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<映画レポート>「BLUE ブルー」

#映画

【ネタバレ分離】昨日観た映画、「BLUE ブルー」の鑑賞レポートです。

映画基本情報

タイトル

「BLUE ブルー」

2021年製作/107分/G/日本/配給:ファントム・フィルム

キャスト

瓜田信人:松山ケンイチ/天野千佳:木村文乃/楢崎剛:柄本時生/小川一樹:東出昌大/守谷周徒/吉永アユリ/長瀬絹也/松浦慎一郎/松木大輔/竹原ピストル/よこやまよしひろ

スタッフ

監督: 吉田恵輔 /脚本:吉田恵輔/製作:與田尚志,鳥羽乾二郎,小西啓介,永森裕二,半野真晃/エクゼクティブプロデューサー:加藤和夫/企画:岡田真,木村俊樹/プロデュース:岡田真,木村俊樹/アソシエイトプロデューサー:紀嘉久,大畑利久/音楽プロデューサー:津島玄一/撮影:志田貴之/照明:疋田淳/録音:長島慎介/美術:山崎輝/編集:清野英樹/音楽:かみむら周平/主題歌:竹原ピストル/助監督:松浦建志/ボグシング指導:松浦慎一郎/殺障指導:吉田恵輔/制作担当:遠藤祐輝

公式サイト

BLUE ブルー
(公開後、一定期間でリンク切れの可能性あり)

映画.comリンク

作品解説

「ヒメアノ~ル」「犬猿」の吉田恵輔監督によるオリジナル脚本で、ボクシングに情熱を燃やす挑戦者たちの熱い生き様を描いたドラマ。松山ケンイチが主演を務め、後輩ボクサーの小川を東出昌大、初恋の人・千佳を木村文乃、新人ボクサーの楢崎を柄本時生が演じる。

あらすじ

ボクサーの瓜田は誰よりもボクシングを愛しているが、どれだけ努力を重ねても試合に勝てずにいた。一方、瓜田の誘いでボクシングを始めた後輩・小川は才能とセンスに恵まれ、日本チャンピオンに王手をかける。かつて瓜田をボクシングの世界へ導いた初恋の女性・千佳は、今では小川の婚約者だ。強さも恋も、瓜田が望んだものは全て小川に奪われたが、それでも瓜田はひたむきに努力し続ける。しかし、ある出来事をきっかけに、瓜田はこれまで抱えてきた思いを2人の前で吐露し、彼らの関係は変わり始める。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4.5/5.0点満点)

鑑賞直後のtweet

ここから先はネタバレあり。注意してください。

感想(ネタバレあり)

面白かった。ボクシングに打ち込む男達を、淡々と描く。日本チャンピオン目前の一樹と、プロボクサーなのに全く勝てない信人と、気まぐれでボクシングを始めた剛と、三人がボクシングに魅せられていく様。直線的に流れる時間の中で、抑揚もなく側で見ているように、淡々と淡々と、回想シーンも劇中殆ど音楽も使わない。そんな事実を切り取ったような映画。それだからきっと、この映画に対する解釈の幅は広いだろうな。いろいろな事を思い浮かべる。・・・その、一つ一つの視点に事に思いを馳せながら、しかも自分の解釈で映画を見れた。

自分の見方を書いてみると…。

私自身は、ボクシングには全く関りがない人生。何故ボクシングにそこまで情熱を注ぐのか、正直なところ私には理解できない面がある。殴り合い、血が出る、場合によっては死ぬこともある。ちょっと理解できない世界、というのが正直な感覚だけれど。それでも、特に剛のボクシングへの関りを見ていると、何故人はボクシングに魅せられていくのか。そんな事がおぼろげに、実感を持って想像出来る。ラスト、剛は判定負けするのだけれど。判定までに持ち込んたのか、という興奮がある。ボクシングという、私には得体のしれないものへの理解と、情熱とが、否応なく迫ってくる。ボクシングを見に行ってみたい、という、とても原始的な感情が産まれた

そういう、初心者的なボクシングの魅力より更に深く、ボクシングにとりつかれてしまった男達の生き様。チャンピオンの視点、あるいはそれを目指す視点。ボクシングから、逃げも隠れも出来ない男、みたいなのが、私の実感覚としては理解できないながらも、ひしひしと伝わってくる。幼馴染の千佳が思い付きで言った「ボクシングやりなよ」という一言。言った本人は何の思慮もなく、思い付きだったのだけれど。その一言を発端に、信人も一樹も、ボクシングに魅せられてきた。2人は既に、その千佳の言葉とは関係なく、自らボクシングへの熱を持つに至ったのだろうけれど。それでも忘れ得ない、千佳の一言。出発点。そんな少し屈折して、しかも屈折を本人が理解もしていて。そこから、得体のしれない魅力みたいなものを想像するのに十分だった。

ネットを見ていたら、「何者にもなれない自分を探す男たち」みたいな感想も見かけた。確かにそういう解釈も出来るな、とも思う。ただ、音楽や盛り上がりをあえて外している映画、その部分だけにフォーカスした描き方をしていないので、少し拡大解釈し過ぎているかなぁ、という気もした。「何者にもなれない」という事を表した表現は、実は作品として割とよくある。この映画は、その描き方とは真っ向から対立した描き方だと感じたかもしれない。あくまで「得体のしれない情熱奪われる何か」という言葉の方が、自分的にはシックリくる。

ボクシングを実際にやっている人からすると、この物語のリアリティはどうなんだろうか、というのも考えた。レイトショーで私ともう一人しかいない中で見たので、観客の反応的なモノも掴めなかったのだけれど。どの程度感情移入できるのか、どの程度物語として精密に描かれているのかが気になる。

主役三人の演技が素晴らしい。私は特に、柄本時生が好き。やっぱり最後まで、どこか頼りなさがあるのが、むしろ感情移入できる。飲み屋で信人に食ってかかった時、千佳にビンタされるのも、どちらかというと剛の視点で見ていた(なんでビンタするんじゃい)。凄く絶妙なバランスの演じ方だと思ったのと。松山ケンイチの、どんなにバカにされても、ヘラヘラヘラへしている感。その強さ。もう見ていて泣きそうになる。本当にボクシングにとりつかれるって、こういう事なのかな。そんな事を思った。

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