<観劇レポート>OKAMI企画「Cymbeline -シンベリン-」

#芝居,#OKAMI企画,#theater 045 syndicate,#劇団820製作所

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 OKAMI企画
OKAMI the 15th 欣喜雀躍新春公演
Cymbeline -シンベリン-
脚本 W.シェイクスピア
脚色 波多野淳紘(劇団820製作所)
演出 中山朋文(theater 045 syndicate)
日時場所 2020/01/18(土)~2020/01/19(日)
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

OKAMI企画
神奈川を拠点とする演劇プロデュースユニット。
2013年に横浜国立大学演劇研究会「劇団三日月座」より派生した。
OKAMIは結成当時に三日月座で小さなブームとなっていた「女将のモノマネ」が由来となっているため、オオカミではない。

OKAMI企画 – OKAMI企画

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

シェイスピアが後期に展開した「ロマンス劇」に分類される『シンベリン』

『ロミオとジュリエット』の純愛と薬の仕立て。娘に対する『リア王』の頑迷さ、『オセロー』の嫉妬、『十二夜』における男装など、シェイクスピア作品の諸要素が無数に散らばる怪作が、令和ヨコハマに蘇ります。

《あらすじ》
 ブリテン王シンベリンは、王妃の連れ子クロートンと結婚させようと考えていた娘イノジェンが幼馴染みのポステュマスとひそかに結婚したことに激怒し、ポステュマスをローマへ追放する。
 ポステュマスはローマ人ヤーキモーとふとしたことから妻の貞節を賭けることになる。ヤーキモーはブリテンまで旅してブレスレットを盗み出し、ローマにもどるとポステュマスに誘惑が成功したと嘘をつく。
 イノジェンの不義を信じ込んだポステュマスは、怒りのあまりブリテンにいる自分の召使いに彼女を殺すように命じる。それを知ったイノジェンは、男装してローマへ向かう。道中、迷い込んだ洞窟で一人の老人と二人の若者に出会う。その頃、ブリテンとローマは戦闘状態に突入し、妻への復讐を後悔するポステュマスは、ローマ軍の一員として戦いに参加する――。

観劇のきっかけ

気になっていたところ、出演されている方からお誘いを頂き、の観劇です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2020年1月19日
13時00分〜
上演時間 130分(途中休憩なし)
価格 3000円 全席自由

チケット購入方法

当日券でしたので、当日直接、受付で購入しました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。いろいろな年代層の方がいて、特定の客層はありませんでした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・シリアス
・泣ける
・ロマンス
・シェークスピア

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

シェークスピアの戯曲、「シンベリン」。ストーリーは、Wikipediaあたりを参照していただくとして。
シンベリン – Wikipedia
正直なところ、私はシェークスピアは苦手だ。出来るだけ近付かないようにしている。なので行く前からかなり心配していた。寝てしまったらどうしよう、と。まったく杞憂だった。2時間、殆ど飽きる暇がなかった。

シェークスピアの恋愛ものというと、悲恋話が多いのかと思っていたが、この話は最終的にはハッピーエンド。死んだのは王妃とクロートンのみ。スケールは大きいし、幽霊とか占い師とか、超自然的なものが登場しつつも、割とベタな恋愛ものをシェークスピアは描いているんだなぁ、というのがちょっと意外でもあって。その意外さもあってか、ラストまで、どうなるの?どうなるの?というのが目が離せずじまいだった。

とはいえシェークスピアなわけだから、物語は、既に400年前に完成している。その物語を、いかにこの空間に立体化させるか、という事を、それぞれの表現者がかなりのレベルまで引き上げて創り上げて。そのハーモニーが成功して、とてつもない空間を作っていた、という感覚だった。

脚本について。実際の戯曲をどれくらい忠実なのだろうか、という疑問が出てくる。シェークスピア独特の、ちょっと回りくどい台詞回しはある程度残しつつも、突然現代口語のような要素も出てくる。シェークスピアの困るところは、あの独特のセリフ回しを聞いていると、途中で言っているのかが全く分からなくなってしまうのが、個人的には問題なのだけれども。今回の作品、あちこちに記載されているストーリーを読む限り、大きく省略している箇所はないように思うので、ストーリーはそのままに、今風に置き換えた脚色を施したのだろうと思う。劇団820製作所の波多野淳紘が、脚色を担当している。理解しやすく、でもスリリングな展開をする作品だった。

気になった台詞がいくつかあった。うろ覚えだけれどメモしておくと、イノジェンがキザーニョに殺してくれと懇願する時「子羊が肉屋にお願いしているのよ」というのと、セリフの主は忘れたが「運命とはその貸し付けを正確に取り立てに来る。正しい場所に人を導くために」。これは、シェークスピアの原典のからの台詞だろうか。

役者さん。一人一人が、とても上手い。配役を記したパンフレットのようなものはなかったため、配役が誰なのか、役名が何なのかが分かり難いが。分かった限りで照合していくと。シンベリンを演じる今井勝法の、いつもの迫力のある声とちょっと間の抜けた感じが変わらず迫力あり魅力的。小林麻子の、ちょっと嫌で不気味な感じの王妃。御法川わちこの、一途なイノジェン。途中から、少年に扮して紙をバッサリ。まさかそうなるとは知らずちょっとドキッとしたし。演出もしている中山朋文の、ちょっととぼけたルーシアス。いくつかの役で出てくる、禿恵。世界観にマッチした役者さんが多く。
役者さんとの対応関係分からなかったが、キザーニョ(ピザーニオ?)役や、クロートン役、ポスティマス役、ポリドアとなのるギデリアス?役の方などなど。一人一人が味があり過ぎる役者さんばかりなのに、全体としてのグルーヴ感が物凄くあった。

スタッフワーク。スタジオ「HIKARI」は舞台や客席を、比較的自由に設定できる。今回は入口手前側を舞台として利用し、後方に客席を設けるスタイル。入り口付近にある大きなが、玉座となったり、部屋のベッドとなったりといろいろと早変わりする。そして、ラストに出てくる松のモチーフが簡単な舞台セットになっている。暗闇から現れ暗闇に消える出はけや、客席後方からの出入も駆使してサラサラ流れるような物語。特に、照明の作り方・・・theater 045 syndicateの中山朋文の作風だろうか。地灯りで、フィルター(ゼラ)を通していない、灯体の地灯りのみの光線で魅せるシーンがとても印象的で。「ヨコハマ・ヤタロウ」の時に見た、あの眩しい照明の空間を思い出した。確認したところ照明を担当しているのは、同じく阿部康子で、このコンビで産み出している空間か、と思った。衣装、奇をてらってはいないものの、シェークスピア劇に相応しい人々を表現していて、血生臭いシーンも多々あるも、見事に表現していた。

とにかく、空間に居たことの余韻が凄くて、それをただ書き写しただけで、上手く感想を書けていない気がする。すごい空間だったなぁ、という事だけは、ひとまず書き残しておきたくなる作品だった。

そういえば、一つ困った事があった。情けないかな、人物の名前を覚え切れない事。(ここの感想に記載したのは、観劇中のメモと、Wikipediaの記載に合わせている。聞き間違いなどの可能性が多々ある。)名前で呼びかけている時、あれ、イノジェンって誰だっけ・・・あヒロインだ、とか。そういう「つながるための時間」が必要だったのは確か。役名一覧と続柄だけでも、書いたものを配っていただけると助かるのだが。あるいは、思い切って日本人が覚えやすい名前に変えていただくとか。ワガママなお願いかも、だけれども。・・・しかも今回の座組、佐々木さんが3人。山中さんが2人。で、中山さんもいる。。。。覚えられん・・・。笑

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