<観劇レポート>KAAT神奈川芸術劇場「さいごの1つ前」

#芝居,#KAAT

【ネタバレ分離】 KAAT神奈川芸術劇場「さいごの1つ前」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名KAAT神奈川芸術劇場
KAATキッズ・プログラム2023
さいごの1つ前
脚本松井周
演出松井周
日時場所2023/07/21(金)~2023/07/24(月)
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

CoRich 公演URL

団体の紹介

横浜、山下公園の近くにある、神奈川県の公共劇場です。

KAAT神奈川芸術劇場

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

“わたしたち、これからどこに行くの?”

天国と地獄の分かれ道で、なくした記憶を探すおしばい。

作・演出は本作で初めてキッズ・プログラムを手がけた松井周、
主人公は日本演劇界を代表する俳優・白石加代子、という
キッズ・プログラムとしては異色ともいえる顔合わせで昨年好評を博した『さいごの1つ前』。

今年はKAATの他、神奈川県座間市、逗子市で上演後、
県外各地にもお届けします!

観客の皆さんにヒントをもらって進むシーンがあったり、
事前ワークショップで制作してもらう作品が劇中に登場したりと、
こどもたちと“一緒につくる”おしばいです。

昨年ご覧になれなかった方も、この機会を是非お見逃しなく!

あらすじ
ここは天国と地獄の分かれ道。カオルはそこで忘れ物をして困っています。
天国に行くには「生きていた頃の記憶」がいるらしく…カオルの忘れ物はその記憶です。
集まった人間たちはカオルのためにあれこれ考えますが、そこに怪しいだれかが現れて…
カオルは無事天国へ旅立つことができるのでしょうか?

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2023年07月21日
14時00分〜
上演時間85分(途中休憩なし)
価格4000円 神奈川県民割 全席自由 整理番号付き

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

観る側としての私が期待値を上げ過ぎて、求めていたものとズレていたなぁ、というのが正直な感想。以前KAATで拝見した、松井周演出の「ビビを見た!」が素晴らしかった。元々は古い子ども向けの絵本の作品を、舞台化したもの。これが、大人が観ても、いやむしろ大人の視点だからこそ楽しめる作品だった。本作は、夏休みの、子どもも観劇対象にしたKAATのプロクラム。観客の1/3くらいが小学生。そして残りはその保護者が大多数。きっとそのような、大人も楽しめる作品が演じられるのかなぁ、と思ったのだけれど。残念ながらそこまで深くはなくて、純粋に子供のためのプログラム。悪い作品、という訳では無いのもも、大人にはちょっと向いていなかった。

コロナ後、マスク必須でないのが許される状態で、プログラムが本格的に再会した、最初の演目、というのもあるのだろうか。リスクを抑えつつも、客席に積極的に語りかけたり、客側に声を出すように演出が組まれているのが印象的。仮に上演時に、コロナが再度流行って制約がかかる可能性を考慮して、いろいろなパターンが取れるように模索しているようも感じる。隣にたまたま座った小学生も含め、声を出したり、手を叩いたり、足踏みしたり。楽しんでいた様子が印象的。

おそらく長塚圭史が進めている、神奈川県民の劇場へのインクルージョンの一環だと思われるが、事前に公募で「地獄」の絵を子供たちに描いてもらい、その絵が劇中で利用され「最新トレンド、最近の地獄はこんな感じ」と紹介されるのが面白い。

役者さん。白石加代子の演技を、私が生で観るのは20年ぶりくらいな気がする(記憶が正しければ、鴻上尚史が演出した「ゴドーを待ちながら」以来)。安定感というか、間の息遣いが凄い。久保井研の、ちょっと胡散臭い案内人が、子どもたちが事前に書いた地獄を説明するのが面白い。薬丸翔が、プロフィール写真とだいぶ違ってて驚き。湯川ひなの、客席に語りかける時の優しさが印象に残る。

舞台#芝居,#KAAT