<観劇レポート>KOKAMI@network「ハルシオン・デイズ2020」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 サードステージ「ハルシオン・デイズ2020」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | サードステージ |
回 | KOKAMI@network vol.18 |
題 | ハルシオン・デイズ2020 |
脚本 | 鴻上尚史 |
演出 | 鴻上尚史 |
日時場所 | 2020/10/31(土)~2020/11/23(月) 紀伊國屋ホール(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
鴻上尚史が、さまざまな人たちと出会い、公演するために作ったユニットです。
毎回、メンバーは違います。鴻上の作・演出(場合によっては、演出のみ)で、サードステージが制作するプロデュース・ユニットと言えます。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
Twitterで「#自殺」と打ち込んでみる。流れるタイムラインに悲鳴があふれる。誰かと一緒なら生きる勇気がわくように、誰かと一緒なら死ぬ勇気もわいてくる。3人と1人は、仲間をTwitterで探し、DMでつながり、公園で出会った。終わらせたい男たちと、始めるために嘘をついた女性と、終わってしまった青年が出会う物語。やがて、男は自殺そっちのけで、自分の使命に目覚める。それは「自粛警察」と戦うという妄想だった。
観劇のきっかけ
大好きな鴻上さんの作品です。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2020年11月11日 19時00分〜 |
上演時間 | 125分(途中休憩なし) |
価格 | 8900円 全席指定 |
チケット購入方法
チケットぴあでチケットを買いました。クレジットカード決済をしました。
セブンイレブンで、チケットを受け取りました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。40代upのシニア層が目立ちました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・シリアス
・会話劇
・泣ける
・考えさせる
観た直後のtweet
KOKAMI@network「ハルシオン・デイズ2020」125分休無。
よかった。作品何度か観てるけど、基の設定をうまく思い出せなくなるほど自粛警察、が取り込まれて。4人のグルーブもいい。舞台セットは賛否分かれそうだけど私は好き。笑のセンスは客層の求めてるものとちょっとズレたかな、と思い。オススメ! pic.twitter.com/GSNKJZxX4D— てっくぱぱ (芝居が好き・映画も好き) (@from_techpapa) November 11, 2020
映像化の情報
情報はありません。
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは事前記載の通りだが、補足すると。
ツイッターで知り合った、自殺したい3人。1人は人格が入れ替わる病で「自粛警察」と戦うといい、1人は自分のカウンセリングの失敗で自殺の原因を作ってしまったスクールカウンセラー。もうひとりは、借金を抱えているトランスジェンダー(いわゆる「おかま」)。暇つぶしをするうちに、「泣いた赤鬼」の芝居を作って、近くの幼稚園に慰問に行こうとするが、ネットで情報を拡散すると、伝染病「パンデ」にかかった経緯があるとバレて、自粛警察が無形の妨害をしてくるが、青鬼の気持ちを考えていくうちに、それぞれが、自殺を思いとどまる話。
作品自体は何度か観ているので、新たな感想、は特に産まれなかったけれど。「自粛警察」の要素がとてもしっくりくる形で取り込まれていて、元々のモチーフが何だったのか思い出せなくなってしまった。確か、日本で戦争が続いていた、という妄想の設定だったかな。鴻上尚史の作品は、70年代の闘争の影を引きずっているように思える作品がいくつかあるけれど、設定的には「自粛警察」の方が断然にしっくりくるな、と思う。その意味で、基作品以上に、今の世相にマッチしていたのかな。
このお話、やっぱり何度見ても思うのが「泣いた赤鬼」の登場が、唐突だよな。中盤、突然の登場を受け入れられるかが、物語に入っていけるかのキーポイントな気がする。今回観ても、やっぱり唐突感が否めない。ただ、結果的に「泣いた赤鬼」の物語とのシンクロが良いので、まあ、いいかな、と思ってしまう面がある。
ダンボール箱の舞台セット。ちょっとゴミゴミして見えるので、好き嫌いが分かれるかもしれない。どんどんと増えていく、踏み場もなくなっていく感覚。ネット通販で巣ごもり生活。プロジェクションマッピングで段ボールが溶けていく感覚が、個人的には良かった。ただ、公園のシーンで、噴水の背景とかは、要らないんじゃないのかな、と思う。20階の屋上に出る、一気に天井が抜けるシーンはいいな。
過去の鴻上尚史の作品と、物語の構造は似ているな、と思ったりもする。「トランス」は明確にそう歌われているけれど、今回観ていて「ファントム・ペイン」とも似ているな、と感じる。
客層は、40代upの人が多かった。客席は、一体感というか、気持ちが一緒に動いている感があったのだけれど、ジョークや笑かせるシーンで、笑いがまばらにしか起きていないのがとても気になった。コロナで、客席間引きで半分になっているから、というのもあるのかもしれない。客層と、笑のセンスみたいなものが、ズレてきているのかなぁ、という思いを持つ。帰路冷静に考えてみると、第三舞台の頃から、笑かし方、という意味では大きく変わっていないので、センス的に少し古い感覚なのか、とか、役者を選ぶのか、と思ったり。加えて、この作品は、本来なら若い人が見た方がいい芝居のように思うけれど、客層がチグハグになっているのが気になった。
四人とも初めての役者さんだったけれど。南沢奈央、場の掌握の仕方というのかな。安定感が好き。舞台を支えていて、その周りで三人の男が遊んでいるようにも見える。石井一孝、何だろ、池田成志や市村正親を思わせる動き。と、狂言回し的に舞台を進めていく。笑いは取れていなかったことが多かったけれど、微笑ましく見れるシーンが多く、印象に残った。20階のシーンで、ダンスの後の行動が、ものすごくリアルに感じる。
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