<観劇レポート>雀組ホエールズ『ひまわりの見た夢「ワスレナグサ」』

#芝居,#雀組ホエールズ

【ネタバレ分離】
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観た芝居の感想です。


公演前情報

公演・観劇データ

団体名雀組ホエールズ
第15回公演
『ひまわりの見た夢「ワスレナグサ」』
脚本佐藤雀
演出佐藤雀
日時場所2019/06/04 (火) ~ 2019/06/09 (日)
シアターグリーン BASE THEATER

雀組ホエールズ?

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

雀組ホエールズは「社会派」といわれることが多いですが、作品の根底は「思いやり」をテーマにしたいと思っています。「恥ずかしいくらいに正直な思いを伝えてみて、そこからどう思われるかはお客様に委ねるしかない」そう考えています。現実がどんどん殺伐としていく中で私たちがお伝えできることを探していきたいと考えています。
また雀組ホエールズは、小劇場の面白さを初めて演劇に触れる方にお伝えしたい。演劇ファンはもちろんですが、演劇を観たことがないという人にこそ、見て欲しいんです。お金を払って90分以上、狭い空間に押し込められて、なんだかお金も時間も損した気分になる、それが演劇。そんな風に思ってる方にこそ見て欲しいんです。
楽しい、笑える、そして泣ける。舞台上の役者たちと観客が一体となって作り上げる空間。それが演劇の魅力だということを体験して欲しいんです。役者はお客様の空気を敏感に感じる。そしてお客様も、そんな役者の空気を感じることができる。舞台の上と観客席がお互いに心を開き合ったとき演劇は、最高のエンタテインメントになるんです。
映画は1800円、演劇はその倍以上の値段がかかります。雀組はそのことを踏まえて、「お客さんに損はさせない」そういう思いで演劇を作り上げて本番に臨みます。そんなわけで、一緒に小さな空間を共有しましょう。
劇場でおまちしています。

雀組ホエールズ オフィシャル

事前に分かるストーリーは?

劇団ホームページには、こんな記載がありました。

あの事件は誰にも起こり得る出来事だ
家族に愛されたくて叫び続け
家庭内殺人事件は発生してしまった
懲役12年
「家族なんだから、きっとわかってくれる」
その言葉は確信ではなく望みだった
そのことに気付くための代償
​勿忘草~ワスレナグサ

観劇のきっかけ

お気に入りの劇団の一つです。
これまでの公演が面白かったのがきっかけと、観劇三昧で「ひまわりの見た夢」を観てかなり感動しました。再演しないかな、と思っていたところの再演です。観ないわけにはいきません。また、先週観た「ひまわりの見た夢『re-act』」の、別視点の物語、との事で、この点も見逃せません。

ネタバレしない程度の情報

上演時間・チケット価格・満足度

観劇した日時2019年6月4日 19時00分〜
価格4000円 全席自由
(事前予約・2公演続券・一公演あたり
一部指定席あり)
上演時間115分(途中休憩なし)
個人的な満足度
CoRichに投稿
★★★☆☆(3/5点満点)

客席の様子

男女は半々くらい。知り合い連れと、1人客が半々くらい。
年齢層は、40代アップのシニア層が多めな感じでした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観劇できる芝居です。

観た直後のtweet




ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

先週上演していた『ひまわりの見た夢「re-act」』と同じ時間軸を、主に敏彦からの視点に焦点を当てて捉えなおした物語。先週の感想と、初演を映像で観た時の感想はこちら。

それを踏まえたうえで、・・・感想を書くのが難しい。

もし、先週の「re-act」を視ずに、今回の「ワスレナグサ」を初めて観たとすると、非常に良い作品だったと思う。「re-act」を観なくても、十分に伝わる作品になっていたし、初めて見た時の感動を得られたと思う。

しかし、今回の「ワスレナグサ」に、先週の「re-act」のAnother Storyを期待して、別の物語を求めてきた私としては、ちょっと肩透かし。「re-act」との重複シーンが、全体の6~7割あった感覚。残りの3~4割で展開されるのは、「re-act」で「あれ、どうしてこの登場人物はこんな変な事を言うんだろう・・・」と思わされた伏線の要素を回収する物語。・・・伏線の回収自体は、とても鮮やかではあるものの、その伏線そのものが物語全体の解釈に、劇的な変化をもたらすか・・・というと、そこまでのものではなく、終始カタルシスを抱えながらの観劇になった。よく言えば、「初見の人に配慮した」作品。悪く言えば、「別に、re-actとワスレナグサと、分けなくても、一つにまとめてよかったんじゃないかな」の作品だった。

過去の雀組作品ではよく出演している、おかま役の蝶羽の演技を楽しみにしていたけれど、新しい役の存在が、どこか「ワスレナグサ」のプロットには馴染んでおらず、取ってつけた感が激しい。うーん、こんな勿体ない役者さんの使い方するなんて・・・という思いを捨てれなかった。ワスレナグサから観る人もいるだろうから、仕方ないのかもしれないが・・・。私の期待が大きくなり過ぎたのかもしれない。

一つよかったこと。主役の明日香を演じる中村光里が、「ワスレナグサ」では自由に動けるシーンが多いので、解放されたように演技していたこと。re-actの時とは比べ物にならないくらい、活き活きして見えた。

そうだ。・・・回収されなくて残念だった伏線。弁護士先生は、どうして明日香に「ひまわり」の話、「正義の話」をしたのか。・・・ひょっとしたら初演では語られていたかもしれないけれど(忘れた)・・・あの部分の伏線は、回収してほしかったな・・・。
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