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<映画レポート>「ホテルローヤル」

#映画

【ネタバレ分離】昨日観た映画、「ホテルローヤル」の鑑賞レポートです。

映画基本情報

タイトル

「ホテルローヤル」

2020年製作/104分/PG12/日本/配給:ファントム・フィルム

キャスト

田中雅代:波瑠/宮川聡史:松山ケンイチ/能代ミコ:余貴美子/太田和歌子:原扶貴子/佐倉まりあ:伊藤沙莉/野島亮介:岡山天音/本間真一:正名僕蔵/本間恵:内田慈/美幸:冨手麻妙/貴史:丞威/坂上朝人:稲葉友/能代正太郎:斎藤歩/能代ミコの母:友近/田中るり子:夏川結衣/田中大吉:安田顕/若き日の大吉:和知龍範/若き日のるり子:玉田志織/長谷川葉生

スタッフ

監督: 武正晴 /原作:桜木紫乃/脚本:清水友佳子/製作:狩野隆也,小西啓介,松井智,瓶子吉久,宮崎伸夫,佐竹一美,寺内達郎,本丸勝也,広瀬兼三/企画プロデュース:福嶋更一郎,小西啓介,瀬川秀利,宇田川寧/プロデューサー:新村裕,杉本雄介,柴原祐一/撮影:西村博光/照明:金子康博/美術:黒瀧きみえ/装飾:山田好男/衣装:浜井貴子/ヘアメイク:小沼みどり,宮本奈々/特殊メイクデザイン:藤原カクセイ/音響:白取貢/音響効果:赤澤勇二/編集:相良直一郎/音楽:富貴晴美/主題歌:Leola/助監督:齊藤勇起/VFXスーパーバイザー:オダイッセイ/ラインプロデューサー:本島章雄/制作担当:今井尚道

公式サイト

ホテルローヤル
(公開後、一定期間でリンク切れの可能性あり)

映画.comリンク

作品解説

直木賞を受賞した桜木紫乃の自伝的小説を、「百円の恋」「全裸監督」の武正晴監督が映画化。波瑠が主演を務め、松山ケンイチ、安田顕が共演。脚本は「手紙」「イエスタデイズ」の清水友佳子。

あらすじ

北海道の釧路湿原を背に建つ小さなラブホテル、ホテルローヤル。経営者家族の一人娘・雅代は美大受験に失敗し、ホテルの仕事を手伝うことに。アダルトグッズ会社の営業・宮川に淡い恋心を抱きながらも何も言い出せず、黙々と仕事をこなすだけの日々。そんな中、ホテルにはひとときの非日常を求めて様々な客が訪れる。ある日、ホテルの一室で心中事件が起こり、雅代たちはマスコミの標的となってしまう。さらに父が病に倒れ家業を継ぐことになった雅代は、初めて自分の人生に向き合うことを決意する。

満足度

★★★★★
★★★★★

(2/5.0点満点)

鑑賞直後のtweet

ここから先はネタバレあり。注意してください。

感想(ネタバレあり)

「当事者なんかじゃねえよ」と、画面に突っ込んでしまった。怒りすら覚える、的を射てない映画だな、と感じた。

作品の構造が、結果的にラブホを舞台にした短編作品集的。見た後に調べてみると、直木賞受賞の小説「ホテルローヤル」の映画化らしい。小説の紹介文を読むと、やはりいくつかの物語が寄せ集まっている。短編っぽいな、と感じたのは間違っていなかったのかなと思う。小説の解説からだと、内容的には、映画「フォー・ルームス」、あるいは「誰も知らない五つ星ホテルの24時間」とそこからドラマ化された「ホテル・バビロン」のような小説なのかなぁ…と想像してしまう。

映画全体はちょっとイタダケナイけれども、脇役の好演がとても目立った。息子を逮捕されて失意の、余貴美子。不可抗力でラブホに入った先生と生徒、伊藤沙莉と岡山天音のかけ合い。不器用な父、安田顕。久々に羽を伸ばした夫婦、正名僕蔵と内田慈のエロいセックス。妙なエロさと疲労感を持ってる、夏川結衣。ラブホテルの描写も細部まで生々しいので、一つ一つの物語を見ている分には、とても楽しかった。

特に、夏川結衣は…、エンドロール見るまで、夏川結衣だとは気が付かなかった。「私たちが好きだったこと」という映画を見て以来ファン。あの頃とはだいぶ変わってしまったけれど・・・、思わず引き付けられてしまう魅力は変わらず。

もう一人、伊藤沙莉。映画「幕が上がる」で、個人的にはハスキーボイスがとても気になっていたのだけれど、あまりちゃんと追いかけられてなかった女優さん。女子高生が全く不自然ではないのと、底抜けに悲しい明るさと、やはり少しハスキーな声に魅了されてしまった。今週は、「タイトル、拒絶」という作品も公開されているけれど、こちらも話題で、見に行きたい。

全体として感じた事。波瑠が演じる主人公、雅代の葛藤や思いの変化が、全く見えてこないのが、辛い。美大受験に失敗したと思ったら、そのすぐ後に母は家を出て。失意のまま、ラブホの経営を継ぐ設定は面白いのだけれど。その人生に対してどう思っているのか、どう変化していったのか(あるいは変化しなかったのか)が、表現されていたようには思えなかった。

ラブホの事務エリアの棚から、家族アルバムを引き出すシーン、事務所に置いてあるのも不自然だし、何の脈絡でそれを見たのかも、よく分からない。だからこそ、ラブホを閉館して町を車で巡るシーンも、何故、回想シーンに思いを馳せれるのか。それまでに、不自然なアルバム以外、要素が出てきていないので、唐突すぎて受け取り方に困る。雅代の部屋は、どうやらラブホと同じ建物にあるようだけれど、構造的にもちょっと不自然で、取ってつけた感が否めず。最後に、想いを寄せていた聡史に「抱いてくれ」と迫り、聡史も受けようとするが、(細かくはセリフにされていないけれど)妻を愛しているから、と、勃起せず。傷つく雅代。

これら、どのシーンも、全く感情がつながらないのが辛過ぎて、見ていて段々と、怒りすら覚えてきてしまった。抱いてくれと頼むところで、「やっと当事者になれる」と呟くんだけれど、「いやいや、当事者になってないでしょ」と、心の中でツッコミ入れてた。当事者なら、相手が勃起しないくらいで、セックスやめたりしないだろうし。

宣伝のストーリー紹介には「初めて自分の人生に向き合うことを決意する。」と書いてあるのだけれど、向き合ってるようには見えないなぁ、というのが正直なところ。逆に、自分の人生に向き合えない人の物語なのかもしれないけれど。自分の人生に向き合わないなら、向き合わない葛藤とか怠惰さとか、もっと出さないと、伝わらないと思う。とにかくその中途半端さに、怒りがこみあげてくる。そんな作品でした。


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