<観劇レポート>EPOCH MAN「鶴かもしれない2022」

#芝居,#EPOCH MAN

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 EPOCH MAN〈エポックマン〉「鶴かもしれない2022」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名EPOCH MAN〈エポックマン〉
小沢道成ひとり芝居
鶴かもしれない2022
脚本小沢道成
演出小沢道成
日時場所2022/02/23(水)~2022/02/27(日)
本多劇場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

虚構の劇団に所属する俳優・小沢道成が、2013年から始めた演劇プロジェクト。

人(特に女性)の心の中をえぐり出すような作風と、繊細かつ粘り気がありながらスピード感ある演出が特徴のひとつ。
問題を抱えた人物が前進しようとした時に生まれる障害や苦悩を丁寧に描きつつも、演劇ならではの手法で会場を笑いに誘う。

上演時間:70分〜80分以内を目指すお尻に優しい時間設定

毎公演ごと、外部で出会ってきた好きな俳優・スタッフ陣、様々な仲間を巻き込むプロデュース企画を展開していく。

EPOCH MAN〈エポックマン〉

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

本多劇場で贈る孤高の一人芝居、2022年新演出版「鶴かもしれない」

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俳優・小沢道成が、「ひとり芝居」で本多劇場に挑戦する。演目は、今回で4度目の上演となる代表作『鶴かもしれない』。
2014年、明大前の小さなギャラリーで初めて上演。その後、2016年にOFF・OFF シアター、2020年に駅前劇場と、劇場が変わるごとに着実にスケールと深みを増してきた本作が、いよいよ演劇の聖地・本多劇場で上演。

本作の見どころは、童話「鶴の恩返し」をベースにし現代に置き換えた、犠牲的な女の愛。
命を助けてくれた男のために自らの羽をむしりとって機(はた)を織る鶴のように、愛する男のために女は尽くす。
その生々しい恋愛心理を、ユーモアとアイロニーに満ちた台詞で、時に鋭く、時に滑稽に描き出し、観客の共感を誘う。

そして、もうひとつの見どころが、ラジカセを使った遊び心あふれる演出。
小沢は3台のラジカセに台詞を吹き込み、それと会話をすることで、女と男のやりとりを表現する。
一風変わった「ひとり芝居」のスタイルは、今回も健在。
そこに本多劇場ならではの新たなギミックを盛り込むことで、自らのライフワークとなっている本作を2022年仕様にリブートする。

音楽、美術、衣裳、そして物語も新たに構築した新演出版「鶴かもしれない」。
一人芝居の枠を超えた本作が、本多劇場に降り立つ。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2022年2月25日
19時30分〜
上演時間75分(途中休憩なし)
価格5000円 全席指定

チケット購入方法

ちけっとぴあで予約・決済しました。
セブンイレブンで、バーコードを提示してチケットを発券してもらいました。

客層・客席の様子

男女比は3:7くらい。
若めの女性が目立ちましたが、同時に、演劇が好きそうな40代upの男性も目立つ、ちょっと見ない取りあわせでした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・コメディ
・シリアス
・泣ける
・笑える
・一人芝居
・考えさせる
・シンプル

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは、事前記載の通り。「鶴の恩返し」の物語を、現代に置き換えたかのように描く。前半はコメディ調に、助けてもらった男の家に半ば強引に転がり込んてしまう女の様子。後半は、ハタ織り…ではなくて、風俗のような場所で、自らの羽…ではなく精神を原料にしながら、男に貢ぐ金を稼ぐ女を描く。好きな女が、そんな仕事をするのに耐えられない男は、鶴を捨てる。現代で、己の存在意義を、助けてくれた人に貢ぐ…という事にかけることしかできなかった、悲しい境遇も含めて描く。

凄かった。一人芝居でここまで描くのか、という凄さがあった。神々しかった。小沢道成、今回初めて観た役者さん。大部分が鶴の役として女を演じつつ。途中男の役を演じたりする切替の速さと、感情のうねり、盛り上げ方。観終わった後尊いものを観てしまったなぁ…という感覚。カーテンコールは3回。でもどこか、恥ずかしくてすぐに引っ込んでしまうような挨拶。でも客席は帰したくないので拍手し続ける。一部スタンディング・オベーションしている人もいる(コロナでなければ、客席は総立ちになっていたように思う)。きっと、ラストのあの、女の悲哀を演じるところから、日常にはすぐには切り戻せなかったのかなという気もする。

後半は明確に、ギアチェンジ、話をすり替えていたように思う。前半のコミカルさを消し、現代の女、しかも「どん底」で働く女の哀しみ。「誰かに尽くす」という事にしか、希望を見出し得ない現状。・・・鶴の恩返しがべースだし、後半の展開は、頭の片隅で何となく予想はしていたのかもしれない。でも、そんな展開は観たくない、という思いが強くて、否定していたかったのかもしれない。ラスト、捨てられた鶴が、町の道端で助けを求める。それは冒頭のシーンに戻る、という事でもある。何となく別の物語の影を感じつつも(タイトルが出てこない…)、その空間に確かに存在した想いみたいなものに思いを馳せさせる幕切れだった。

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