【観劇レポート】階「それは、満月の夜のことでした」

#芝居,#階

【ネタバレ分離】 階「それは、満月の夜のことでした」の観劇メモです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名
途の階公演
それは、満月の夜のことでした
脚本久野那美
演出久野那美
日時場所2025/07/29(火)~2025/07/30(水)
WAKABACHOWHARF若葉町ウォーフ(神奈川県)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

途の階
は、箱の階から始まる階ユニットの2025年ver.です。
大阪、京都、東京の俳優とスタッフによる演劇ユニットです。
2025年7月30日、公演終了と同時に解散します。今年の夏は、40分の小さなひとり芝居を持って東へ旅をします。

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

40分の小さな一人芝居。

夜。コンビニの帰り道。坂道で大きな丸い月に会った。
月は、道の幅いっぱいに大きな音を立てて転がってきて、
私の目の前で止まった。
私は月に話しかける。月は何も答えない。
無口な月。私は話し続ける。
あるかもしれないしないかもしれない食パン工場について。
月は黙っている。私は話し続ける。そして…

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2025年07月30日
14時30分〜
上演時間40分(途中休憩なし)
価格2500円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

一人芝居。夜。コンビニに買い物に出たら、そこには満月がいた。満月に立ちはだかる形で話す男。この先にはパン工場がある。私は行ったことがないけれど、働いている女性から聞いた。その工場の様子。パンのみみがなるべく出ないようなパンを作っていたり、24時間交代制で休まず操業している話、など。・・・でも、それはその女性の作り話だった、と。そんな、実在するのかしないのか、よく分からない話を月としていたら、「ここは私の通り道だから」と言う月。月に通り道をあけると、その道を進んでいく。至るところに月の通り道はある・・・というお話。

団体初見。一人芝居。哲学的というのか何というのか。問うてもないのに、舞台客席方面にある月と語りだす男。劇中に登場するパン工場のような、存在するのか存在しないのかよく分からないものを頼りに人は生きている・・・という感覚だろうか。でもしかし、天体の運行や月の通り道にあるとその営みが嘘でも本当でもさして違いはない。壮大なものを道端のちっぽけな会話の一人芝居で描いている・・・ように感じたが、ハイコンテクストで抽象的なものを語っているので解釈には自信がない。具体的な言葉で綴られる、明確に意味は分かる芝居ではあるのだが、どこかシュレディンガーの猫のような話をされているように感じる。

七井悠の舞台を埋める存在感は、事前にどこかで読んだ噂どおり凄いなぁと思うものの。物語と合わせた時の演劇としての納得感までには、何か一つ二つ要素が足りていないように感じる。劇的でない・・・と言ってしまえばそれまでなのだけれど。朗読劇でもなくパフォーマンスでもなく、演劇だから。劇的なるもの劇薬なるものが味付けとして欲しい。おつまみを切らして飲んだ酒のような一抹の物足りなさ、寂しさがあった。

舞台#芝居,#階