<観劇レポート>日本のラジオ「ナイゲン 暴力団版」

#芝居, #ナイゲン, #日本のラジオ

【ネタバレ分離】

観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 日本のラジオ
ナイゲン 暴力団版
脚本 屋代秀樹
演出 屋代秀樹
日時場所 2019/10/23(水)~2019/10/28(月)
花まる学習会王子小劇場(東京都)

劇団紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

【さわやかな惨劇】
読み方は「にほんのらじお」。代表である屋代秀樹が自作の戯曲を上演するため立ち上げ。
怪異や、実際あった猟奇事件を下敷きにしたものをよくやっています。
残酷な結末になることが多いですが、舞台上での暴力シーンはあまりなく、「観た後さわやかな気持ちになる」と言われることもあります。
ギャラリーでの公演を主として、照明や音響はほとんど使いません。台詞と役者の演技があれば大体大丈夫だと思っています。

淡々とした世界を、こっそり覗き見る感覚で観ていただけたらと思います。

2019年5,6月本公演「カケコミウッタエ」 | 日本のラジオ

事前に分かるストーリーは?

劇団ホームページには、こんな記載がありました。

暴力団三代目空蝉組は、
関東最大組織の藤道会傘下に入ることになった。

このご時世、長いものに巻かれるのは悪くない。
しかし、藤道会より提示された盃の条件は、

「藤道会と対立する鬼灯会幹部、
内藤ゲンシロウ〈通称「ナイゲン」〉のタマをとれ」

“口より先にチャカ持って産まれてきた”
鬼灯会屈指の武闘派「ナイゲン」

さて、誰がやる?

仁義と算用と理不尽の飛び交う、ノワール会議劇

観劇のきっかけ

「ナイゲン 暴力団版」・・・見ないっていう選択肢、ないです。

ネタバレしない程度の情報

上演時間・チケット価格・満足度

観劇した日時 2019年10月23日
20時00分〜
価格 3000円 全席自由
(ネット予約・早割・平日昼割)
上演時間 95分(途中休憩なし)
個人的な満足度
CoRichに投稿
★★★★★
(5/5点満点)

客席の様子

男女は半々くらい。若い人から、シニアな人まで。様々な人がいる客席でした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者の方でも、安心して観劇できます。
「ナイゲン」という、学園会議モノのお芝居をオマージュした作品ですので、本家「ナイゲン」を知っているとさらに楽しめますが、観てなくても全く問題ありません。
興味のある方は、Youtubeでとうぞ。
【本編映像】『ナイゲン(2013年版)』 - YouTube
【本編映像】ナイゲン(2012年版) - YouTube

観た直後のtweet

DVD・BR等販売

情報はありません。(終演直後記載)

ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは、事前の記載の通りだが。
伝統を重んじ格式は高いが、2代目が死んでから落ち目の空蝉組。藤道会の傘下に、兄弟の盃を交わして入る予定になってはいるが、盃を交わす前に、突然突きつけられた鬼灯会の内藤源氏「ナイゲン」のタマ(命)を取って来いという無理難題。さて、どうする?というのを、話し合う組の「月例会議」。

知っている役者さんも何人かいるにも関わらず、あれ、この人達、本当に暴力団なんじゃないかな?、と思ってしまう。凄みや、チャラさや、胡散臭さ。結局話の核心は「誰がナイゲンのタマを取って来るのか?」という話と、「三井組をハメたのは本当なのか?」という話と。その部分の「議論?」で進む。

まず最初に。忘れてはいけない。
この話、基本はコメディ、コメディだ。くすくす笑い、爆笑、その他笑いが絶えない、コメディだ。ただ、本家「ナイゲン」とはちょっと違う。ずっと笑い続けている類ではなくて。要所要所の笑いと、途中のくすくす笑い。笑いの質が本家「ナイゲン」とは、全く違って、比べるのが無理かな、の作品であるという事。

そんな中。お話に対して。感動とか、涙とか、そういう類の感情は、私に限っていうと全くなかった。心動かされる演劇が大好きな自分としては、その部分での琴線には触れない作品だった。ただ、ヤクザ達の真剣勝負の会議に居合わせさせてもらった、という感じ。その真剣具合というのか、演劇としての完成度はものすごく高い。

上演途中「あれ、この芝居への感覚・・・演劇的感動?とは違うんじゃない?」という、心の声、天の声が聞こえてきた。・・・確かに「感動」「涙」と無縁だから、そんな疑問が湧いて来るのも不思議ではない気もする。涙とか感動とか、一切ない。・・・聞こえてくるそんな心の声、天の声に、疑問を持ちつつ、観劇続行していると。あまりにも真剣勝負な世界に、引き込まれてる自分に気が付く。ああ、なるほど。「演劇」とさえ、自分の中で思っていなかったんだ。演劇である事さえ、忘れさせられた。そんな90分だったんだ、と終演した後に気が付く。終演の仕方もちょっと特殊で。暗転などは一切なく。「これにて終わります」的な、古風な感じ。もちろん、カーテンコールもなし。

終演後、ふと我に返って「あ、これ演劇だったんだ」と気が付かせてくれたような。そんな、本当の意味で生々しい、空間だった。

・・・とこんな書き方すると、笑えない話なのかもしれないような表現になってしまっているかもだけれど。
頭にも書いたが。忘れてはいけない。基本はコメディ、コメディだ。本家「ナイゲン」ぽさのパロディっぽかったり、ヤクザのかしましさだったりに、クスクスケラケラ、笑いはするのだけれど。どこか「演劇」っていう、当たり前の事を忘れていた、忘れさせてくれていた。そんな不思議だけれど、のめり込める、世界だった。

よくよく考えたら、女性が誰一人出ていないのに、何興奮しているんだろ、俺。

舞台装置。椅子と机の質感が非常にマッチしていたのも印象的。

気になった役者さん。・・・もう、みんなヤクザの方ですよね、と言いたいので、細かく書きません。一人。淺越岳人、ベスポジで拝見させていただきましたが、いつもの?屁理屈っぽいのが出るときの、あの甲高い声の時は・・・いつもの感じか、と思ったけれど。ちょっと抑えた感じ、抑えているけれど、腹黒い一味も二味も世界を睨んでいる感じが、たまらなく好きでした。