<観劇レポート>ボクナリ「サリンジャー」

【ネタバレ分離】
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観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 ボクナリ
ボクナリ#3
サリンジャー
脚本 榎本純
演出 榎本純
日時場所 2019/06/07(金)~2019/06/12(水)
早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

ボクナリ?

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

早稲田大学演劇研究会を母体として2017年旗揚げ。

人生を謳歌していたら誰もが経験した、心の傷やジレンマ。
それを隣に住んでいそうで住んでいない人々が、ちっぽけな勇気と謎の情熱を持って
生きていく中での解決を目指す。

泣いたり笑ったり。
それでも前に進んでいく「ボクナリの人生疾走コメディ」を掲げる。

劇団ボクナリ

事前に分かるストーリーは?

劇団ホームページには、こんな記載がありました。

何かの間違いでスーパーのアルバイト面接に来てしまったボクは、自称ミュージシャンの店長に経歴を聞かれて劇団員だった頃の話をする事に。

満員御礼で賑わう客席。気合いが入る楽屋。
劇が始まれば一発勝負で、手に汗握る冒険活劇。感動のラストはきっと拍手喝采で、見たこともないカーテンコールへ。

そんな瞬間をモニターで眺めているボクは、演劇よりもバンドがやりたい。

2019年、やや夏。
早め早めに暑狂ったボクナリがお送りするのは旅立ちの日へ郵送!暴走!人生疾走!
ふと思い出す去り際のクライマックスコメディー。

観劇のきっかけ

劇団の方から、twitterでお誘いを頂いたのがきっかけです。

ネタバレしない程度の情報

上演時間・チケット価格・満足度

観劇した日時 2019年6月10日 19時00分〜
価格 1500円 全席自由(事前にネット予約)
上演時間 85分(途中休憩なし)
個人的な満足度
CoRichに投稿
★★★★☆(4/5点満点)

客席の様子

大学の劇研ですから、学生が多いですね。男女も半々くらいです。シニア層も、若干ですが見かけました。
客席の会話に耳を傾けていると「演劇観るのはじめて」「演劇観るの久しぶり」という会話が何度か聞こえて微笑ましいです。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも安心して観劇できる舞台です。学生劇団ですが、丁寧な接客でした。
劇研のアトリエは、あまり空調がよくないので、公演中、かなり暑くなります。うちわは貸し出されましたが、暑さ対策(寒さ対策)を忘れずに観劇することをお勧めします。(薄着がいいかも)

観た直後のtweet




ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

アルバイトの面接に来た和田君。ショーの面接だと思ったら、デパートのぬいぐるみショーのバイトだった。バイトの店長ぽい人から、なぜ演劇を辞めたのか、と聞かれる。そこから始まる、回想劇。劇団の芝居初日の前日、主宰の松井くんに「劇団を辞める」と伝えた和田君。劇団はあらぬ方向へと走り出す。走れメロスっぽいパンクな劇を上演しながら、財政難にもあえぐ劇団。回想シーンも交えて、時間軸を行ったり来たりしながら語られる「劇団」の真実・・・とストーリーだけかなり強引にまとめるとこんな感じ。

どうやら劇団が立ち行かなくなった時の話だ、というのは、かなり早い段階でわかる分かるのだけれど、冒頭プロジェクターの映像の中で「痛い」という言葉が並んでいて、心なしか少し不安になる。その不安は的中し、しかも上手い具合に裏切られる。作品が描いているテーマは、芝居という表現を創るときに、その表現が、貫く信念が、世界への妥協が、ほんの少しずれていて、いつしか一緒にいられなくなってしまった、2人。

終始コミカルで、「走れメロス的」な劇中劇のテンポもあり、舞台を駆け抜けていく。残念ながら、笑いネタが面白い・・・とは思えなかったけれど、その駆け抜けるスピード感の後ろに、言いしれぬ切なさ、痛さを感じる。そもそもこの舞台だって…いや、すべての舞台は、紙一重のバランスの中の奇跡で成立しているんだよ、という事を再認識として感じたり。

ラストの殴り合いからの着ぐるみショーも交えたバンドシーンは、上手く照れ隠しをしながらの幕切れか。表現に携わっていた身としては、この痛さはとにかくただ痛くて。程々に笑わせてもらいながらも、久々に感じたこの種の痛さと切なさを腹に抱えて、夜の早稲田を歩くことになった。…とはいえ、この感覚を表現という事に身を置いたことがない人に理解は出来るだろうか。「芝居のテイストが違う」「音楽性が違う」という言葉は、表現を試みたことがない人には、どこか笑のネタのような言葉だけれど(特に「音楽性の違い」はバンド解散の常套句)、痛かった当事者からすると、振り返るのさえ痛い要素であることに変わりはない。その感覚が、学生を中心とした客にに理解されたのか、という所に引っかかりは感じつつ。やはり私自身は、雨の夜の早稲田を、痛い想いをえぐられたまま歩く。こんな思いを蘇らせてくれる、いい舞台だった。

意識はしていないとは思うし、テイストや落としどころは全く違うものの、早稲田という場所に来てしまった事もあり、ふと、劇団の思いみたいなのをテーマにした鴻上尚史の「リレイヤー」あるいは「リレイヤーⅢ」を思い出した(安直かもな)。

役者さん、やはり主役の二人のが気になる。吉行翼と、松尾太稀。名前覚えておきます。と、役名というより存在を意識する感じの芝居だったので、ちゃんと紐づけているか自信がないのだけれど、「ラックス・スーパーリッチ」の人…おそらく、マーシャルクレア風見が、ものすごく舞台に映える女優さんだなぁ、と思って注目して観てしまった。

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チラシの裏
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舞台