【ネタバレ分離】 ド・パールシム「欲情と微笑」の観劇メモです。


もくじ
初回投稿:2025年12月14日 15時48分
最終更新:2025年12月14日 15時47分
公演前情報
公演・観劇データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 団体名 | ド・パールシム |
| 回 | ド・パールシム#3 |
| 題 | 欲情と微笑 |
| 脚本 | 新井孔央(ド・パールシム) |
| 演出 | 新井孔央(ド・パールシム) |
| 日時場所 | 2025/12/10(水)~2025/12/14(日) 小劇場楽園(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
新井孔央(脚本家・演出家)と草加陽子(俳優)による演劇ユニット。
2023年に東京大学で旗揚げ。
人間の逃れられない自意識と最低で切実な性愛を通じて
生と死に挟まれた私たちの世界を
濃密な会話で描き出す。
過去の観劇
- 2024年12月06日 ド・パールシム「斜陽族」
- 2024年01月31日 劇団ド・パールシム「流れる羊」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
世界のどこか。国々は分裂し、互いに統一を図っていた。
ある小国は、滅亡の危機に瀕していた。長く続く戦争や腐敗した政治で国は荒れ、性と欲望に乱れていた。
その国の若い王に、隣国の女が嫁いだ。彼女は一切笑うことがなかった。彼女の隠された笑顔とその魅力は、次第に国を飲み込んでいった……
人々の心の深くを抉り出す、濃密な「愛」と「性」を巡った、愛憎会話劇。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
| 項目 | データ |
|---|---|
| 観劇日時 | 2025年12月12日 19時00分〜 |
| 上演時間 | 120分(途中休憩なし) |
| 価格 | 3800円 全席自由 |
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ド・パールシム「欲情と微笑」
どこか架空の「南の国」の王室。あまり聡明ではない王と、従者の夫婦と、軍人と「中の国」から来た王の后と王の妹と。「北の国」が今にも攻め込んできそう。そんな中で、従者の妻の部屋を舞台に、次から次へと起こる愛憎を描いた物語。
劇団3度目。これまでの作品も人間の愛憎と性を描く作風で今回も同様。どこか仮想的な…あまり現実味はない王室をめぐる物語だが、設定そのものに深い意味は無いのかもしれない。人間の愛憎だったり性欲だったりを、秘めたるものの開示として粘っこく描く。あんまり見たくはないけれど、でも人間なんてそんなものよね…という妬みや性欲が表現される。とはいえ性的な表現に直接的なものはほぼないので、直接表現が苦手な人にも観ることができる。人間の陰の部分・嫌な部分を描くことにこだわる作風。観ていて息苦しくなる部分もあるけれどその描写は上手くいっているなぁと思う。
一方その愛憎から何かしらの命題のようなものを観客が受け取れるのか…というと、そういう感覚は余りない。単純に人間の本質的なものをプラグマとして描写している舞台。小劇場に作品を書いている人間の嫌な部分を描く作家と比較を考えると、例えば鵺的の高木登などが思いつく。氏のがよくテーマにする近親の愛憎、それを第三者として観ている観客が嫌でも自分の中の感情を再認識させられる、…そんな感覚は全くなくて。あくまで事実としての愛憎や性が描かれているなぁ、とも思う。
まだ旗揚げ間もない団体なので今後変化は期待するものの、愛憎だけを描いていくと「昼メロドラマ」あるいはかつて大映テレビが制作していた大げさなドラマのような路線になってしまう気もする。愛憎を描いて尚、その事実からどのように異化効果的な観方を引き出すのかが、今後気になるところ。



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