<観劇レポート>Art-Loving「かもめ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 Art-Loving「かもめ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | Art-Loving |
回 | Art-Loving×かわさきシアターカンパニー/ Art-Lovinプロデュース公演Vol.6 |
題 | かもめ |
脚本 | アントン・チェーホフ |
演出 | まんぼ |
日時場所 | 2022/03/24(木)~2022/03/27(日) ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
Art-Lovingは演劇をとおして「生きる力〜つくる・はぐくむ」をコンセプトに、演劇制作から演劇教育まで、一貫して演者の主体性を引き出しながら、対話を重視した形成的な創作アプローチを実践し、行動的俳優を醸成します。
ヨーロッパの体系的演劇教育のような、一貫性のある再現性高い理論で、人のコミュニケーション能力を引き出し、自己表現から言語力と自己肯定感を高める『まんぼオリジナルドラマエデュケーション』を実践します。
また多種多様な演出家のアプローチにも対応可能な、戯曲解釈方法の伝授、基礎的演技力向上に寄与します。
当カンパニーは、能動的に演劇公演の企画からキャスティングまで行い、またそれに伴うワークショップ&オーディションを実施します。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
女優を志望するニーナは、思いを共にするトレープレフが書いた作品を上演する。
憧れである女優アルカージナと、名を馳せている作家トリゴーリンが見守る中で行われた上演が失敗に終わり、2人の関係性がギクシャクし始める。
それぞれの運命の歯車が狂い始め、彼らが取った行動とは…。
そして、彼らが望む人生は手に入るのだろうか?
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年3月24日 19時00分〜 |
上演時間 | 145分(途中休憩なし) |
価格 | 4800円 全席自由 |
チケット購入方法
カンフェティで予約・決済をしました。
セブンイレブンで、予約番号を伝えて受け取りました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。様々な年代の客がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・考えさせる
観た直後のtweet
Art-Loving「かもめ」145分休無
チェーホフ作の演劇の古典だけど、恥ずかしながら作品初見。うわー。めちゃんこ面白い。今まで避けてたのを後悔。表現してる人にはめちゃキッツイテーマだなぁ。演出や台詞を、現代風に見やすくしてる感あり。これが私のファーストかもめで幸運だったかも。超オススメ! pic.twitter.com/2YFw0xtA4x— てっくぱぱ (@from_techpapa) March 24, 2022
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
学生のころから、どうも古典の作品が楽しめなかった私。チェーホフ「かもめ」なんて避けるリストのトップの作品だった。でも、40代に入って心境も変わり、東京デスロック「外地の三人姉妹」やその他作品で、チェーホフの影を見たりして、苦手意識…というのはよくないなぁ、と思い今回の観劇。これまでのチェーホフの上演の歴史上、どう位置づけられるのかは私には分からないけれど、想像していた古臭さも退屈さも全く無く、楽しめた。あーもっと早く観ておけばよかった。
舞台女優と作家の話。いろいろなテーマが織り込まれている作品だと思うものの、まさに舞台で創作をする人にとっては、この作品のメインのテーマはとても辛すぎるように感じる。ニーナを象徴している「かもめ」は、町に出ることで剥製のようになってしまった。野外劇場でトレープレフと踊っていれば、幸せだったのか。あるいは、剥製にされてみんなの目にさらされる事も、ひとつの幸せなのか。舞台に立つ事、人の目に晒される事の辛さみたいなものが、とにかく突き刺さり過ぎて、嫌悪さえ覚えた。
かもめは、1896年初演。100年以上も前の作品。基の戯曲を読んだわけではないし、他の「かもめ」の上演を観た訳ではないので比較は出来ないのだけれど、勝手に想像するに今回観たものは、今の時代の中でも分かりやすく台詞を変更し、肉体表現を多用した演出のように思えた。各々が恋焦がれるシーンは、迫力があったし(アルカージナとトリゴーリンのイチャイチャシーンは凄かったな)、古い台詞をそのまま持ってきた場合でも、今の時代で聞き取りやすいものになっていたように感じた。
そう思ってくると、一般的な「かもめ」の上演と、どれくらい同じで、どれくらいかけ離れているのかが、気になってきた。ひょっとしたら他の上演は、やっぱり予想通り退屈なんじゃないかな、という気もする。元の作品は4幕だし、Wikipediaには「動かない」芝居って書いてある。他の「かもめ」を観たいような、止めときたいような、そんな感情を持った。
気になった役者さん。瑞生桜子、以前、正に ラゾーナ川崎プラザソルで観た「カワサキ ロミオ&ジュリエット」の記憶が残ってて、やっと再度拝見。何だか不思議と見とれてしまうなぁ、というのは変わらず。梶原航、長い台詞回しのところが、とにかく引き込まれ度が高くてびっくり。