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<観劇レポ>feblaboプロデュース「あゆみ」8人の語り部が、ある女の一生を表現する舞台。

#芝居,#feblabo

ある女性の一生に焦点をあてた、人生と人間に対する表現の舞台。

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どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。
feblabo×シアター・ミラクルプロデュース「あゆみ」を観てきました。

観劇前データ

公演データ

feblabo×シアター・ミラクルプロデュース
「あゆみ」
2018年12月15日 (土) ~ 2018年12月26日 (水)
@新宿シアター・ミラクル
脚本 柴幸男(ままごと)
演出 池田智哉(feblabo)

観劇データ

日時2018年12月20日 20時00分〜
上演時間90分(途中1分休憩あり。トイレは不可。)
キャストとことこver.
★★★★☆(4/5点満点)

客席の様子

四角い舞台を、四方から客席が囲む構造。基本、どこに座っても均等に舞台を観ることができる。観客は、シニア層、サラリーマン風の人から若い人まで様々でした。

劇団紹介

公式ページには、あまり情報がなくて、この情報のみ載っています。

東京を中心に演劇の創作をする池田智哉のソロユニット、feblabo(ふぇぶらぼ)。

http://feblabo.net/
ですが、こちらを見ると、かなりの回数公演を重ねているようです。
https://stage.corich.jp/troupe/3514/stages

ストーリー

ホームページには、以下の情報がありました。

―その一歩は、1mmにも、1光年にもなる―
2018年最後のfeblaboは、ある女性の一生涯を描いた物語。

という事ですが。
ある一人の女性が産まれてから、この世を去るまでを、90分の舞台として描いた作品です。公演は完全ダブルキャスト。「てくてくver.」「とことこver.」があって、私が見たのは「とことこver.」です。

この舞台に、奇抜なことや不快なことはありません。むしろ、丁寧で親切な、暖かい舞台です。
ですが私てっくぱぱは、この舞台「あゆみ」に関しては「観劇初心者」にはお勧め出来ません。ある程度、舞台を見慣れていて、表現のバリエーションを楽しめる余裕のある方の観劇をお勧めします。

感想

エチュードのような手法で綴る、緻密な舞台

エチュード、と呼ばれる、演劇の練習技法がある。

あるシチュエーション設定を、突然決められた時に、その役になりきって即興劇を演じる練習。例えば「留守番中になかなか親が帰ってこなくて焦っている姉と、親が恋しい弟」とか。突然設定を与えられた二人の役者は、2分とか、10分とかの決められた時間で、与えられた役を演じる、練習。

今回の「あゆみ」は、計画されたエチュードを、緻密に綿密に、組み上げたような舞台だった。

定刻になると、8人の女性が登場。全員が白っぽい服を着ている。四方から眺めるような方形舞台。8人の女優達。舞台の四つのキワに舞台に丸椅子を置いて座ったかと思えば、軽快な歌。その後主人公となる女性が赤ちゃんとして産まれた瞬間が演じられる。舞台中央でおぎゃーおぎゃー泣いていたかと思えば、気が付くと別の女優が、つかまり立ちをするシーンを演じている。

この舞台には、固定の役はない。誰もが、主人公の「女」になるし、誰もが脇役の「母」「父」「友達」などになる。一つのシーンの登場人物は、2人くらい。大体、30秒から1分くらいで、次から次へと、シーンと役が入れ替わる。まるで、一人一人が「演じる語り部」として、物語を紡いでいる。語り部として「エチュード」のような手法を繰り返しながら、「一人の普通の女性の生涯」を丁寧に丁寧に描いていく。

手法は「エチュード」とはいえど、8人の動きは、緻密に練られている。物語に参加していない女優達は、楽屋や袖に戻ることはなく、舞台上の丸椅子に静かに座り、じっと舞台の中央の物語に視線を注いでいる。彼女たちの背中を見る形で座る、観客。鮮やかに動き回る彼女たちを観ていて、何とも観不思議な気持ちになる舞台だった。

途中、「ここで一度休憩」といって、観客に伸びをしたり、飲み物を飲んだりを促す場面が登場する。女優達も休憩している。今までに感じたことのない種類の、客席と役者との一体感。それはまるで、舞台中央に架空の「主人公の女性」がいて、その存在を役者と観客とで、祈りの儀式でもして、彼女を実体化させているような、連帯感・・・とでもいうような感覚だった。

一つ、腹に落ちない点がある。
それは、語り部の女優たちは、なぜ、主人公の女性の人生を語ることを選んだのだろうか、という点。
描かれている女性の人生は、ごく普通のヒトの生涯だ。語り部の語りが儀式であり、舞台という場所がどこか神聖な何かを秘めているとするならば、今宵ここで人生が語られる動機について、客席にいたすべての観客も含め、その動機を共有する必要があったかもしれない。
演劇として舞台に上げる以上、どんな物語も、語られるべき理由があるのだと思うが、その理由について心の中を彷徨ってみるものの、終劇後も、確証らしきものにたどり着くことができなかった。

んー、楽器じゃわからん

8人の女優さんたち。数々の役をこなしている時の演技はもちろん、演技を終えて丸椅子に戻った時の、舞台を見る視線が、どの女優さんも強くて印象的だった。
何度か犬の「コロ」が出てきたけれと、犬を演じている時、みんな楽しそうだったなぁ。どの女優さんが、なんていう人かな、と思ったのだけれど。

終演後、当日パンフ見てみると・・・役名、冒頭とラストで担当する演奏楽器で書いてある・・・。衣装みんな白いし、役はコロコロ変わるし・・・ああ、誰が誰だかわからない。白い衣装とともに舞台に生える、奇麗な女優さんばかりだったのに・・・ちょっと残念。

演劇慣れした人向けかな

ここまでの感想の通り、どちらかというと「演劇をある程度本数を観ている人」向けの作品だと思います。普段の表現とは少し違う、不思議な表現を体感したい人は、ぜひ劇場に足を運んでください。


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