<観劇レポート>雀組ホエールズ『ひまわりの見た夢「re:act」』

【ネタバレ分離】
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どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 雀組ホエールズ
第15回公演
『ひまわりの見た夢「re:act」』
脚本 佐藤雀
演出 佐藤雀
日時場所 2019/05/29 (水) ~ 2019/06/02 (日)
シアターグリーン BASE THEATER

雀組ホエールズ?

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

雀組ホエールズは「社会派」といわれることが多いですが、作品の根底は「思いやり」をテーマにしたいと思っています。「恥ずかしいくらいに正直な思いを伝えてみて、そこからどう思われるかはお客様に委ねるしかない」そう考えています。現実がどんどん殺伐としていく中で私たちがお伝えできることを探していきたいと考えています。
また雀組ホエールズは、小劇場の面白さを初めて演劇に触れる方にお伝えしたい。演劇ファンはもちろんですが、演劇を観たことがないという人にこそ、見て欲しいんです。お金を払って90分以上、狭い空間に押し込められて、なんだかお金も時間も損した気分になる、それが演劇。そんな風に思ってる方にこそ見て欲しいんです。
楽しい、笑える、そして泣ける。舞台上の役者たちと観客が一体となって作り上げる空間。それが演劇の魅力だということを体験して欲しいんです。役者はお客様の空気を敏感に感じる。そしてお客様も、そんな役者の空気を感じることができる。舞台の上と観客席がお互いに心を開き合ったとき演劇は、最高のエンタテインメントになるんです。
映画は1800円、演劇はその倍以上の値段がかかります。雀組はそのことを踏まえて、「お客さんに損はさせない」そういう思いで演劇を作り上げて本番に臨みます。そんなわけで、一緒に小さな空間を共有しましょう。
劇場でおまちしています。

雀組ホエールズ オフィシャル

事前に分かるストーリーは?

劇団ホームページには、こんな記載がありました。

妹を殺害した私の弟が刑期を終えた
家族はどんな顔で弟を受け入れたのか
懲役12年
罪を償う方法は誰も教えられない
被害者家族でありながら加害者家族となった
私たちが向き合うべき道
人として生きることの難しさを思い知るのは
これからだった

ネタバレしない程度の情報

上演時間・チケット価格・満足度

観劇した日時 2019年5月29日 19時00分〜
価格 4000円 全席自由
(事前予約・2公演続券・1公演あたり)
上演時間 97分(途中休憩なし)
個人的な満足度
CoRichに投稿
★★★★☆(4/5点満点)

客席の様子

男女は半々くらい。シニアから若い方まで、様々な層のお客さんがいました。二人連れ以上の方が多くいましたので、開演までは、客席は比較的ザワザワしていました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者の方も、安心して観劇できる舞台です。

観た直後のtweet


ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

観劇三昧で見た時にかなり感動して、ぜひ再演してくれないかなぁ、なんてtwitterで呟いてたら・・・、劇団から「今度再演します!しかも続編も作ります!」のリプライを頂きまして。びっくりしてから、半年後の本日の観劇と相成りました。再演の部分については、初演とお話的には大きく変わる所はなく、全体初演と同じ感想を持ちました。突き詰めて考えると、どうして涙が出るのかは、自分でも上手く説明は出来ないのですが、家族だったり、被害者加害者の関係など、切実なものを突きつけられました。

初演版の映像に対する感想はこちらに。

初演との違いの視点で、少し書いてみると・・・。
初演版を観た時は、割とカチッとした「様式」みたいなので家族の行き詰まりを表現していたような気がするが、今回は割と緩い感じ。「ベル」で表現されていた場面展開は、水滴の音に(記憶だと・・・初演には恐らくなかった)。明日香は、もう少し世界に干渉しそうな勢いで立ち尽くしてた記憶だが、今回は割と控え目。敏彦の周辺の人間模様も、割と淡々と描かれていたのかな、という気がした。

話を知っているので、冷静になって観て気が付いた点。佐藤雀の紡ぐ台詞は、会話の自然さと、演劇独特のレトリックが、適度に混じって合わさっているなぁ、という点。とてもナチュラルな会話で、言葉だけを追いかけていると、ナチュラル過ぎて何の話をしているのか分からないけれど、何故か「こういうシーンじゃないか」と観る側の想像力を強制する切り取り方をしたかと思えば、物語を展開するための台詞・・・芝居っぽい台詞・・・も手短に、違和感なく書く感じ。早い物語展開なのに、観ている側が、芝居の嘘に醒める瞬間を作らせないんだなぁ、なんていう事を思った。

先日発生した痛ましい事件、登戸の無差別殺傷事件の後でもあり、所々重ねてしまう部分を否定できず。特に勉に対する「歯科医になれないのが苦痛なら、妹を殺さないで、アンタが自殺すればよかった」的なセリフは、奇しくもこの事件に殺到した批判「死にたいなら一人で死ね」を連想させる。今回とはちょうど逆、周囲に誰も味方になってくれる人がいない中の、被害者の理論、だけれども。事件の痛ましさを頭の片隅に置くと、救いのない、本当に辛くなるような、想像の翼を授けてくれた。

気になった役者さん。・・・今回はどんな配役か、という事を事前に全く考えずに劇場に来てしまったのだけれど。村尾俊明、前回公演「享保の暗闘~吉宗と宗春」でのカッコよさ、4月に観た劇団5454「ト音」でのちょっと間の抜けた先生の感じとは、全く違う役所。彼が兄の勉役だったのは、実はちよっと意外だけれど、感情爆発している所は、観ている側に考えを強制する説得力あり。岩本晋奈、兄のとばっちりを受けて生きないといけないっていう切実さと怒りが、ストレートに表現されていて好き。夏井貴浩、父の素っ気なさがいい。父として、ああ、バツ悪いときそういう仕草するするってのが何度もあり。そして、阪本浩之、相変わらず泣かせていただきました。

来週、同じ劇場で公演する『ひまわりの見た夢ワスレナグサ」』。これは、この事件を、同じ時間軸で、敏彦の視点で描いたもの、との事。「re:act」と異なりこの作品は今回が初演のもの。来週が楽しみに。
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