<観劇レポート>モミジノハナ 「粗末な人たち 新宿編」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、モミジノハナ 「粗末な人たち 新宿編」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | モミジノハナ |
回 | 第三回公演 |
題 | 粗末な人たち 新宿編 |
脚本 | 野花紅葉(モミジノハナ) |
演出 | 野花紅葉(モミジノハナ) |
日時場所 | 2022/03/23(水)~2022/03/27(日) 雑遊(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
モミジノハナ
野花紅葉が主宰する個⼈演劇ユニット。2019年2⽉『粗末な⼈たち』で旗揚げ。 紅葉の花のような「⾝を潜めている美しくないもの」をテーマに、それを否定しない演劇を上演する。恋愛やセックスなど極めて個⼈的な事柄について描き、その中で⽣まれる愚かで醜くも切実な⾔葉を⼤切に、「否定しない」。
過去の観劇
- 2022年03月25日 Art-Loving「かもめ」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
2019年の旗揚げ公演『粗末な人たち』を「新宿編」として再構成した完全新作。
新宿のとある会員制キャバクラに小説家志望の女・サクラが入店し、そこで働く人たちを「取材」と称して観察するところから物語がはじまる。
他人の人生を面白がること、他人に人生を消費されること、それでも、面白がってもらったり消費されたりしなきゃやってらない、はじまらないってことについて、自身を商品として生活する世界を通して考えてみようと思います。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年3月24日 14時00分〜 |
上演時間 | 85分(途中休憩なし) |
価格 | 2500円 全席自由 平日昼割 |
チケット購入方法
団体ページからのリンクから、予約しました。
当日受付で現金でお金を支払いまた。
客層・客席の様子
男女比は95:5。30代upの男性がほとんどでした。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・シンプル
観た直後のtweet
モミジノハナ「粗末な人たち 新宿編」85分休無
作品初見。んーなんかグルグル回る感じ。みんながみんなを食べてグルグル。ラストはちょっと意外だったけど、ストレートに受け止めていいのかな、ってクスクス笑いしながらも戸惑う。前作含め、敢えて客の視点を出さないってのが、美学なのかな、と思い。 pic.twitter.com/Y5svglaiur— てっくぱぱ (@from_techpapa) March 24, 2022
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは事前紹介の短いフレーズの通り。会員制のキャバクラの女性たち。そこに、小説家志望で働きながら「取材」をしたいというサクラが入ってくる。どこか空気が読めないサクラは、店のいろいろな人に「取材」をするも煙たがられるが、本来は「風紀」で禁じられている黒服の黒岩と、なんだかんだみんな関係を持っている。サクラは、賞に応募する小説として何を書くのか・・・と強引にまとめるとそんなお話。
気が付くと、みんながみんな「風紀」を犯していて、それぞれがそれぞれに依存している。お店では擬似的な恋愛を売っているのに、中の人々も、客とは別の世界の疑似恋愛に頼っているのが、なんとも皮肉というか。人ってそんなものだよね、みたいな、ちょっとあきらめにも近い想いが生まれてくる。前回観た、「危ういながらあなたと、」の時もそうだったけれど、キャバクラやラウンジの「客」は、どちらの物語にも出てこない。でも、目の前で展開している事が、実は「客」側からみた擬似恋愛と、とても似ているように感じる。裏でも同じこと、みたいな皮肉なのか、描き方の美学なのか。
多くは、外から入り込んだサクラの視点で描かれる物語だけれど、どこかサクラにも、客は感情移入ができない。劇中のセリフの通り、「そんなに人の心が分からないで、小説なんか書けるのか」という感覚を、観客も持つ。泥沼な関係が明かされるのとは別に、どこかチグハグなサクラの視点が鬱陶しく感じる。ラスト、マリに対して「なにもない」と言い、その「なにもない」を小説に描いた、と言い切る。・・・チグハグの極致というか、もし何もないなら、なぜ何もなくなったんだろう、みたいなことを考えるように思うのだけれど、それもない。芝居の大部分を使って演じられるネバネバを、何もない、と言い切るサクラを、どう受け止めたらいいんだろう…みたいなことを、終演後少し悩んでしまった。