<観劇レポート>俳優座劇場 「嘘 ウソ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 俳優座劇場「嘘 ウソ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 俳優座劇場 |
回 | 俳優座劇場プロデュースNo.111 |
題 | 嘘 ウソ |
脚本 | フロリアン・ゼレール |
演出 | 西川信廣 |
日時場所 | 2020/11/07(土)~2020/11/15(日) 俳優座劇場(東京都) |
団体の紹介
団体のホームページにはこんな紹介があります。
半世紀を超えて現代演劇を中心とした舞台芸術文化を創造しています。
現代演劇創造の場として俳優座が中心となり、多くの文化関係者と観客の支援を得て1954年に完成、株式会社俳優座劇場として運営されています。以来、設立の理念を生かした劇場運営をおこない、現代演劇の中心的劇場となりました。
そして1980年に再建設、演劇を中心とした舞台芸術の創造の場となっています。
劇場主催の演劇制作「俳優座劇場プロデュース公演」もおこなっています。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
ポールとアリスは、親友の夫婦ミッシェルとロランスをディナーに招待している。
二人が来たらとっておきのワインを振る舞おうと張り切るポール。
しかしアリスは「ディナーをキャンセルして」と言い出した。
実はさっき街でミッシェルが見知らぬ女とキスしているのを目撃しロランスに話さずにはいられないからと。
それを聞いたポールは「喋っちゃダメ」と大反対。
結局「今夜はキャンセル!」と決めたそのとき
玄関のベルが鳴り、やむなくディナーは始まってしまう……!!世界中で人気沸騰のフロリアン・ゼレール作品。母国フランスでは『母』がモリエール賞を、『父』
がモリエール賞 最優秀脚本賞を受賞。昨年は日本でも『父 Le Père』(東京芸術劇場公演)が上演され、数々の賞を受賞し注目を集めました。2018年にも西川信廣の演出で『真実』(文学座公演)が上演されていますが、本作『嘘』は同じ名前の4人が登場するゼレール自身が愛した姉妹作です。
会話劇の名手ゼレールがディナーに仕掛けた〝嘘″をご賞味あれ!
観劇のきっかけ
話題だったのと、好きな俳優さんが出ているからの観劇です。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2020年11月13日 18時30分〜 |
上演時間 | 110分(途中休憩なし) |
価格 | 6000円 全席指定 |
チケット購入方法
カンフェティで予約しました。
クレジットカード決済をして購入しました。
予約番号を持って、セブンイレブンで決済しました。
客層・客席の様子
男女比は6:4くらい。40代以上の観客が目立ちました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・コメディ
・会話劇
・考えさせる
・シンプル
観た直後のtweet
俳優座劇場 「嘘 ウソ」110分休無。
一場の会話劇。ストレートプレイど真ん中だけどコメディ。うぉー!めっさ面白かった!これは事前に情報入れずに、とにかく観たい。まあ、勘のいい人なら途中で気づいて、笑いが止まらなくなるけど。戯曲の妙と、主役2人の掛け合いがとにかくいいな。超オススメ! pic.twitter.com/pykHIjbewy— てっくぱぱ (@from_techpapa) November 13, 2020
映像化の情報
情報はありません。
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
この作品に関しては、観に行く予定があるなら、感想を読まずに観に行っていただきたい事を、書いておき。
ストーリーは、事前記載の通りで。
会話の中で進んでいく「相手に嘘をつくことが、本当に相手への愛情かどうか」という点のお話。相手に気を使ってついた、不倫の嘘。あるいは相手を罰しようとしてついた、不倫の嘘。嘘の応酬があるけど、結局は嘘だったので。これからもお互い、嘘をつかづに、生きていきましょう、と言うものの。カーテンコール後、ポールとロランスが不倫していて、ミッシェルとアリスが不倫してて別れたばかりだった!というオチ。
前半は「嘘をつくことが相手を思いやる正しい場合もある」的な、よくある道徳的な話なのかな、と思っていたのだけれど・・・。それぞれの「嘘」が明るみに出てくると、「嘘だよ」といっている事が、本当に嘘なのかどうなのか、分からなくなってくる。中盤から、明らかに全員「嘘」ついているだろう!という気がしてくる。そう思うと、一言一言、嘘っぽくて笑いが止まならい。「嘘だ」と言って語っている事が、実はどう見ても真実で、「真実だ」と言って語っている事が、真っ赤なウソに見えたり。親友も夫婦もあったもんじゃない。「真実」「嘘」どちらとも取れる構造の物語。ごくごくシンプルな会話劇なのに、ここまで笑いの取れる深い「うそ」の構造は凄いな、と思う。結局、明らかに全員ウソをついているのに、明確な答えはなく、幕が下りカーテンコール。
最後まで観ると、最初のシーンが全く違って見えるんだろうな、もう一度観たくなるなー、と思っていたら。カーテンコールの後、最初のシーンのハイライトを、もう一度演じ出す4人!2度観たらわかる。もう、どう見ても全員ウソ。冒頭では見えなかった、キッチンの会話の場面も見えたりして。結局この夫婦2組は、ダブル不倫していたことが分かる。あーやっぱり嘘じゃん。というオチ。すごいなこれは。鮮烈過ぎて、ビックらこいた、と言うのが正直なところだった。
フロリアン・ゼレールっていう脚本家、初めて知ったけれど。もうこれはただモノじゃないな、という感覚。この作家の作品をもっと観てみたい。そう思う作品。翻訳も絶妙なんだろうな、というのを感じた。
気になった役者さん。若井なおみ、先日観た「雉はじめて鳴く」がとても印象的だった役者さん。髪型からか、全く違う印象にびっくりするも、男が惚れてまうがな~な要素が凄くて、2時間観ていて、それだけで楽しい。当日パンフレットにiaku横山拓也の紹介文が書かれているけれど、これが的確過ぎる。なんだろ、みんな恋しちゃう要素を持っている役者さんなんだなぁ。大注目中。清水明彦、ちょこまかちょこまか動くのが、とても楽しい。けれど、ラストの種明かしではデレデレ。最後の最後にギャップ萌え。井上倫宏、吹替の事を思い出してしまうかな、と思ったけれど、舞台だと声の印象が全く違ってて意外。米倉紀之子、登場シーンは少ないけれど、立ち姿がとてもきれい。調べたら、ドラマ「グッド・ワイフ」のカリンダの吹き替えした人でびっくり。
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