劇団ミックスドッグス「クロノスコープ少女」主役の黒野芽音が舞台を所狭しと駆け巡るパワフルプレイ!

#芝居,#劇団ミックスドッグス

【ネタバレ、分離してます】津山夏南演じる黒野芽音が舞台を駆け巡る。観ていて清々しい。



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どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。
劇団ミックスドッグス「クロノスコープ少女」の、舞台を観てきました。

公演データ

劇団ミックスドッグス「クロノスコープ少女」
新生館スタジオ
2018/12/12 (水) ~ 2018/12/16 (日)

観劇データ

日時2018年12月12日 14時30分〜
価格3000円 全席自由(事前にネット予約)
上演時間110分(途中休憩なし)
キャスト津山夏南 主演回
★★★★☆(4/5点満点)

客席の様子

初日マチネなので埋まりは8割くらい。
若干年齢層が高く、周りの会話を聞いてると、出演者の父母祖父母?多し。なので、客席が温まりにくかった気がしましたが、役者さんは負けずに頑張っていました。

上演一時ストップ基準

前説で、「震度3以上で上演を一時ストップする可能性がある」との説明がありました。この手の案内、初めて遭遇しましたし、とても安心しました。イイですね。

劇団「ミックスドッグス」?

ミックスドッグスは、2011年2月に、作・演出家の奥田悟史によって結成された劇団。20回以上は公演を重ねている、中堅くらいの劇団、って感じでしようか。


ストーリー

公式サイトによると

黒野芽音は、女子高生。恋、夢、青春……とは程遠い、17歳。運動はそこそこ、勉強は駄目駄目。密かに恋心を抱いている、バスケ部の悠翔君は、女子力MAXの百華が猛アプローチ中、勝てる見込みは無し。未来はくすんでいた。
ある日、芽音は祖母に呼び出される。偉そうで、芽音の事を何にも分かってくれない、大嫌いな祖母。
祖母が話し始めたのは、一族の隠された歴史、呪われた秘密の石の事、そして、芽音が受け継いだ力の事……
難しい事はよく分からないけど、芽音にはどうやら、未来を覗く力があるらしい。とりあえず、芽音は、この力を恋に使ってみる事にした!

ということですが、特に付け加えることはなく。SFチックなラブコメディ的な感じの作品。
演劇初心者の方でも、十分に楽しめる作品。会話劇というより、ビートのきいた音楽と、場面展開の早い、ファンタジー系。
主役のみダブルキャスト、という、個人的には小劇場では珍しいパターンに当たる。今回、私は初見なので、観劇時間の都合で、津山バージョンを選択。彼女は、劇団では初主演、との事。

ここから先はネタバレあり。
注意してください。

役者のパワフルな演技がメイン

ストーリとしては、よくあるタイムトラベルもの。超能力を持った黒野芽音が、自分の特別な力や運命に翻弄されながら、タイムトラベルの力も借りながら、必死に運命を変えるために生きていく。未来を見る力「クロノスコープ」っていいながら未来を覗くんですが、「黒野スコープ」と考えると、ちょっと可笑しい。未来を観ているのか、未来に存在するのか、とかいった細かい部分については、ちょっと理解が追いつけなかった所が、何カ所かあった。(本筋に大きく関わるわけではないので、気にしませんでしたが。)

その意味で、この舞台は、黒野芽音が舞台を駆けずり回るための作品と考えられるし、その思惑は成功していたと思う。体いっぱい、顔いっぱい、で演技する津山夏南は、なんだか放っておけないパワーを持っている。観劇前に稽古場ブログか何かで、津山は、もう一人の主役の、幾世優里に比べておとなしい、と周りの役者に評されていたけれど、「どこが大人しいんだ!」と舞台を観ている間じゅう、突っ込みを入れ続けてしまった。文字通り、端から端まで駆け巡る。パワフル少女で、彼女のエネルギッシュさを魅せるのが、この舞台の魅力であるように思う。

それぞれの役者さんが作る世界観は、非常にレベルが高い。高校生役、父母、中年の先生、おばあちゃん、と、いろいろな年齢層の人が登場する。役者さんの年齢層は分からないし(20代中盤から30代?)、気にする必要もないが、違和感あるな、という人はいない。世界観をしっかりと築き上げる役者たちがそろっている劇団。

その反面、テーマ性、ストーリーで感動させる力は、少し薄く、弱めだ。脚本は、シチュエーションを作って、役者のパワフルな演技を楽しむための状況設定的。もし、何か強烈に伝えたいテーマが脚本家に存在していたら、残念ながら役者の演技に負けてしまって、霞んで目立たなかった、と言わざるをえない。脚本に、テーマ性や人に感動を与える要素をもう少し加味出来たら、もっといい世界観を作れるんじゃないかな、と感じる。

今回、劇団ミックスドッグスは初見なので、これまで、どのような作風なのかは分からないが、ウォッチを続けたい劇団、になりました。

役者さん

劇団ホームページにも書いてあったが、黒野芽音役は、劇中殆ど舞台に出ずっはり。正直、演じる女優にはものすごく酷な役だと思う。そんな辛い役だけれど、津山夏南の必死に舞台を駆けずり回る様は、観いてて清々しい。女優さんであそこまで汗をかいているのは始めてみた気がするけれど、光る汗も何だか好感を持てるのでした。彼女、誰かに似てるな、と思ってみていたんですが、イルカっぽい顔。映画「グラン・ブルー」のロザンナ・アークエットに、似てはいないけれど、彼女を思い出したのでした。


イケメン高校生の、隈本秋生。何歳の役者さんか分かりませんが、めっちゃ高校生。芽音の従妹、拓を演じる沼田天音。学ランが似合いすぎでしょ、と心の中で何度も突っ込んでしまいました。大島未来、大空晴飛も、こんな女子高生いるいる、っていう感じで、無理なく学園モノの世界に入り込めました。

幾世バージョンも観たい・・・

もう一つの幾世優里は、稽古場のブログによると、更にパワフル突撃!な女優さんらしい。。。更にって・・・想像つかなくてこちらも観たいけれど・・・残念ながらスケジュール的に難しそう。
半券(?)を持っていくと、二度目以降は割引の制度もあるので、両バージョンを観て比べるのも、この作品は面白いんじゃないかな、と想像します。今週末まで。ぜひ舞台に足を運んでくださいませ。