【ネタバレ分離】 ポッキリくれよんズ「劇的」の観劇メモです。


もくじ
初回投稿:2026年05月01日 23時37分
最終更新:2026年05月01日 23時41分
公演前情報
公演・観劇データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 団体名 | ポッキリくれよんズ |
| 回 | ポッキリくれよんズ 第10回公演 |
| 題 | 劇的 |
| 脚本 | 村上式部 |
| 演出 | 石橋啓太郎 |
| 日時場所 | 2026/05/01(金)~2026/05/05(火) 浅草九劇(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
ポッキリくれよんズとは?
大阪の学生演劇出身メンバーが、2017年に東京で結成した劇団。2023年よりさまざまな出自から劇団員/サポートメンバーが新たに加入し、現在10名で活動中。
ユニークな構成とシチュエーション、解像度の高い会話の積み重ねを通して、
20〜30代の夢と悩みと希望と諦めにまつわる作品を創作する。
過去の観劇
- 2025年05月02日 ポッキリくれよんズ「オールライト」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
2026年GW、長野県長野市の杜鷲大社(とわしたいしゃ)と市街地を結ぶ旧道で乗用車の滑落事故が発生、3名が死亡した。
舞台は彼らが営んでいた市内の個人商店。
遺された家族が集まり葬式の準備が進む中、事故のことを知るという来訪者がやってくる。ポッキリくれよんズの第10回公演は、彼らをめぐって巻き起こる家族劇。
久方ぶりの再会、親族の諍い、そして事故の真相。
きっと「劇的」な一夜になるに違いない――
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
| 項目 | データ |
|---|---|
| 観劇日時 | 2026年05月01日 19時00分〜 |
| 上演時間 | 105分(途中休憩なし) |
| 価格 | 4500円 全席自由 |
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
劇的
亡くなった3人は…老いた父母とその長男。長男は15年前に家を出たはずだったが、再開した後に偶然の事故で亡くなった。その葬式に集まる、家を出た父(長男)の息子娘たちと、その結婚相手や、その子供たちと…父の再婚相手。通夜の夜、突然3人を亡くしたことで明かされる物語を…演劇の脚本のネタにならないかと取材しにやってきた男が見ている。通夜の夜に明かされる、脚本家の男の目によって語られる、ひょっとしたら「劇的な」物語。
劇団二度目。前回が面白かったので観劇。結果的にはとても面白かったのだけれど、前半は…えっこんなの続くの、どうしようか、正直と思った。上記のストーリー記載が多分あまり的を射ていないくらいに、人間関係が複雑なので、会話の中からをそれを理解するので精一杯。どうしても「人間関係説明してます」的な物語に見えてしまうのと。「脚本を書くために取材しにきた男…という、「あー脚本家自身が舞台に登場しちゃう演劇あるある」な物語。ただ、その「脚本家」が、明かされていく家族の様子を、どこか淡々とした目で見ているのがこの物語のキー。「第三者的な視点で家族の様子を見ていると全然気持ちが動かないのに、それをネタにして脚本書いて、他人の感情を動かそうとしている…」という事に、むしろ極端にまで冷めた形で"ドキドキ"している…、と脚本家自身が女優に吐露する辺りから、物語がひっくり返って見方が変わってくる。
この家で起きたことは、正直なところ日本中に吐いて捨てる程ある物語だと思う。その物語が、特に後半の舞台で真実が明かされるに従ってしっかりと感情的に描かれるにもかかわらず、「虚構にすること」に対して極端なまでに"冷めて興奮している"脚本家の目を通すと、とても重大なことが家族に起きているのに、どこかのっぺりとした「どうでもいいこと」が起きているように見える。でも脚本家はまさにこの出来事を「劇」にして、「劇的」な効果を狙っている。。。。気がつくと家族の物語の緻密な演技に想いを馳せつつも、それはどこまでも虚構でしかないという、とても冷めた目まで客席に植え付けている。。。。
「劇的」って言葉、私も感想書いていてよく使ってしまうけれど、ついつい使ってしまう「劇的」という言葉に、「それって一体なんだろう」…みたいな自分へのツッコミを入れてしまう。しかしこの演劇を観ていると、家族の群像劇とは別にとても冷めた目線で「異化」の視点も持っている「劇的」さを知っている自分がいることに驚かされる。…引いた目線で見れば単純な家族な物語で、例えば鵺的の高木登が描く世家族とかと比べると「ドロドロとした」モノはないにも関わらず、現実と虚構と創作との間に三重ひねりくらいしている物語がむしろ気持ち悪いほどドロドロしている。なかなかに興味深い作品だった。
舞台の転換点、劇作家が「日曜の昼にフジテレビあたりで放送しているドキュメンタリーの方が、むしろ虚構より面白い。だってドキュメンタリーって完全に作家性のあるエンタメだから。」というセリフが印象的。多分NONFIXあたりの事を指しているのだろうけれど、だいぶ前に、ドキュメンタリー監督の森達也が、同じことを言っていたのをふとおもいだす。家族の群像劇が、後半とにかく緻密だからこの構造が成立する訳だけれど、長年亡くなったおじいちゃんを介護してきた紗來がとても印象に残り。


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