まだ間に合う公演レポ(2日4時)
●10/2(日)まで 劇団Q+「ワルプルギスの夜」
●10/2(日)まで KAMAYAN「束縛彼女の緊縛彼氏」
●10/23(日)まで 劇団た組「ドードーが落下する」
●10/16(日)まで KAAT神奈川芸術劇場 「夜の女たち」
●11/30(水)まで 楽市楽座「ゆりあげ」

<観劇レポート>やみ・あがりシアター「Show me Shoot me」

#芝居,#やみ・あがりシアター

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 やみ・あがりシアター「Show me Shoot me」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名やみ・あがりシアター
第18回公演 MITAKA "Next" Selection 23rd参加作品
Show me Shoot me
脚本笠浦静花
演出笠浦静花
日時場所2022/09/02(金)~2022/09/11(日)
三鷹市芸術文化センター星のホール(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2012年に旗揚げ。
「ヒトのやんでるところとあがってるところを両方、病気が治ったばかりのようなハイテンションでお届けしたい」
というコンセプトのもとに芝居作りを行う。

やみ・あがりシアター

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

会社での態度からは想像が難しいかと思いますが、
意外と、僕は妻を相方と呼ぶタイプです。
妻も僕をそう呼びます。

誤解を恐れず言いますと、
妻がボケで僕がツッコミです。

驚くなかれ、休みの日は二人でネタを作ったりしています。

無口な僕と内向的な妻ですが、
家ではおもしろおかしいコンビです。

とても幸せに暮らしていました。

隣に、大阪人の夫婦が越してくるまでは。

趣味を中心とした生活を送る人々に、
強大なライバルが現れた場合の右往左往。
はたして好敵手となれるのか。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2022年9月2日
19時30分〜
上演時間120分(途中休憩なし)
価格2500円 初日割 全席自由 整理番号順入場

チケット購入方法

CoRichで予約しました。
当日受付で、現金でお金を払いました。

客層・客席の様子

男女比は6:4くらいで少し男性多め。
様々な年代の客がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・コメディ
・笑える
・シンプル

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

気がつくと、10作目の拝見となる「やみ・あがりシアター」。ついにMITAKA "Next" Selectionに。「選ばれるの、当然でしょ!むしろ遅すぎ。」の勘違いファンのドヤ顔な気持ちとw、「頼むここで、やらかさんでくれ・・・」な余計なお世話の不安な気持ちとが、微妙な空気感で入り混じる、身勝手な私。初日の観客席。吉祥寺じゃない。ミタカだもの。客も、こりゃ演劇ツウ層だなぁ、という感じ。みんな静かに開演を見守る、お行儀良すぎな客席。

観始めて15分。率直なところ「作風変えてきた・・・って事でよいでしょうか?」という感覚。今まで観たやみあがり作品は、抽象的な題材でも、物語、話の骨格がしっかりしていたのだけれど。今回は違う。短いシーン、しかもコントというか、漫才というかをつなぎ合わせたような作品。クスクスと笑いつつも、いつもと違うぞ、な感覚を受け入れるのに必死だったけれど。気がついたら、クスクス笑いし過ぎて、腹筋が痛い。笑が連鎖して、止まらなくなっちゃうあの感覚に陥っていた。MITAKA "Next" Selectionで新しい作風ぶっこんでくるかー。攻めるなー。でも、やみあがりらしい、というか(何が「らしい」のかよく分からんが)。そんな状況でも、飄々と涼しい顔をしている、笠浦静花の顔が思い浮かぶ。(そういえば、勝手に名物だと思っている客席誘導は、今回は万全な誘導体制に囲まれてナシ。受付に立たれていた。)

展開されるのは、社宅に住む人々。その会社を軸に、仕事以外の「趣味」にまつわる断片のシーンを、コント風に仕立てて集めたような作品。カブトムシを取る。ランニングをする。絵本を読み聞かせるボランティア。他人をディスる。とにかく「一日一善」。俳句。。。などなど。趣味にいそしむシーンが、テンポよい転換とともに、次から次へと挟まれる。細かいことは考えずに、ただこれを楽しんでるだけでも、お腹いっぱいになる。これまで観た作品の作風にはない。こんな「やみ・あがりシアター」もあるんだなぁ、という驚きの中の笑い、というのが大きい。

物語の軸になる夫婦は、趣味で漫才を練習していた。しかし、隣に引っ越してきた大阪からきた夫婦の会話が、漫才じゃないのに既に漫才で。それだけで、既に自分たちの漫才より面白くて。強烈な敗北感を味わいつつ、社宅の管理者に夫婦のクレームを入れて、違う趣味を探す。ラスト、吹っ切れた夫婦が、大阪人夫婦と対決しつつ、まぁ面白くなくてもいいか・・・と、"逆に笑けてくる"感覚。・・・まぁ、何だかとても、小さな感情を描いているのだけれど。

あえて口にすべきでない、感じるべき事なのかもしれない。あるいは、私の誇大妄想かもしれないけれど。この物語で描かれている事って、人生そのもの、だったり、何かを創る過程そのもの、なのかな、という風に思えてくる。所詮はこの世は「退屈しのぎ」。カブトムシの取り方を子供に教わる。俳句の詠み方をお年寄りに教わる。あるいは、YouTubeのコメント欄に、ディスるコメント書き込む。結局のところ人生は「退屈しのぎ」でしかなくて。それをコミカルに、シニカルに、表しているのと。敗北感と無力感に陥った夫婦は、結局は自分の感覚で、大阪人を笑かすしかない・・・というか。打ちひしがれてても、何も生まれないという感覚・・・というか。

言葉にすると、とても小さな感情で。何だか急に恥ずかしくなってしまうのだけれど。すごく感覚的に、「退屈しのぎ」の過ごし方・・・要は「人生の過ごし方」を描かれているような。そんな気がした。が、私の気のせいかもしれないけれど。

役者の布陣が完璧。前作「マリーバードランド」から引き続き夫婦役。どこか余所余所しい夫婦役の、加藤睦望と川上献心が、たまらなくいい。冒頭の面白い漫才からの、あの、余所余所しい、穴の開いてしまったような夫婦関係。暗がりのソファーで、噛み合ってない会話がたまらない。その隣で、バリバリの大阪弁。さんなぎと小切裕太の夫婦。ちんちん、って言うののイントネーションが、何にもおかしくないのに笑いを誘う。久保瑠衣香、何だか役がハマり過ぎてて、ちょっと怖い。今までのちょっとお嬢様なイメージが、崩れていく・・・。

あらためて思い返して。これまで観たやみあがり作品との類似だと「じゅうごの春」が一番近いかな、と思うか(これはどちらかというとシリアスだけど)、言ってみて外れてはないものの、シックリも来ない。やっぱり新しい作風で勝負に出てきた、と見るべきかな。三鷹に来る、初見のお客さんにどう映るか。・・・何となく賛否両論別れるような気もするけれど。どんな感想が流れてくるか、追いかけてみたいところ。

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