観劇

【観劇レポ】神奈川県演劇連盟「THRESHOLD」

【ネタバレ分離】 神奈川県演劇連盟「THRESHOLD」の観劇メモです。

初回投稿:2026年04月25日 7時49分
最終更新:2026年04月25日 7時49分

公演前情報

公演・観劇データ

項目 データ
団体名 神奈川県演劇連盟
TAK in KAAT 神奈川県演劇連盟
THRESHOLD
日時場所 2026/04/23(木)~2026/04/26(日)
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

正式名称:「一般社団法人 神奈川県演劇連盟」。
略称:「TAK」(Theater Association of KANAGAWA)

1960年結成。神奈川県内で活動する地域団体および個人会員によって構成。
2024年、一般社団法人となる。

神奈川県演劇連盟

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

ひとつの空間に並ぶ、三つの扉。
その"敷居(THRESHOLD)"は、内と外、日常と非日常、過去と未来のあいだにある小さな境界です。 同じ舞台装置を前に、神奈川県演劇連盟の四団体がそれぞれ30分の物語を立ち上げます。 変わらないのはセットだけ。その先に広がる世界も、関係も、温度も、すべてが異なる。 共有された一つの空間から、四つの想像力がまったく違う"境目"のドラマを生み出す。 演劇の可能性を凝縮した、120分の実験劇場です。

■演劇プロデュース螺旋階段
『明日、また、明日。』
40歳、ワンルームで一人暮らしをする女。
扉の向こうから聞こえる家族のある暮らしの声に、心は静かに揺れる。
閉じたはずの記憶がふいに立ち上がり、部屋にはいくつもの気配が満ちていく。
扉の前で、彼女は立ち尽くす。明日は今日の続きなのか、それともーー。
『明日、また、明日。』は、ある一日の終わりを描く物語。

脚本/演出:緑慎一郎
出演:村井彩子、ナカムラユーキ、内海詩野(演劇集団 壺会)、岡本みゆき(ミユキーズ)、木村衣織

■theater 045 syndicate
『鹿』
今回私たちが上演させていたたく『鹿』は、2012年に制作家協会東海支部「劇王IX」にて初演され、作・演出(出演も)の平塚さんが「劇王」の称号を勝ち取った歳曲です。
短編演劇ならではの自由さと可能性にあふれ、衝撃を受けた作品です。
いつかまた見たい、そして自ら演じてみたいと思っていた演目です。
力が抜けて、不条理で、ちょっぴりコワくて笑っちゃう。
そんなオイスターズの真骨頂とも言えるこの『鹿』というお芝居を、ウマ年の今年、 theater 045 syndicateのおじさん二人で上演します。

脚本:平塚直隆(オイスターズ)
演出:中山朋文
出演:今井勝法、中山朋文、北澤小夜子(劇団Q+)

■劇団スクランブル/クエル・ペッパー
『presentation』
新しいものが出来た時、とにかく多くの人に、知ってほしい、見てほしい、触ってほしい、使ってほしい、買ってほしい。そして名声と富を手に入れたい。などと思うと思います。
しかしそのためにはまず説明が大事です。その新しいものが、多くの人にとってどれほど必要で、どれほど興味を持ってもらえ、どれだけの金額を財布から出していただけるか。
資料や口頭ではイマイチなので、実際に見て、触って、使ってもらいながら説明します。
疑問、不満、馬声を浴びせられてもとにかく説明します。

脚本/演出:坪井俊樹
出演:中根道治
、竹内もみ、中島玲奈、新菜鈴果、環ゆら、磯村アコ、市原ユウイチ
は劇団スクランプル

■劇団820製作所
『物語の書き方(仮)』
あらすじはこうです。
ある物語をどう書くか、議論を重ねる人々がいます。
てんでばらばらな意見に引き裂かれ、物語は当初の熱を失い、かたちを変えていきます。
かれらが何者か、何のためにそんなことをしているか、明かされることはありません。
語られるのは戦争のこと、人類の引き受ける問いの大きさ、あるいは森の奥でかれらが何と出会ったか。
いいえ、そもそも、ぜんぜんちがう話になるかもしれません。

脚本/演出:波田野淳紘
出演:朝廣亮二、安藤麻吹(しまだプロダクション/マノンラヴァンド)、江花実里(架空畳)、加藤好昭、亀尾建史、小谷真一、小山利英、馬場玲乃

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目 データ
観劇日時 2026年04月24日
14時00分〜
上演時間 135分(途中休憩なし)
価格 3500円 全席指定

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

THRESHOLD

神奈川演劇連盟の合同公演。今回は4つの劇団が30分の短編を上演。なかなかに満足度高し。短編の連作で星5は珍しい。舞台上に3つのドアがあり、全ての作品でドアが使われる演出と、どの作品もいろんな意味での「シュールさ」満載なのが4作の共通点。ドアは、どこか「モンスターズ・インク」で登場するようなドアみたい。

上演順に各作品のメモ

theater 045 syndicate「鹿」
theater 045 syndicateが以前も上演として取り上げている(劇団)オイスターズの作品。奈良公園?の団体バス駐車場で、バスから出れない高校生(っぽい制服を着た男子)と休憩できない運転手の話。なかなかに摩訶不思議なシュールさ。ひょっとすると、あの幼くてちょっと引きこもり気味な高校生の成長と、世間の荒波に飛び出る話…なのかもしれないが無数に解釈は存在しそう。今井勝法の高校生がハマりすぎてて怖い。

劇団820製作所「物語の書き方」
哲学者ハイデガーと(おそらく不倫相手の女性)ハンナ・アーレントの物語。ハンナがユダヤ人でかつハイデガーが一時期ナチス党員であったことを、ハイデガーとハンナをそれぞれ3組の男女が3役を演じて、それぞれが時代性をまといながら、過去の「物語」として振り返る作品。状況が掴めるまでちょっと時間かかかったものの、この3組6人の役者たちは同じ1つのカップルについて描いているのだ…という事に確信を持てたところで、ストンと腹落ちしてフムフムと唸る。とても面白い。その「物語」が一体何なのか…という事についてはあまり触れられていないのだけれど、「そこに物語がある」という事を「物語」にしているのが作品。ハンナにとっては、ハイデガーとの記憶は、ナチスと関連しつつある種の辛さをまとわっているのだけれど、3組6人が交差しつつ過去を懐古する物語にすることで戦争や差別に翻弄された切ない想いを浮き上がらせる。軽い演出とは裏腹に、気が付くととても重い作品だった。高校演劇にも向きそう。(男3女3+男2計8)

劇団スクランブル/クエル・ペッパー「presentation」
理想の結婚相手を(3D人形的に)浮かび上がらせてしまう扉の体験即売会の会場的なところで、ステージに上げられて体験することになってしまった男の物語。坪井俊樹らしいクスクス笑が増幅していくめちゃくちゃシュールなコメディ。通販に利用している映像の撮影現場にしている構造が良い。

演劇プロデュース螺旋階段『明日、また、明日。』
40代?、不幸続きの女、千春。家で塞ぎ込みながら動画を見ていたら…その頭の中にて出てくる人々が、脳内で会話を始める物語。これまでの緑慎一郎作品とはまたちょっと違うテイストで、シュールでコミカルでありつつもちょっと涙も誘う内容が面白い。頭の中に出てくる人々が後ろで着替えをして、女の想像の中に出てくる光景を演じるために準備しているのがいい。岡本みゆきの七変化、これまでナッパ服の事務員から殺し屋まていろいろ見てきたけれど、制服姿は初めて見た。以前の同劇団の作品「残響に沈んでいく」で拝見した村井彩子の、どこか幸の薄い状況の千春がハマりすぎていて怖い。高校演劇の題材としても良さそうな作品(女4男1計5)。

タイトルとURLをコピーしました