もくじ
初回投稿:2026年04月10日 9時42分
最終更新:2026年04月10日 9時42分
公演前情報
公演・観劇データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 団体名 | iaku |
| 題 | 粛々と運針 |
| 脚本 | 横山拓也 |
| 演出 | 上田一軒 |
| 日時場所 | 2026/04/09(木)~2026/04/19(日) 三鷹市芸術文化センター星のホール(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
about iaku
2012年3月に、劇作家・演出家の横山拓也が演劇ユニットとして立ち上げる。同年6月に『人の気も知らないで』で旗揚げ公演。2018年7月、一般社団法人iakuを設立。現在は大阪と東京を拠点にして創作活動を行なう。緻密な会話が螺旋階段を上がるようにじっくりと層を重ね、いつの間にか登場人物たちの葛藤に立ち会っているような感覚に陥る対話中心の劇を発表している。間口の広いエンタテインメントを意識しながら、大人の鑑賞に耐え得る作品づくりを心掛け活動中。当初は、『人の気も知らないで』『エダニク』といった小品(いずれも出演者3人)をもって、小回りの効くミニマムな編成でツアーを行なうことが多かった。最近は、キャパシティ200〜300名程度の劇場での巡演も積極的に実施している。2017年『粛々と運針』『ハイツブリが飛ぶのを』で大阪文化祭奨励賞を受賞。2021年『逢いにいくの、雨だけど』の再演で第29回読売演劇大賞上半期作品賞ベスト5選出。2019年初演の『あつい胸さわぎ』では、主演の枝元萌さんが第27回読売演劇大賞優秀女優賞受賞、2023年には、まつむらしんご監督によって映画化された。
過去の観劇
- 2025年06月28日 iaku「はぐらかしたり、もてなしたり」
- 2024年07月19日 iaku「流れんな」
- 2023年12月03日 iaku「モモンバのくくり罠」
- 2023年04月21日 iaku「あたしら葉桜」
- 2022年11月07日 劇団俳優座「猫、獅子になる」 ・・・「#iaku」のつづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
子どもをもたないことを約束して一緒になった夫婦に妊娠の気配。二人で住むのにちょうどいい一軒家を建てたばかり。どこからともなく猫の鳴き声がするけど、夫は交通事故で頚椎を痛めており、探せないと言う。一方、入院中の母親の見舞いを終えた兄弟。まだ治療の余地があるにも関わらず、尊厳死を選ぶと言い出した母親に頭を抱える。病室にいた「金沢」と名乗る高齢の男性にそそのかされたのかもしれない。一体あの人は誰なんだ?二つの平凡な家庭に突如噴出した命にまつわる葛藤を、周到な会話の応酬で描き出す。2017年、新宿の小さなギャラリーで誕生した『粛々と運針』は、2022年にPARCO PRODUCEでも上演。また、本作を原作に小説「わがままな選択」(河出書房新社)も出版された。初演から9年、横山の作品づくりにおける腹心、上田一軒の演出によって新たな手つきで上演する。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
| 項目 | データ |
|---|---|
| 観劇日時 | 2026年04月09日 19時30分〜 |
| 上演時間 | 95分(途中休憩なし) |
| 価格 | 4500円 全席指定 |
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
子供を持たないと決めて結婚した夫婦が思わぬ妊娠に直面する話と。膵臓に癌が見つかって入院した母が「安楽死」を望むと息子二人に突然言って、そのことで悩む中年の兄弟の話。二つの話は全く違う空間の物語なのに、途中から突然に混じり合って会話をしだす。…その様子をどこか俯瞰的な視点で眺めている…お腹の中の子供と、死にゆく母の物語。
9年前に初演。再演、小説家も経ての再々演?とのことも、作品初見。最初はそれぞれの話が独立しているように思えて、はじめはちょっとまどろっこしい。二つの物語と、後ろにいるよく分からない二人との接点が想像出来ななかったのだけれど。本来会話するはずのない二組が、突如(あまり論理的でなく)会話をしだすことで絡み合ってくる。…テーマとしては目新しいわけではなく、むしろこれまで何度も語られてきている安楽死や女性の出産の問題なのだけれど、途中で交わって会話する二つの物語の構成と会話の組み立て方ががなんとも秀逸で、観ていて「うむむ」と唸ってしまう。
iaku横山拓也の物語はいつもどこか、舞台で展開される世界全体を包む優しい眼差しの存在を感じるのだけれど…今回はあまり感じず、で驚き。むしろ、舞台後方にいる…お腹の中に宿した子供と死にゆく母が、それを提供しているのかもしれない。「課長代理」から「課長」になることを夢見ている妻の眼差しに代表されるような「私の人生を生きる」事を真剣に考える事と同時に、産まれないかもしれない子供のフワフワした存在感を観ていると、全てに対して優しさなんて無理なのかなぁ…などとも思う。それ故の、いつもの優しい眼差しの欠如なのかもしれない。
最初は意図がわからない舞台美術が、後半になって特に秀逸に見えてくる。舞台面に投影されるリングの影がとても印象的。





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