<観劇レポート>楽市楽座「ゆりあげ」

#芝居,#楽市楽座

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 楽市楽座「ゆりあげ」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名楽市楽座
ゆりあげ
脚本長山現
演出長山現
日時場所2022/06/11(土)~2021/06/13(月)
鎌倉 海浜公園由比ケ浜地区
スポーツ広場【野外劇】(神奈川県)
他全国を巡業

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

1991年5月に結成された楽市楽座は、2011年に20年目を迎えます。大阪を拠点に、長山現の作品を、主に野外劇として上演を行い、竹骨八角テントや、奥行きのある野外舞台、円形劇場での上演など、様々な試みをして参りました。
1998年からは、ドーム型テントの野外円形劇場を作成。5年後の2003年からは、舞台上のみ吹き抜けの野外円形劇場とし、ついに2009年には、屋根も壁もない完全な野外劇場にたどりつきました。

屋根も壁もなく、舞台の周囲にパイプ椅子を並べただけの野外円形劇場に至ったことで、劇は周囲の風景に完全に溶け込みました。そこには、長山現の考える「芸能としての野外劇」がリアリティを伴って出現し、東京・井の頭公園、大阪・扇町公園にて、とても深い味わいの劇だったという感想を多数頂き、19年の一つの成果を見ることができと確信致しました。

本来、様々な芸能は野外で行われていましたし、今もそれは息づいています。
劇場に比べると、不便なところもたくさんありますが、何かが降りてくるような、場所との一体感があります。もっと大げさに言えば、お客さんとも一体となって、宇宙や土地の精霊や神々たちとの交感さえも可能なのが、野外劇の魅力です。

2010年、そんな野外劇の魅力を、もっともっとたくさんの人に知って頂きたいという願いから、楽市楽座は、「野外劇団 楽市楽座」として、新たな冒険の旅に出ることに致しました。トラック「流星号」、ワゴン車「花と夢号」の2台に舞台装置と家財道具を詰め込んで、日本全国を旅して回っています。

楽市楽座

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

新作「ゆりあげ」は渚の恋の物語
 
波に揺りあげられたクラゲとウミガメ。
満月に照らされ、潮騒に包まれて、二匹は恋に落ちちゃった。
深い溜息、溢れる鼻水、滴る涎、激しい漕ぎ足!
恋に溺れた二匹は、夜に開く妖しい夢の中へ。
今年二人になった楽市楽座のメオトが贈るラブファンタジー!

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2022年6月12日
19時00分〜
上演時間約100分(途中休憩なし・出入り自由)
価格無料 投げ銭制 全席自由

チケット購入方法

直接、会場に行くだけです。
スケジュールは劇団ホームページに記載されています。

客層・客席の様子

男女比は5:5。
子供からお年寄りまで。様々です。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・野外劇
・笑える
・ハッピー
・しんみり

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

劇団、4度目の観劇。野外特設ステージでの、投げ銭無料劇。劇団の背景については、昨年の「うたうように」の感想を読んでいただくとして。

昨年の公演を最後に、娘の萌と、娘婿の佑之助が退団。2人は、佑之助の実家長野で農業を始めたという。それ故、今年からは夫婦二人だけでの旅公演。10年前に観た萌の舞台は、とても印象に残っていて、成長して結婚した萌と家族四人での舞台は、感慨深いものがあった。それだけに、2人での舞台。やはりどこか寂しさは否めない。でも、各地での公演を打つ際の支援者が多くなっているからか、円形の回転舞台に集う客席はほほ満席。歌と踊りと生演奏。そして投げ銭。いつもの楽しい舞台はそのままに。

クラゲのフリカと、ウミガメのエンドンの恋物語。恋…確かに描いているのは「恋」なのだけれど、メオト芝居だからなのか、どこか自然と「夫婦」の物語に見えてしまう。お互いの事情や、願望や、抱えているものや、過去の辛い記憶を持ちながら、少しずつ近づいていく2人。クラゲはウミガメの食べ物だから、魔が差せばエンドンはフリカを食べちゃうかもしれない。それでも、エンドンに食べられてもいいというフリカ。

どこか物悲しさを伴う、どうにもならないものへの嘆きの物語として、少し世界を冷めた目で見つつ、それでも人生に前向きに向き合う物語に思えてくる。娘が巣立ち、今年からは夫婦だけで旅に出る2人。夫婦の今の、少し空虚な、でも確固たる意思みたいなものを表現している。・・・演者の背後を知っているが故の勝手な想像かも知れないけれど、そんな風に感じた、心に染み入るような舞台だった。

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