<観劇レポート>ムシラセ 「『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』(再演)」

#芝居,#ムシラセ

【ネタバレ分離】 ムシラセ「『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』(再演)」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名ムシラセ
第13回公演
『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』(再演)
脚本保坂萌
演出保坂萌
日時場所2023/07/13(木)~2023/07/18(火)
駅前劇場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

美大出身の保坂萌が2008年に立ち上げた演劇プロデュースユニット。
ムシラセ=虫の知らせ。
「虫」とは、人間の体内に棲み意識や感情にさまざまな影響を与えると考えられていたもの。
人のこころの中にある悪いものをナナメからみて、チクリと知らせるような脚本と
イラストレーターYONEROCKによる実験的な空間美術が特徴。

ムシラセ

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

『つやつやのやつ』
同期が死んだ。
周りの中で⼀番最初にテレビに出て、⼀番最初に賞を取って、⼀番最初に売れた芸⼈だった。
仲は良かった筈なのに、なんだか涙は出ない。
正直、今俺はそれどころではない。
隣にいる⾃分の相⽅がポンコツを超えてそもそもお笑いに向いていない。
俺が売れない原因は多分、いや 100%コイツのせいだと思う。 今⽇こそ解散を切り出したいのに、邪魔ばかり⼊る。
師匠も後輩も元カノも、いいから黙れ。
頼むから、ちゃんと悲しませてくれよ。
通夜の夜、何かになりたいけどまだなれない、芸⼈たちのお話。

『ファンファンファンファーレ!』
推しが死んだ。
駆け出しから売れるまでを⾒守った、お笑いという世界を教えてくれた芸⼈だった。
⼤好きだったから、涙しか出ない…
はずなのに、今のあたしはそれどころではない。
隣にいる友達が、空気を読めていない。
あんたの推しは死んでないとはいえ、振る舞いというものがあるだろう。
いまいち深刻になりきらない原因は多分、この⼦のせいだと思う。
今⽇こそちゃんと吹っ切れたいのに邪魔ばっかり⼊る。
いじわるな劇場スタッフも、芸⼈志望の変な⼥⼦⾼⽣も、いいから黙って。
お願いだから、ちゃんと悲しませてよ。
⼀周忌の楽屋裏、夢と現実をみる、出待ちの⼥の⼦たちのお話。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2023年07月16日
18時00分〜
上演時間115分(途中休憩なし)
価格4300円 全席指定

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

劇団初見。観劇候補に入れていた所、評判がいいので満席ギリギリでチケットを入手。ストーリーは事前記載の通り。お笑い芸人の突然の死からはじまる、養成所の同期の物語の「つやつやのやつ」と、死んだお笑い芸人を出待ちしていたファンの物語「ファンファンファンファーレ!」の2編。一時間ずつで語られる、残された人々の物語。

強烈に感じるのは、脚本の巧みさ。どちらかというとライトなコメディ色が強いのに、後半ではホロリと確実に泣かせる。ストーリーがものすごく頭に残る・・・というタイプの芝居でははなく、今セリフを思い出してみろと言われると、実はなかなか難しいのだけれど。観ている瞬間、人をグググっと惹きつけるのが巧みな言葉の連なりに、うむうむと唸る。劇団初見というのもあり、こういうライトに観れるタイプの作風なのかは不明。この作風だけだとちょっと勿体ない気もして、他の作品の作風がどんなものか、観てみたいという興味がわいてくる。

力強い脚本に、巧みな実力派の役者さんが大集合してる感。お笑いコンビ「ぶるぶるタブレット」の佐藤新太と辻響平。ウイスパーする芸人のインコさん。カブキ姐さんの菊池美里。中野亜美が怒る演技をすると、胸きゅんでたくさんの客が死んでそうな可愛さ。川上献心が「元お笑い芸人」っていうのは(いつもお笑い芸人役なので)妙な現実味があり過ぎてちょっと奇妙な感じ。・・・など、役者の強さも印象に残り。

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