<観劇レポート>あやめ十八番 「江戸系 宵蛍」

#芝居,#あやめ十八番

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 あやめ十八番「江戸系 宵蛍」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名あやめ十八番
第十二回公演
江戸系 宵蛍
脚本堀越涼
演出堀越涼
日時場所2020/11/12(木)~2020/11/16(月)
吉祥寺シアター(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

花組芝居・俳優、堀越涼が作・演出を務める劇団。

2012年に花組芝居の俳優・堀越涼が旗揚げした演劇ユニット。

歌舞伎、能、浄瑠璃など、様々な日本の古典芸能を基礎とし、古典のエッセンスを盗み現代劇の中に昇華することと、現代人の感覚で古典演劇を再構築することの、両面から創作活動を行っている。

全ての作品で、日本人特有の感覚や美意識を作品作りのテーマとしている。
また、歌舞伎の下座音楽や落語の囃子に影響を受け、劇中音楽が全て生演奏であることも特徴の一つ。

あやめ十八番

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

令和2年。56年ぶりに開催された東京オリンピックに日本中が熱狂していた。
国内最大の国際拠点である第二東京国際空港もまた、例年以上の賑わいをみせている。
そんな中、華やかなアスリートたちの活躍の影で、ひっそりと海外メディアの注目を集めた家族が居た。

『千年(ちとせ)』の表札がかかったその家は、第二東京国際空港・滑走路の延長線上にある。
この一軒の家の為に、第二東京国際空港は未完成のままでの運用を余儀なくされていた。

千年は、ありふれた家だった。
かつてこの家に燈っていた闘争の火は、今ではもう見る影もない。
消え入りそうな小さな火種が、燻ったまま、あるだけだ。

空港の中の一軒家と、そこに纏わる人々のお話。

観劇のきっかけ

タイトルと、ストーリーとチラシが気になりました。
気になる役者さんが出演しているので観劇を決めました。

過去の観劇

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2020年11月13日
14時00分〜
上演時間150分(途中休憩10分を含む)
価格4300円 全席指定

チケット購入方法

劇団ホームページからのリンクで予約しました。
ジャパンネットバンクの口座番号が送られてくるので、そこに振り込みました。
公演直前だったので、チケットは郵送されず、確認メールが送られてきました。
当日受付で名前を言って、チケットをもらいました。

客層・客席の様子

男女比は6:4くらい。様々な年齢層の方がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・シリアス
・会話劇
・歴史
・考えさせる

観た直後のtweet

映像化の情報

DVD予約のチラシが入っていました。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは、事前の紹介の通り。
一幕が、ジャーナリストや市の広報紙の取材を通して、三里塚闘争(成田闘争)を、多くの人が忘れてしまったけれど、今もまだそこにある問題を描く。二幕、1966年からの闘争の歴史を描く物語。

一幕、成田闘争とその周辺の事柄を、説明するような部分が多くて、ちょっとじれったく感じるも。二幕、1966年の世界にタイムスリップすると途端に引き込まれた。

叙事詩的な描き方、という表現が合っているだろうか。三里塚闘争をモデルにした空港建設反対運動を、淡々とではあるけれど、時系列的に描く物語。また、マラソンランナー出雲幸太郎(円谷幸吉をモデルにしていると思う)と、オリンピック開催をからめて描く。冒頭、「成田」の話だという事は語られるけれども、固有名詞等々は、微妙に改変されている。

物語がどの程度事実なのかは、今、この感想を書いている段階では、正確には掴み切れていない。この時の大臣は、女性ではなかったように思うし、少し調べた限りは、円谷幸吉は三里塚闘争には参加していない。また、政治的な解釈の部分が入ると、見方は変わってくるようにも思う。その意味では、三里塚闘争を正確に描く、という事を目的としたものではない。この事件に、何か解釈を与えている物語ではなく、そういう出来事がありました。そういう事に命を懸けた人がいました、という事を描いた作品のように感じた。

子供の頃はそれなりに見かける事があった、成田の話。いつのまにか、聞かなくなったなぁ、という感覚で、私の中にも、「成田」というのは単に空港の意味しか持たない言葉に、いつしか成り下がっていたけれど。物語として、何か感じ入るというよりも、そういった「生きた」人がいた、という事をとても鮮烈に思い出させてくれる作品だった。

空間の使い方が抜群に上手い。吉祥寺シアターはタッパ(天井の高さ)が高い小屋だけれど、バルコニー部分も使い。特に二場、つぎつぎと入れ替わるシーンが、とてもテンポが良くて見やすい。舞台空間の印象と共に、「成田」の事を再度思い出す。そんな作品だった。


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