<観劇レポート>メロトゲニ「銀河の生活」

#芝居,#メロトゲニ

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 メロトゲニ 「銀河の生活」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名メロトゲニ
銀河の生活
脚本村田こけし(メロトゲニ)
演出村田こけし(メロトゲニ)
日時場所2022/11/23(水)~2022/11/27(日)
「劇」小劇場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

メロトゲニ -mellotogeni-
札幌の劇団「おかめの三角フラスコ」を経て、2015年、作家・演出家の村田こけしを中心に、役者の原 彩弓、美術の金子ゆりが立ち上げたユニット。主な活動は演劇。2017年、メロトゲニの旗揚げ公演を打つ。現在は、役者のまちだまちこ、振り付け兼役者のめんたいこを加えて5人で愉快に活動中。 拠点を東京に置き札幌〜東京を結ぶ活動にも力を入れていきたい。

mellow【熟れた・満たされた】+ otogeny【個体発生】からなる造語であり、「役者・美術・脚本家という違う個体同士が混ざり合う」という意味合いを持つ。

メロトゲニ

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

白い布団、白い壁、誰かが書いた落書き

留守番、歯磨き粉、生理ナプキンの共有

お姉の彼氏、万引き、つまんない土曜

私たちの生活には、綺麗なものなんてほとんどなくて、

ただひび割れていく天井、みたいなものばかり

壊れていくのは生きてることで、自然は自由と似ている

結成 5 周年を迎えるメロトゲニが綴る、5人姉妹の人生譚。 メロトゲニの役者である原彩弓、まちだまちこ、めんたいこ、の3名に加え、 ヒロシエリ、森川瑠菜を迎え、女性キャスト5名から織りなす物語。

▼INTRODUCTION▼

ひとり暮らしをしていた母が死んでから、ずっと放置されていた実家。 いよいよ壊すことになった日、の前日。

5人姉妹が集まった、かつての大好きな城。 何もなくなった茶の間で5人、縦並びで眠っていると 記憶と思い出がごちゃ混ぜになって、母の記憶と私たちの記憶にゆっくり潜り込んだ。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2022年11月25日
14時00分〜
上演時間120分(途中休憩なし)
価格4000円 全席自由

チケット購入方法

イープラスで購入・決済をしました。
セブンイレブンでバーコードを提示して、110円の手数料を払ってチケットを受け取りました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。様々な年代層の客がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・会話劇
・シンプル

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

劇団初見。実家の一軒家。居間と台所。五人姉妹は、母子家庭だった。母が死んで二年。その家に住んでいた末っ子も、家を出て、家は壊される。久々に集まった五人姉妹。荷物を片付けたら特にやることがなく、時間を持て余す。問わず語りをしているうちに、末っ子が高校生の頃からの思い出がよみがえってくる。母は、他の女と暮らすことになった夫に捨てられてから、一人で五人姉妹を育てた。でも、どこか余所余所しくて、家に寄り付かないようなところがあった。家を明け渡す前日の、姉妹たちの語りを切り取った作品。

書いたようなストーリーなのだけれど、、、それぞれの年代のシーンでどんなエピソードがあったかな・・・と思い返しても、うまく思い出せない。末っ子が、高校時代に万引きした事を姉妹にからかわれるところからスタートするお話なので、万引きの話は覚えているのだけれど。細かいことが、なぜか全然思い出せない。思い出されるのは、そこにいる五人姉妹の、とてもリアルでざらついた存在感。生理のナプキンを借りたり、寝る前に顔をパックしているシーンとか、そんな事ばかりが蘇ってくる。そして、舞台には一度も登場しない、母の存在。五人姉妹で母子家庭・・・というのは、特殊なのかもしれないけれど、それはやっぱり、どこにでもある家族の一場面でしかなくて。

5人+母親。気の合う仲の姉妹もあれば、そうじゃない仲の姉妹も。古い家で、夫に逃げられてから逃避しているような母に育てられながら、貧乏で、田舎だから何もなくて。それでも、そこに確かにあった、生活。家族。実家から育った今となっては、それはどこか宇宙飛行士が、地球に帰還した時に感じる疎外感のように、どこか遠い記憶で、姉妹にとっても現実感が無いのだろうけれど。そこにあった一つの空気を、物語というより姉妹の関係性の中で表現しているのが、とても印象的だった。

会話が自然・・・な芝居は世に沢山あるけれど、この作品の姉妹たちの会話は、計算されている感が全く無くて、どこか、インプロ的に作られた・・・とでもいうのか、アドリブのやり取りをたくさん積み重ねて作られたような芝居なのかな・・・という感覚を受ける。明確に芝居として観せるために作られているのに、同時に、独特の自然な「みずみずしさ」を含んでいる感覚。演劇的な不自然さを排除しないのに、とても自然に見える不思議。この感覚は、他で味わったことがなく、唯一無二じゃないかなぁという印象を受ける。初めて観る劇団だけれど、毎回こんな感じなんだろうか。札幌と東京を拠点にしているみたいだけれど、継続して作品を観てみたい思いを強く持った。

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