<観劇レポート>KAAT神奈川芸術劇場「さいごの1つ前」
【ネタバレ分離】 KAAT神奈川芸術劇場「さいごの1つ前」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | KAAT神奈川芸術劇場 |
回 | KAATキッズ・プログラム2023 |
題 | さいごの1つ前 |
脚本 | 松井周 |
演出 | 松井周 |
日時場所 | 2023/07/21(金)~2023/07/24(月) KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県) |
団体の紹介
横浜、山下公園の近くにある、神奈川県の公共劇場です。
過去の観劇
- 2024年02月03日 【観劇メモ】KAAT神奈川芸術劇場「『箱根山の美女と野獣』『三浦半島の人魚姫』」
- 2023年12月23日 KAAT神奈川芸術劇場「ジャズ大名」
- 2023年11月17日 KAAT神奈川芸術劇場「SHELL」
- 2023年11月05日 KAAT神奈川芸術劇場「アメリカの時計」
- 2023年05月15日 KAAT神奈川芸術劇場「虹む街の果て」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
“わたしたち、これからどこに行くの?”
天国と地獄の分かれ道で、なくした記憶を探すおしばい。
作・演出は本作で初めてキッズ・プログラムを手がけた松井周、
主人公は日本演劇界を代表する俳優・白石加代子、という
キッズ・プログラムとしては異色ともいえる顔合わせで昨年好評を博した『さいごの1つ前』。今年はKAATの他、神奈川県座間市、逗子市で上演後、
県外各地にもお届けします!観客の皆さんにヒントをもらって進むシーンがあったり、
事前ワークショップで制作してもらう作品が劇中に登場したりと、
こどもたちと“一緒につくる”おしばいです。昨年ご覧になれなかった方も、この機会を是非お見逃しなく!
あらすじ
ここは天国と地獄の分かれ道。カオルはそこで忘れ物をして困っています。
天国に行くには「生きていた頃の記憶」がいるらしく…カオルの忘れ物はその記憶です。
集まった人間たちはカオルのためにあれこれ考えますが、そこに怪しいだれかが現れて…
カオルは無事天国へ旅立つことができるのでしょうか?
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2023年07月21日 14時00分〜 |
上演時間 | 85分(途中休憩なし) |
価格 | 4000円 神奈川県民割 全席自由 整理番号付き |
観た直後のtweet
神奈川芸術劇場「さいごの1つ前」85分休無
夏休みKAATの子どもも対象にした演目の一つ。松井周作。以前観た「ビビを見た!」が良くて観劇。客席1/3位小学生。んーちょっと期待値を上げ過ぎたかなぁ。大人が感じ入れるってのではなかったなぁ。まぁ勝手に大人も感じ入りたいと期待し過ぎたのかもなぁ。 pic.twitter.com/3rT8e0RD71— てっくぱぱ@観劇垢/4 (@from_techpapa) July 21, 2023
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
観る側としての私が期待値を上げ過ぎて、求めていたものとズレていたなぁ、というのが正直な感想。以前KAATで拝見した、松井周演出の「ビビを見た!」が素晴らしかった。元々は古い子ども向けの絵本の作品を、舞台化したもの。これが、大人が観ても、いやむしろ大人の視点だからこそ楽しめる作品だった。本作は、夏休みの、子どもも観劇対象にしたKAATのプロクラム。観客の1/3くらいが小学生。そして残りはその保護者が大多数。きっとそのような、大人も楽しめる作品が演じられるのかなぁ、と思ったのだけれど。残念ながらそこまで深くはなくて、純粋に子供のためのプログラム。悪い作品、という訳では無いのもも、大人にはちょっと向いていなかった。
コロナ後、マスク必須でないのが許される状態で、プログラムが本格的に再会した、最初の演目、というのもあるのだろうか。リスクを抑えつつも、客席に積極的に語りかけたり、客側に声を出すように演出が組まれているのが印象的。仮に上演時に、コロナが再度流行って制約がかかる可能性を考慮して、いろいろなパターンが取れるように模索しているようも感じる。隣にたまたま座った小学生も含め、声を出したり、手を叩いたり、足踏みしたり。楽しんでいた様子が印象的。
おそらく長塚圭史が進めている、神奈川県民の劇場へのインクルージョンの一環だと思われるが、事前に公募で「地獄」の絵を子供たちに描いてもらい、その絵が劇中で利用され「最新トレンド、最近の地獄はこんな感じ」と紹介されるのが面白い。
役者さん。白石加代子の演技を、私が生で観るのは20年ぶりくらいな気がする(記憶が正しければ、鴻上尚史が演出した「ゴドーを待ちながら」以来)。安定感というか、間の息遣いが凄い。久保井研の、ちょっと胡散臭い案内人が、子どもたちが事前に書いた地獄を説明するのが面白い。薬丸翔が、プロフィール写真とだいぶ違ってて驚き。湯川ひなの、客席に語りかける時の優しさが印象に残る。