【観劇レポート】アガリスクエンターテイメント「発表せよ!大本営!」(2025年再演)
【ネタバレ分離】 アガリスクエンターテイメント「発表せよ!大本営!」の観劇メモです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | アガリスクエンターテイメント |
回 | 二十周年記念興行第二弾・第33回公演 |
題 | 発表せよ!大本営! |
脚本 | 冨坂友 |
演出 | 冨坂友 |
日時場所 | 2025/08/13(水)~2025/08/17(日) シアターサンモール(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
屁理屈シチュエーションコメディ劇団。
一つの場所で巻き起こる事件や状況で笑わせる喜劇、シチュエーションコメディを得意としており、最近では大勢の人物がごちゃごちゃ理屈をこねたり議論をするコメディを作っている。王道でウェルメイドなコメディを独自の理論で一捻り二捻りした作品が多く、そんな中でも“劇場でウケること”を重視して創作している。
母体が存在せず、千葉県市川市の公民館で自然発生した野良劇団であるが、主宰の冨坂のルーツである千葉県立国府台高校を題材にした作品が多く、代表作の「ナイゲン」は各地の高校・大学の演劇部や劇団で上演されている。
演劇公演以外にも、コントライブの開催やFLASHアニメーションの製作などを手がけるなど、活動範囲は多岐にわたる。また、隔月程度の頻度で新宿シアター・ミラクルにて開かれる「演劇」×「笑い」のコントライブシリーズ、新宿コントレックスを主催する。
「アガリスクエンターテイメント」及び「Aga-risk Entertainment」が正規表記。「アガリクス」では無い。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
"彼らは走る、嘘の戦果を発表するために…!”
旧日本軍の公式発表であると同時に、今では「嘘の発表」の代名詞ともなった「大本営発表」。
戦後80年の終戦記念日に上演するアガリスクエンターテイメント次回公演は、隠蔽・改竄・無茶苦茶な言い換えなどで悪名高い「大本営発表」を“流さなくてはならなくなった”人々の奮闘を描く『発表せよ!大本営!』。
2019年に上演し大ヒット、門真国際映画祭2020(舞台映像部門)で各賞を総なめし、「アガリスク最高傑作」との呼び声も高い本作を、大幅にスケールアップして再演します。
戦争ものですが、安心してご覧ください、コメディです。
でも油断せずご覧ください、ブラックコメディです。<あらすじ>
1942年6月。行け行けドンドンの楽勝ムードで臨んだミッドウェー海戦にて歴史的な大敗を喫した日本軍。
戦勝パーティーまで準備していた海軍は、ショックも冷めやらぬまま新たな問題に直面する。
ーーーこの結果を国民にどう発表する?
「真実を伝えるべき」
「いや、国民の士気を落とすわけにはいかない」
「逆に危機感を煽ることによって戦意高揚を図るっていう…」
まとまらない意見。責任をなすりつけ合う各部署。
こうして、海軍報道部員のいちばん長い日がはじまった…!
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2025年08月15日 14時00分〜 |
上演時間 | 130分(途中休憩なし) |
価格 | 5500円 全席指定 |
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
2019年の初演を初日に観ていて6年ぶり作品2度目。アフタートークで得た解説のような情報も交えつつ記載。
初演からストーリーに大きな変更はなく、キャストも7割方そのままにシアターサンモールに持っていった感。いや~面白かった。初演と比べると、タッパが高い分様々な空間を上に広げる舞台セットになっていたが。ついこの間観た感覚だけれど、もう6年も経っているのかぁ。相変わらずに面白い屁理屈シチュエーションコメディだった。
初演と比べる…というほど初演の記憶が鮮明に残っているわけではないのだけれど、感想を読み返してみると、やはり中盤までの何隻撃沈したかのやり取りは、ちょっと長く感じるなぁというのはそのままな気もする。後半走り抜けていく爽快感は変わらない。初演の時に感じた「序破急」より、最後に盛り上がりがかたまっている感覚だった。また、初演の時よりも「大本営発表とは何だっなのか?」という戦時モノに対するテーマ性が高まっていたように感じたけれど、脚本自体には殆ど変更はない気がするので、演出的な重みのつけ方の変化だろうか。
アフタートークが鈴木保奈美の回。冨坂友と語るのを中田顕史郎が進行する形。登場人物はある程度創作の割合が多いも、実際に大本営発表の文書に当たって執筆しているというのを話していて驚き。劇中「中途半端な大本営発表」の話が出てくるが、これも実際の大本営発表をそのまま利用しているという。基になった本がある、というのは初演の時の前説にも語っていたけれど、キャラクターは創作だが、ある程度発表自体はちゃんとした史実に基づいているんだなぁ。2025年4月期にフジテレビで放送された「人事の人見」(冨坂友が脚本)の出演者が客席にいて、鈴木保奈美に呼ばれて舞台に上げられたりして面白かった。
次回は新作を期待。