<観劇レポート> 虹の素 「失恋博物館Ⅳ」

#芝居,#虹の素,#失恋博物館

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名虹の素
失恋博物館Ⅳ
チームTEAM Aged
日時場所2019/12/25(水)~2019/12/26(木)
スタジオHIKARI

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

Shine the tears.
涙を輝かせる
生きるってことは、こころが動くこと。

私たちの上に広がる空のよう に、絶えず移ろい変わりゆくこと。
晴れの日や、曇りの日や、雨の日があること。
雪の日や雷の日があって、そして時々、奇跡のように虹がかかること。

優しく温かい光だけでは虹はかからない。
冷たく悲しい雨だけでも虹はかからない。

その両方が合わさった時に、そこに虹がかかる。
笑いたいときに笑うのだから、泣きたいときは泣いたっていい。​
だから、雨だって降ればいい。そこに光がさせばいい。その涙も、輝けばいい。

明日は今日よりもいい日に決まっている。って、ずっと思って生きている。
すべての人がそうであってほしいと願っているし、そう思ってほしいと祈っている。
キレイごとに聞こえてしまうかもしれないけれど、
みんながハッピーで、笑っていられる世界になればいいと本気で思う。

​恨みや憎しみで傷つけあうことだけはしたくない。
愛だけで、つくりこもう

[https://www.nijinomoto.com/:title]

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

すべての愛が行き着く先は、哀しみ。

かなしみの伴わない愛なんて、世界中のどこを探しても存在しない。
かなしいということは、そこに愛があったということ。
だとしたらきっと、ここは愛の墓場なのかもしれない。

悲恋だけでなく、くすっと笑ってしまうものや、心温まる物語まで。
甘くほろ苦く、観終わった後に優しい気持ちになれる、
「切ない」短編集シリーズ。

以下の短編です。

TEAM-Aged

『偶然でも突然でもなく』 
作:熊手竜久馬/演出:伊藤綾佳
出演:保木本健太×夏井魚々子

『アンケート File.2』 
作:桜木想香/演出:木之枝棒太郎
出演:伸哉×野澤佑介×北見イノッス(プラスティックな月)

『BAR』
作:三木直史(よこはま壱座)/演出:木之枝棒太郎
出演:平田剛×小山内詩音×佐々木政晴(よこはま壱座)×出店菜生(platform)

『貴方の失恋、飾ります』 
上演:Platform(ディレクター早さきえこ)
出演:住吉美紅×斉藤らいふ×熊手竜久馬(虹の素)

​『ぺルマナント』 
作:桜木想香/演出:桜木想香
出演:伊藤綾佳×木之枝棒太郎

『Reason』(Design & Reason) 
作:熊手竜久馬/演出:木之枝棒太郎
出演:熊手竜久馬

観劇のきっかけ

マグカルのチラシで気になっていました。出演されている方からもお誘いを頂いたので、観に行くことにしました。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2019年12月25日
19時30分〜
上演時間85分(途中休憩なし)
価格2500円 案内に従い好きな位置に座れる

チケット購入方法

お誘いを頂いた役者さんに、チケット手配をお願いしました。当日、受付で支払いました。

客層・客席の様子

男女比は5:5。若い層と、アラフォーの層が、多かったと思います。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・笑える
・コメディ
・泣ける
・SFっぽい

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは、6つの「別れ」や「失恋」に関する短編。

『偶然でも突然でもなく』 
6本のうちこの話だけ、ちょっと状況が掴みにくかった。。。腹違いの息子が、就職か何かで親元を離れる時。義理の母に恋している事を打ち明けつつ去る物語・・・で解釈合っているか自信がないけれど。ちょっと唐突だったし、設定的には「ん?お母さんこんなに若くていいんだっけ」とか思ったりしたので、ちょっと印象に残らなかった。

『アンケート File.2』 
彼女にフラれた後、彼女にアンケート用紙を渡して書いてもらって、受け取って。そのアンケートの回答を、友達2人と、振られた彼と、読み解いていく物語。ありそうで、あまり無ような気もする、面白い設定。劇中の台詞の通り「このアンケート、どの面下げて書いてもらったんだ」というのが面白い。回答の内容もリアリティアリ。特にセックスの話は、生理もオチも含めて面白かったなぁ。

『BAR』
バーで、いつもの気になる女性を、マスターの助けを借りて口説く・・・という、大分ベタなシチュエーションなのに、男二人が、勝手に勘違いして盛り上がっていく。勢いというのかドタバタ感が面白い。オチのつけ方も良かったなぁ。思いっきり、私の座っていた横がバーカウンターになっていて驚き。

『貴方の失恋、飾ります』 
4人の妖精みたいなのが、ある「別れ」のシチュエーションを思い出の品・・・「スーベニア」と共にお遊戯みたいに演じて、再現?していく話。元ネタがある作品なのかな・・・バックグラウンドがあるような気がして、その部分はよく分からなかったけれど。例えバックグラウンドが分からなくても、何だかお話全体がコロコロしていて面白い。よく分からないけれど、ケタケタ笑ってしまう感覚。

​『ぺルマナント』 
失踪した女子高生。ある男と山で生活していて。実はその二人は、永遠の命を与えられた男と、永遠の魂を与えられた女の宿った人だった。女子高生の弟が、その真実を追うために、三流オカルト系出版社の二人と、跡をたどる話。短い時間なのに、壮大な物語を描き切る感じが爽快。ああ、そういう二人の「別れ」もあるよなぁ、と。ちょっとおとぎ話のような世界に身を委ねてしまった。

『Reason』
一人芝居。母のお腹の中で死んでしまった子と、父。明日、死んでしまった赤ん坊を手術して摘出する。その最後の家族の1日を、モノローグにした作品。・・・これと同じ実体験がある私としては、もうどうにも涙が止められなかった。「余計な事、思い出させやがって!」と、ちょっと恨めしい気分にもなった。でも、作品としては、あの時感じた感情を、かなり近い感覚でトレースされたような気がして、・・・楽しくはなかったけれど、無視できない作品になった。役者さん、とても上手い。

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今回のステージは、客席が、ない。劇場に入るなり、好きなところに座っていいよと、劇中も出てくる妖精?たちがうろうろしながら、案内してくれる。劇場空間はこんな感じ。


・・・これ、ステージじゃなくて、客席も兼ねている。灰色の所と床面には座ってもいい。椅子が欲しければ、言えばもらえる。役者さんは、座っている客の間を縫って芝居をする。照明がついている時は、客は座る位置を移動してもいい、という案内がある。

観劇中に、出演者が近くに来るし、・・・気が付けば自分の真後ろで演技するから、振り向いたり、一度床に座ったりしないと、観えない。そんなスタイルの中、客は思い思いの場所に座って、芝居を観るスタイル。見渡すと、あちこちに座って思い思いに観ている客の姿も目に入り。・・・クリスマスという事もあっての連想か、何だか途中から、暖炉の前にみんなで集まって、失恋話の千夜一夜を聞いているような、そんな気がしてきた。失恋話なのに、暖かい空間。役者さん、のみ、が立てる空間は高低差もあって迫力もあり、空間全体を使って物語を表現している感覚。クリスマスの夜、愛おしい空間が展開していて、とても楽しめた。

役者さん。演技の巧さは、人によって結構差がある印象で、粗削りな表現だなぁ、という感覚は否めなかったけれど。ここまで空間を創り込まれると、そんな事はあまり気にならなくなっていく感覚もあり。今回、「失恋博物館Ⅳ」という事で、多分4回目なのだと思う。来年のクリスマスも、失恋博物館は、開館するとの事。毎年の、恒例行事にしてしまいそうな、癖になりそうな芝居空間だった。

そうだ。客入れにピエロがいた。コインを置け、と書いてあったので、100円玉を置いたら、筒を転がすのを見せてくれたけれど。本当は100円玉は不要で、「COIN」って書いたCOINを置けばよかったらしい・・・。

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