<観劇レポート>iaku「あたしら葉桜」
【ネタバレ分離】 iaku「あたしら葉桜」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | iaku |
題 | あたしら葉桜 |
脚本 | 横山拓也 |
演出 | 上田一軒 |
日時場所 | 2023/04/15(土)~2023/04/23(日) 三鷹市芸術文化センター星のホール(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
劇作家・横山拓也による演劇ユニット。緻密な会話が螺旋階段を上がるようにじっくりと層を重ね、いつの間にか登場人物たちの葛藤に立ち会っているような感覚に陥る対話中心の劇を発表している。間口の広いエンタテインメントを意識しながら、大人の鑑賞に耐え得る作品づくりを心掛け活動中。
過去の観劇
- 2022年11月07日 劇団俳優座「猫、獅子になる」
- 2021年10月29日 iaku「フタマツヅキ」
- 2021年04月22日 iaku「逢いにいくの、雨だけど」(2021年再)
- 2020年10月29日 iaku 「The last night recipe」
- 2020年01月15日 劇団俳優座「雉はじめて鳴く」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
娘の見合い相手の態度が気に入らない母。娘の気持ちも煮え切らない。母の部屋で、娘の結婚を巡ってとりとめのない会話が繰り広げられる(『葉桜』あらすじ)。 大正時代、岸田國士が妹のお見合いを題材に書いたと言われる戯曲を、現代の恋愛観、結婚観に準えて再構築。 “アイネキュッヘンシャーベ”が逃げ込んだ和室で、海外赴任が決まった恋人のことを相談しているうちに、母と娘は自分たちの歴史や未来について思いを馳せる。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2023年04月19日 14時00分〜 |
上演時間 | 75分(途中休憩なし) |
価格 | 3500円 全席自由 |
観た直後のtweet
iaku「あたしら葉桜」75分、含小休止5分
前半1/3は岸田國士「葉桜」の朗読。後半は同作アレンジした横山作品。現代ならではのあのシチュエーションが出てきた時はドキッと。母娘の感情描くのは、あつい胸騒ぎを思い出すも。やっぱりiakuにはもっとすごいの求めちゃう自分がいるなぁ。オススメだけど。 pic.twitter.com/vsATthkS3h— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) April 19, 2023
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
※文章書くのが不調で、しっかり書き上げる余裕が取れないため、当面は感想のメモだけ残しています。後々振り返って、もう少しちゃんとした文章に仕立てあげるかもしれません。
前半、岸田國士作の「葉桜」の朗読。後半は、そのお話を下敷きにした横山拓也作の「あたしら葉桜」。お見合いの相手と結婚するかも・・・でも、相手はドイツに行くことになっていて、どこか素っ気なくて危うげなところがある。そんな不安に揺れ動く心をひた隠しにする娘と、心揺れながらも見守る母の二人芝居。
岸田國士の戯曲。20年くらい前に読んだ記憶があるけれど、あまり頭に残っていなかった。朗読を聞いていると、あーそんな話あったなぁな感覚が蘇る。劇中舞台には登場しないけれど。素っ気なない男、の感覚って何となくわかる気もする。
一方「あたしら葉桜」の方は現代。ゴキブリとの闘いを経て、その後明らかになる結婚の形。娘の相手はどうやら女性。要は、レズビアンのカップルだという事が分かる。あれ、「葉桜」を現代に置き換えただけかな?と思うも、そのあたりの会話でハッとする。
母が娘を想い、娘は定まらぬ未来を見ている。どこか「あつい胸さわぎ」を思わせる展開。横山さんは、母娘の微妙な感覚を捉えるのが、とても上手いなぁ、と思う。
ただ、最近のiaku、横山拓也作品に感じるのは、もっともっとすごいの出してくれるだろう、という、観客として感じる飢餓感。私には「逢いにいくの、雨だけど」を観た感覚が忘れられないし、他の劇団が上演していた「人の気も知らないで」が心に沁み込んで残っている。そんな事言うのはばかげているとは知りつつも、やっぱり、もっとすごいものを求めてしまって、どこか物足りなさのある観劇になってしまった。
役者さん。多分はじめて拝見する、松原由希子。なんだか、たたずまいがとてもいい。畳の上の歩き方が美しい。演劇よりテレビの方が多い役者さんだろうか。とても印象に残り。