【観劇レポート】韓国文化体育観光部「2025 K-Musical Roadshow in TOKYO」
【ネタバレ分離】 韓国文化体育観光部「2025 K-Musical Roadshow in TOKYO」の観劇メモです。
もくじ
初回投稿：2025年11月13日 23時48分
最終更新：2025年11月14日 0時52分
公演前情報
公演・観劇データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 団体名 | 韓国文化体育観光部 |
| 題 | 2025 K-Musical Roadshow in TOKYO |
| 日時場所 | 2025/11/12(水) ヒューリックホール東京 |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
韓国のオリジナル・ミュージカルを紹介する『2025 K-Musical Roadshow in TOKYO』。
2025年11月12日(水)、ヒューリックホール東京で上演します。韓国のオリジナル・ミュージカルは、今年の米トニー賞で「メイビー、ハッピーエンディング」が作品賞をはじめ6部門を受賞するなど、世界から注目されています。日本でも近年、毎年10作品近くが翻訳上演されており、韓国発のコンテンツとして人気を集めています。また、韓国のクリエイター（原作、脚本家、作曲家、演出家）と日本の製作会社が組んだ新作も続々と生まれています。
『K-Musical Roadshow』は韓国発のミュージカルを世界に発信していくために2016年にスタートしました。「韓国文化体育観光部」が主催し、企画支援、海外事業、研究開発・コンサルティングを行う舞台芸術専門の国家芸術支援団体「韓国芸術経営支援センター』が主管。2023年12月には東京でも開催され、日本での開催は今回が2回目となります。
今回の『2025 K-Musical Roadshow in TOKYO』には、韓国での審査を通過した５作品のスタッフ・キャストが来日します。韓国演劇のメッカ、大学路（テハンノ）で活躍する実力派俳優らが約２０分のダイジェストシーンを実演。終演後には日韓のプロデューサーの交流会も実施します。韓国オリジナル・ミュージカルの多彩さ、豊かさを堪能できるイベントとなっています。
2025 K-Musical Roadshow in TOKYO
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
株式会社AM culture『すいかのプール』
タイトル：『すいかのプール』
原作：アンニョン・タル
脚本：ユン・フィギョン
作曲：キム・テグン／チョ・ソニョン
演出：チン・ヨンソプ
プロデューサー：パク・ミョンウ／チョ・ギルラ「すいかのプール」
日本でも出版されているアンニョン・タルの絵本「すいかのプール」（岩波書店、訳：斎藤真理子）をミュージカル化。田舎町に現れた巨大なすいかのプールを舞台に、温かい家族愛と純粋な空想の世界>を描いた作品で、目の前で巨大なすいかが割れて、空を飛ぶ雲屋さんの愉快なフライングショーが幅広い観客層の五感を楽しませる人気作です。あらすじ
仕事が忙しくてなかなか娘と遊んであげられないことを申し訳なく思うジニの両親は、夏休みに入ったジニが思いっきり走り回れるようにおじいちゃんの家に遊びに行くことを計画しました。仕事がある両親より一日早くおじいちゃんの家に行くことになったジ二は、青く広々とした自然の中で楽しく過ごしていた喜びも束の間、久しぶりに会ったおじいちゃんとはなかなか話が合いません。ひらひらと飛んできた蝶を追いかけて、不思議な森で道に迷ったジニは、まるっとして可愛いらしいすいかの種と出会いました。ジニは、家を探しているすいかの種を手伝うと約束するのですが…。制作会社：株式会社AM culture
韓国を代表する児童·家族ミュージカル専門製作会社。ソウル江南区にて中大型劇場「イェリムダンアートホール」を運営、「すいかのプール」、「楽しいホームショッピング」、「EBSミュージカルイベンジャーズライブ」をはじめとする人気創作ミュージカルを制作し、次々と成功を収めながら成長しています。2025年には国立中央博物館の劇場「龍」にてミュージカル「おばあちゃんの夏休み」が大ヒットしました。MBZ Company『三つの風と一本の木』
タイトル『三つの風と一本の木』
脚本：アン・リジュン
作曲：ホ・スヒョン
演出：キム・テヒョン
プロデューサー：コ・ガンミン「三つの風と一本の木」
暗い時代を照らす青春の革命劇。混乱と不安の時代の中で、運命のように出会った平凡な若者たちの激動の生き様を描いた物語。心躍るメロディー、ダイナミックな振付、そして俳優たちのマルチロール（複数役）によって暗い時代に光をさします。英雄ではなく、不安と孤独を抱えながら生きる三人の平凡な青年たちの姿は2025年前半、演劇の街・大学路で多くの観客の心を強く揺さぶった話題作です。あらすじ
混乱と不安が渦巻いていた1930年代の中国。親も祖国もなく街をさまよっていた青年ムヒョクは、偶然ドギョンとジャギョンに出会い、仲間となる。大義よりも「今日より少しだけましな明日」を願っていた平凡な三人の若者たちは、やがて「正義の銀行強盗」という無謀で奇抜な道を選び、独立運動に身を投じていく。不器用で粗削りな計画と数々の失敗の中でも笑い合い、ぶつかり合いながら、互いに支えあう三人。しかし、時が経つにつれ、現実の壁と相次ぐ危機が彼らを襲う。仲間たちは犠牲となり、一人取り残されたムヒョクは、自分だけの理想郷を心に抱きながら生きていく。制作会社：MBZ Company
MBZ Companyは、2017年に設立された文化芸術の専門会社です。「More people, Better world, to the Zenith」をモットーに、グローバルトレンドを牽引するコンテンツと、それを生み出すアーティストの価値を何よりも大切にしています。公演コンテンツの開発はもちろん、企画・制作・広報に至るまで体系的なシステムを構築し、持続可能な公演エコシステムの実現を目指しています。RAINBOW WORKS「たんぽぽの笛」
タイトル：『たんぽぽの笛』
脚本：キム・ジシク
作曲：ユ・ハンナ
演出：パク・コウン
プロデューサー：キム・ジシク2024年にDIMF（大邱国際ミュージカルフェスティバル）創作支援作に選定され初演。韓国で愛される詩人、尹東柱（ユン・ドンジュ）と弟の尹一柱（ユン・イルジュ）の人生、そして同名の童詩集をモチーフにしている。尹東柱を題材にした作品は彼の悲劇性や愛国志士としての生涯に注目したものが多いが、本作は弟の視点から見た尹東柱という人間、そして兄弟愛に焦点を当てているのが特徴。兄弟の詩と人生、童心と詩心を照らし出し、現在を生きる私たちの心にも小さなタンポポの綿毛を咲かせたいと企画された。
あらすじ
舞台は日本統治時代。詩人という夢を追って京城の延禧專門学校に留学中の青年、尹東柱（ユン・ドンジュ）には、故郷の北間島の明東村に10歳年下の弟・尹一柱（ユン・イルジュ）がいた。イルジュも兄に似て文学への関心が高く、特に子供たちの心を映し出す詩を書きたいと思っていた。暗い時代の中でも、ふたりは詩の写本や手紙を通じて心を通わせ、互いの夢を励ましあっていたが、やがて日本軍による民族抹殺政策（母国語の禁止、創氏改名）などが加速し、ついには戦争が始まる。その状況下でも詩を諦めず、兄弟はまるで廃墟に咲くタンポポのように、詩と童話を最後まで書き上げようとするのだが…。制作会社：RAINBOW WORKS
制作スタッフを中心に、多彩な作品を通じて人々に希望を届けることを目標とする若い公演芸術団体です。
2023年、ミュージカル「ONCE AGAIN」を上演しました。ソムロカンナビ「ナルチスとゴルトムント～知と愛～」
タイトル：『ナルチスとゴルトムント～知と愛～』
脚本・演出：ユン・サンウォン
作曲・音楽監督：ユ・ハンナ
プロデューサー：キム・スジ哲学的な問いと自己省察の機会を与えてくれるヘルマン・ヘッセの同名小説『ナルチスとゴルトムント（邦題「知と愛」）』が原作。感覚と愛、芸術と死といったゴルトムントの人生をナルチスの視点から描き、正反対の性質を持つ二人が互いに影響を与え合う過程に観客は深い共感を抱く。また、美しい照明と振付、仮面や生花の使用などの素晴らしい舞台演出を楽しめるのもこの作品の魅力です。
あらすじ
舞台は世間から隔絶されたマリアブロン修道院。若き修道士ナルチスは、父親に手を引かれやってきた幼い少年ゴルトムントの性質を見抜き、惹かれ合う。ナルチスに憧れ彼のようになりたいと願うゴルトムント。自分とは全く違うタイプのゴルドムントが修道院生活に苦労しているのを不憫に思うナルチス。互いに接点はなく意識しあっていたふたりだったが、偶然の出会いで打ち解け合い友達になる。正反対の2人は、生と死、精神と本能の狭間で互いに向き合うことになり…。制作会社：ソムロカンナビ
韓国のミュージカル作家兼演出家であるユン・サンウォンを中心に設立されたミュージカル制作会社です。新しい取り組みに挑戦する作品を地道に企画・制作し続けてきました。2023年からは国内企画に加え、ミュージカルIPの海外輸出、事業拡大に努めると同時に、運営、広報マーケティングによる効果的なプロセスの構築を通じて良質のコンテンツ開発と公演観覧文化を広めるために尽力しています。ライブ株式会社「とっても楽しいお嬢さんたち」
タイトル：『とっても楽しいお嬢さんたち』
原案：キム・ジェファン
脚本：キム・ハジン
作曲・音楽監督：キム・ヘソン
演出：オ・ギョンテク
プロデューサー：カン・ビョンウォン貧しいから、女だからと文字を学べなかったおばあちゃんたちを描いたドキュメンタリー映画が原作。ハングルを学ぶ彼女たちの人生と詩をもとにした心温まるミュージカルで、多くの人に感動を届けています。80歳を超えても日々学ぶ喜びを大切にするおばあちゃんたちの姿は、観客に新しいことに挑戦するのに年齢は関係ないという勇気を与え、親子３世代が一緒に楽しめる、心温まるファミリーミュージカルです。
「人生八十、 生きることはどうしてこんなに楽しいの！」あらすじ
「年老いたら死ぬだけ」を口癖にしながら、毎日休まず学校へ通うパルボク村のおばあちゃん、ヨンラン、チュンシム、インスン、ブンハン。文字を読めない悔しさを胸に秘めて生きてき彼女たちが学ぶのはハングルだ。ある日、ドキュメンタリー専門のプロデューサー、ソックがラジオでおばあちゃんたちの存在を知り、訪ねてくる。予算削減で授業存続の危機に瀕していた教師のカウルは、ソックに「おばあちゃんたちが詩を書く姿を世間に伝えよう」と提案する。「詩なんて書けない」と最初は自信がなかったおばあちゃんたちだが、宝探しをするように、日常から自分だけの言葉を探し始める。制作会社：ライブ株式会社
2011年に設立されたK-ミュージカルのグローバル化を牽引する公演制作会社です。ミュージカル「ファンレター」、「マリー・キュリー」、「ランボー」、「マイ・バケットリスト」をはじめとする多様な作品でアジアにおけるオリジナルツアーおよびライセンス公演を行ってきました。2024年には「マリー・キュリー」が韓国ミュージカル初のイギリスのウェストエンドで、現地プロダクションによる長期公演を行いました。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
| 項目 | データ |
|---|---|
| 観劇日時 | 2025年11月12日 14時00分〜 |
| 上演時間 | 190分(途中休憩20分 110-休20-60) |
| 価格 | 無料(発券手数料165円+ドリンク代600円要) 全席指定 |
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
韓国文化体育観光部「2025 K-Musical Roadshow in TOKYO」
2月にNYブロードウェイで観た「Maybe Happy Ending」がとても良すぎた(結局Tony賞最優秀ミュージカル作品賞受賞)。韓国のミュージカルってあまり考えたことがないなぁ、どんな作品から観ればよいのかとぼんやり思っていたら、無料でのShowcaseの案内を見つけて応募。抽選に見事当たって、5本のダイジェスト版を観劇。
全編韓国語。上演中に字幕が出る訳ではないので正確なストーリーをリアルタイムで把握はできなかったが、上演されたシーンの対訳脚本は配布されていたので終演後にじっくり読む。なかなか面白い体験だった。脚本まで読んだ後の各作品のメモ。
『すいかのプール』
対象年齢の下限はかなり低く、小学校低学年でも観れそうだけれど、キレッキレのダンスと客席を巻き込む力が強そうで、アラフィフの私も十分楽しめそう。「すいかのプール」とはそのままで、すいかをプールにして飛び込む話のよう。全編観たい作品。
『三つの風と一本の木』
戦時中モノというよりは、むしろ若者の一人称の視点で描いた作品。ちょっと歌はピンと来なかったかなぁ。
『たんぽぽの笛』
尹東柱という人を知らなかったけれど、なんだかものすごく素朴な情景を描いているだけなのに、舞台全体の描写と二人のハモリがとてもきれいだったのが印象的だった。全編観てみたい。
『ナルチスとゴルトムント～知と愛～』
ヘルマン・ヘッセの小説がベースらしいけれど、ちょっと難しそうだなぁという印象。ここまで3作、男性のみが出ているミュージカルが多いのを知る。
『とっても楽しいお嬢さんたち』
言葉分からなくても直接的に伝わってくるおばあちゃんのパワーが印象的。ドキュメンタリーを撮影している…っていうシチュエーションが効果的なのかはちょっと疑問だったけれど、カメラの前でしゃべるおばあちゃんたち、脚本を注意深く読んてみたら涙なしには観れない物語だった。この作品も全編観てみたい。
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