出してしまった人々の物語。

松田正隆の原作。元々は読売文学賞の最優秀作品。元々の作品を、ハツビロコウの松本光星が上演台本として起こしたものらしい。青年団で再演などもされているようだけれど、私はどちらも知らず。ど真ん中の会話劇。舞台には、ちゃぶ台と扇風機。治の家の居間だけがえがかれる作品。ちょっとしたセリフに、人間関係の裏の事情を垣間見る。その場に居て、そこで展開されるドラマに耳を澄まして聞いている感覚。

作品全体から、客に投げかけてくるようなテーマは見い出し得なかった。あえて言うなら、ここに出てくる人々は皆、何とか喪失感を埋めようとしている人々だという事。舞台は茶の間のはずなのに、床には、ざらついた砂が敷き詰められている。水道が断水で、水が出ない。満たそうとしても、どこか満たされない乾き。それが、終盤の雨で、若干満たされていく。優子がはしゃぎながら雨水を飲むのに、治が恐る恐る水を飲む。対比というか、人生の喪失に対する向き合い方の差が面白い。でも、どうにもならないざらついた感覚と、水の潤いはどこか二人に共通していて。そんな感情の動きを、つぶさに見ていた。

恵子が治に別れを告げるシーンが印象的だった。直前、恵子が「あなたとの生活を忘れられると思う」と言っているにも関わらず、治か「(事故死した自分たちの息子は)本当に存在したのだろうか・・・。存在しなかったんじゃないのか。」と問いかけると、その事に怒り出す恵子。かつて営まれた家族三人の生活と、息子の死。その記憶を、それぞれがどう捉えているか。二人の間にもこんなに差があるのか、と思うと、興味深さと空恐ろしさみたいなものも、感じずにはいられなかった。

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