【観劇レポート】ジャパニーズ生活「目醒め」
【ネタバレ分離】 ジャパニーズ生活「目醒め」の観劇メモです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | ジャパニーズ生活 |
回 | ジャパニーズ生活第4回公演 |
題 | 目醒め |
脚本 | 榎本純 |
演出 | 榎本純 |
日時場所 | 2025/07/23(水)~2025/07/27(日) 小劇場B1(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
脚本家・俳優である榎本純が立ち上げたユニット。 「笑えるけど、なんか切ない。」をテーマに掲げ、 等身大な人物たちの日常に巻き起こる事件の解決へ向けて、必死に奔走する姿を笑いと共に描く。
周囲からは「半なまのリアリティから生まれた日常の喜劇」などと評価されている。
最近は日常から地続きで始まる会話劇を主に創作しています。
過去の観劇
- 2024年01月06日ジャパニーズ生活 「平成の夢」
- 2023年05月01日ジャパニーズ生活「若者ダチへ」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
10年前の初夏。
廃校になった小学校の校舎裏にある公園。
そこに集まった私たちはまだ大学生だった。振り返ってみれば、
どうしても忘れたいことよりも、
どうしても忘れたくないことが多すぎて。
会話のキャッチボールじゃなくてドッチボールになりそうだけど、
できたらあの頃の私たちに投げかけてみたい。いつか風が吹いて、ふと背中を押されて。
私は私の力であなたはあなたの力で
少しだけ未来が変わったりするんだと思う。今回は今の私たちとあの頃の私たちで描いてみる、
ビルドゥングス・ロマン風のSF喜劇。「君の代わりなんてどこにもいるわけないじゃないか!」
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2025年07月23日 19時00分〜 |
上演時間 | 120分(途中休憩なし) |
価格 | 4300円 全席自由 |
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
2015年雅は、鳥人間コンテストの準備をしている。航空研究部のから追放された友達は、機体の準備に困っているけれど、書類審査も通って頑張って準備するだけだ。でも、たまに変な人他の影を見かける。演劇部の結子も絡みながら準備を進めるが、雅はコンテストに向かう途中、交通事故で死んでしまう。2025年の結子は、たまたまタイムマシンの発明を知り、大人になったかつての友達と共に、雅が死なないように過去を変更しに行く話。
この人タイムリープしてきてるんだろうなとか。この人タイムトラベルの管理人なんだろうなとか。よほど鈍感な観客じゃない限り冒頭で物語はある程度見える。読めることは想定範囲内だとすると・・・緻密なタイムリープモノを狙ったわけではないのだろうけれど、全体的に「雑さ・粗さ」が悪目立って、むしろ面白さを生み出しそうな雑さ・粗さを生かせていない感覚。
タイムリープして戻ってくる「歴史的なポイント」がよく分からないというか。仮に思い出のポイント、歴史を変えるポイントだとしても、何故そこを選んだのかなぁ、というのが一向に見えてこない。公園を別の角度から見ている、という舞台セットの転換のアイデアは面白いけれど、だとすると常に公園で物語が展開する、その必然性みたいなものが欲しい。バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作で例えるなら、どう頑張っても1955年を外せない的な必然性の描写が無い。
時代をまたいだ同じ人物が、(当然同じ人物が演じて)出てくるけれど、特に何も変わっていないのもちょっと残念。ちょっとでも差をつければ、それだけで笑いをとれる気もする。(そのうえで、何度も往復するとき、間違って出てきちゃうとか・・・ベタだけれど)。もっと生かせる「雑だからこそ出来る魅せ方」がある気もするが、観ていると単に雑な演出に映る。
ラスト。天使の輪をかぶせるのは好きだけれど、手紙を渡したのはお姉さんか・・・。お姉さんってそこまでの物語で出てきてたかな。あまりに唐突でえっ、て現実に引き戻されてしまう。
総じて物語が雑で粗くて、今一つ世界観に入れないままバタバタと展開して終わってしまった。いつもの「榎本節」、どうしちゃったんだろう。
役者さん。初めて観た気がするが、小川結子の演技が印象に残る。黄色い服を着ていると、確かにピーナッツのウッドストックに見える不思議。