まだ間に合う公演レポ(26日7時)
●9/27(月)まで コトリ会議「スーパーポチ」
●9/26(日)まで モミジノハナ「危ういながらあなたと、」
●9/26(日)まで ハツビロコウ「夏の砂の上」
●11/30(火)まで 楽市楽座「うたうように」

<観劇レポート>やみ・あがりシアター「うわさにきく風2020-2021」

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 やみ・あがりシアター「うわさにきく風2020-2021」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名やみ・あがりシアター
特別公演
うわさにきく風2020-2021
脚本笠浦静花
演出笠浦静花
日時場所2021/08/26(木)~2021/08/29(日)
吉祥寺シアター(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2012年に旗揚げ。
「ヒトのやんでるところとあがってるところを両方、病気が治ったばかりのようなハイテンションでお届けしたい」
というコンセプトのもとに芝居作りを行う。

やみ・あがりシアター

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

当公演は、10分間の休憩を挟んだ2本立てです。

「うわさにきく風2020」
たいへん! 
暴風警報で電車が止まってるんだって。
でも、ここでは風なんて全然吹いてない。
だから電車を動かしてくれたっていいと思う。
今日は東京でライブがあって、チケットもやっととれて、
すごくすごく楽しみにしてたんだから。

2020年初めに構想されたため、
結果的に架空の設定となってしまった、
東京でライブを開催できる2020年4月の、とある駅の話。

「うわさにきく風2021」
さようなら。
手縫いのマスクをありがとう。
東京の学校で、グローバルなリーダーシップを身につけて、必ず君を迎えに来るぜ。
え、電車、減便なんですか? 聞いてないよ。
明日は入学式なのに。どうしよう…。

東京は諸々ゴタゴタらしい、
私達の知る 世界と地続きの、
2021年4月のおなじ駅の話。

今いる運命のほかに、ありえなかった運命というのがあり、
その間に気圧差が生まれたら、びゅーんと風が吹くでしょうか。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年8月26日
18時30分〜
上演時間(実測)135分(途中10分休憩含む)
価格3500円 全席指定

チケット購入方法

劇団ホームページからのリンクで、PassMarketで予約・決済をしました。
当日QRコードを見せて、指定席引換券をもらいました。
(PassMarketの整理番号は、席の番号ではありませんでした。)

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。
男性は40代upの夏服スーツのおじさん多し。女性は若い方中心でした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・コメディ
・会話劇
・静か
・シンプル

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

やみ・あがりシアターも、ついに吉祥寺シアターに進出。コロナの中で、企画上の諸々の事情を乗り越えて、らしい。好きな劇団が大きな舞台に上っていくのは嬉しい。こういう時、開演前の客席が静かだ…と聞いていたけれど、ホントそうなんだなぁ。とても静かな客席の中での幕開け。

話は、事前のストーリー説明の通り、田舎の駅舎を舞台にした、60分の二つの話。コロナ以前に書かれた「うわさにきく風2020」と、その一年後の駅舎を舞台にした「うわさにきく風2021」。2020の上演に向けて書かれたときにはコロナを前提にしていなかった。だから、2021年の話は、1年後の話なのに、少し事実に歪みがある事が語られてのスタート。

二作とも、アプローチは少し違うけれど、少し前向きになれるような、癒しというかハートフルというか、な作品。ここ何作か観ている笠浦作品では、群像っぽく人々を描くのがどこか「サンカイ」に似ている。個人的には、この作品でやみ・あがりシアターを好きになったので、とても心地がいい。

「うわさにきく風2020」
電車が強風で止まった事で、乗るつもりだった人々が駅舎に集まってきてしまう。復旧の見込みも立たずどうにもならない中、なんとか電車の来ない外の世界に、小さな希望を見いだそうとする人たち。群像劇…というのとは、少し違うのかもしれないけれど、そこに生きている人々が、とても活き活きとしていて。そして「風の便り」のような外にある何かを、どこか底抜けに信じていて。そんな人々が織りなす60分の会話劇。

夢破れて街に帰ってくる有名なミュージシャン(名前忘れた…)を待つかつての軽音楽部の友達。そのミュージシャンのライブに行くために東京に行きたがっている中学生…っていうのがいい。その状況だけで、そのミュージシャンがどんな人か、それ程登場している訳では無いのに分かる。そこに見えない物を見せる・・・というと、ちょっと大げさだけれど。駅舎の物語なのに、駅舎の外の事に思いを馳せさせてくれる。そんな心地よさがあった。

「うわさにきく風2021」
2020から一年後、2021年の春。列車のダイヤ減便で、来ると思っていた電車が、来ない。コロナの「あたらしい生活様式」ってやつの影響らしい。やっぱり駅舎で待つ事になった人々が交わる会話の物語。2020で出てきた不倫カップルは、不倫じゃなくて正式に結婚して新婚旅行に来ている。それを邪魔?している娘(?)。ミュージシャンは駅舎でホームレスをしていて、ちょっと金に汚くなっていて、同級生から衣服なんかのサポートを受けている。ライブに行きたかった中学生は、彼氏…にまだなってない友達が入学式のために東京に出るのを見送りに来ている。

2020とは違って、東京は希望というより嵐の中。マスクがないと行けない場所。いつかは戻るのか、戻らないのか。前半の2020とは「うわさ」の意味合いが逆転しているのだけれど、それでもやっぱり、底抜けな明るさというか、希望を信じる何かみたいなものが作品の中に溢れていた。


外の世界のあり様が、2作では全く異なっているのに。どちらの作品も何だか底抜けに優しいというか、明るいというか。ちょっと前向きな気持ちになって劇場を後にする。すごくいい時間を過ごせた演劇だった。

「うわさにきく風2020」は、上演時間が1時間だし、高校演劇の題材としても良いかな、と個人的には思った。…不倫カップルをどう演じるか、っていう問題はあるかもしれないけれど。

役者さんのグルーヴ感が完璧!なのに、配役表が配られず残念。馴染みの薄い役者さんだと、駅員さんのだるーい感じ、JAの職員さんの調子のよさと、町のご令嬢のマイペース、犬ラーメンのお上さんが印象的。加藤睦望、川口知夏、ウクレレで歌うんだなぁ。劇中挿入歌っぽくて若干のわざとらしさもあったけれど、あの場の雰囲気にはすごくマッチしていて、終演後もメロディが耳に残る。今回、事前にチラシを入手できなかったのだけれど、劇場でもらえて嬉し。

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