まだ間に合う公演レポ(29日23時)
●5/31(日)まで 第14回春季全国高等学校演劇研究大会

<観劇レポート>アンティークス「一滴のしずく」

#芝居,#アンティークス

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 アンティークス
アンティークスVintage27
一滴のしずく
脚本 岡﨑貴宏
演出 岡﨑貴宏
日時場所 2019/12/11(水)~2019/12/15(日)
「劇」小劇場(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

主宰 岡﨑貴宏が、2004年8月に旗揚げした劇団である。
既成の価値観にとらわれない、時流に流されない、地に足をつけた芝居創りを心がけています。
毎回、ワークショップで出演者を募り、手作り感ある演劇を創作しています。
アンティークスは、毎回ひとつの物(あるいは存在)をキーワードにストーリーが進行していきます。基本は、現代劇です。出演者の人間性を生かし、関係性や空気感や状態を丁寧につくっていきます。面白さを探求すると共に心と心の、波動に響かせる物語を創作します。
日常と非日常の2面性を持たせながら、どこかノスタルジーを感じさせます。しゃべり言葉のお芝居です。
本来もっていたはずの日本人の思いやりや優しさ、素朴さを織り交ぜながら、混沌とした現代の世の中にわずかな希望を見出だせる、そんなお話を近年描いてます。

アンティークスOfficialSite

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

人は生まれて亡くなっていく。誰もが避けては通れない「この世」のたどり・・・
はじめて出会ったのに、ずっと前から出会ってたような気がすることがある。
何度も何度も出会い、別れ、「人」は何度も何度も同じあやまちを繰り返す・・
すべての人生はつながっている。
人は生きながら物語る・・そして存在が亡くなってからも・・

観劇のきっかけ

気になって観ている劇団です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2019年12月13日
19時30分〜
上演時間 100分(途中休憩なし)
価格 3300円前半割引・全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページからリンクをたどり、チケットを予約しました。
当日清算でしたので、受付で前売り料金を払いました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。年齢層は、若い方からシニア層まで様々。2人組やグループでの観劇が多かったように思います。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・会話劇
・泣ける
・人情劇

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーの軸は、田村家の家族で営む民宿での話と。その民宿で働くことになった、ゆうさんの少年期の物語。民宿では。三人目の娘、ゆりを産んだ直後に死んでしまった母。父と家族三人で民宿を営んでいて。次女の美樹は教師をしながら手伝っていて。そこに、学校で知り合った身寄りのないゆうさんが働き出す。最初は戸惑いもあるも、徐々に慣れていく。一方、美樹の学校でトラブルを起こして、ゆうさん、という男性が民宿で働き始める。ゆうさんは、幼い頃に家族を失い、記憶も失い、養護施設で育った過去を持つ。様々な人が出入しつつも、その民宿が人々の癒しになっていく。そんな中、美樹の友人のセラピストが、ゆうさんの過去を蘇らせる。ゆうさんの少年期の物語。裕福ではないが幸せな家族が、バスの事故にあう。記憶を取り戻したゆうさん。民宿を大掃除していると、母がゆりを産む前に残したビデオが出てくる・・・と、強引に要素をまとめると、こんな話。

アンティークス。観劇三昧で観たのも含めると、5本目くらい。劇団15周年の一作。これまでの作品のここ3作に共通して言える事は、どうにもしようがない別れ・・・特に母や家族との別れ・・・を一貫して描いている事。今回は、いろいろな別れや、辛さを、一つのストーリーとして綴る形。

ストーリーは直球・・・というか、どうにもできない哀しい背景を描いているにも関わらず、反面、何処かとてもユートピア的な部分がある。人間のリアリティのドラマ、みたいなものとは、何処か違う線を走っている感覚。「人間、そんなにスパッと割り切れないだろ」うとか「もっとドロドロした部分もあるんじゃないのか」、とか、正直そんな事を思わなくもない。悪く言うなら「臭い」という言い方も出来る路線だとは思う。

しかし、終盤に向かって過去の「別れ」に焦点が当たってくると、そんな感覚が薄れてくる。もう、どうしようもない喪失感だし、どうしようもない寂しさだけれど、それでも「生きていかないと」いけない。そんな不安定な感覚を、なんとか条件を整えて結晶化しているような、そんな感覚になってくる。ラスト、母の残したビデオレターを見るシーンは、設定としてはありがちだけれど。そこまでに紡いできた物語が焦点を当ててきた、人間が生きる事への暖かい眼差しを基に、集大成させたような構成で、涙をせずにはいられなかった。

悪く言えば「臭い」という路線を、幹の太い感情のうねりとして、しっかりと作品化してくれる。アンティークスは、そんな魅力がある劇団だなぁ、と再認識した。そして、劇団を観続けて少しずつ気になってしまうのは、この作品群の原体験は、一体どうゆうものなのだろうか、という事。・・・まあ、種明かしをする必要は、実はないのかもしれないけれど。

気になった役者さん。坪和あさ美、舞台で何度か拝見している役者さん。全体の物語を回していく安心感と、母を見つめるラストシーンが忘れられず。中沢志保、お母さんにはちょっと年齢が若い気がしたけれど、ラストシーンを盛り過ぎず削り過ぎずの感情で演じる姿が記憶に残る。早井麻琴、秦さやか、兼本得義、長沢彩乃の4人家族が、物凄く印象的だったなぁ。もちろん、幼少期の2人は、大人が演じている無理も垣間見えるのだけれど、大人が「思い返した時の記憶」みたいなものの立体化が印象的。飲んだくれの父を愛する母の姿も印象的。髙橋慶太、卑屈?な感覚を嫌味なく見せ続けるのがよかった。

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