<観劇レポート>MCR「アカデミック・チェインソウ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 MCR「アカデミック・チェインソウ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | MCR |
題 | アカデミック・チェインソウ |
脚本 | 櫻井智也 |
演出 | 櫻井智也 |
日時場所 | 2022/06/22(水)~2022/06/30(木) ザ・スズナリ(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
MCRは1994年に脚本・演出の櫻井智也(ドリル)を中心として、当時同じ演劇の専門学校に通っていた数人により結成されました。
コンスタントに年2~4本の本公演を重ね、本公演22回を数えます。
また、本公演以外でも主宰ドリルによるプロデュースユニット「ドリルチョコレート」公演、第13回ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルの最終予選会出場、各種企画公演への出演等を本公演の間に積極的に行っており、それらを総合すると年に2~5本、計40余公演を上演しております。
過去の観劇
- 2024年04月26日【観劇メモ】MCR「前髪(あなたに全て捧げるけど前髪だけは触るな)」
- 2023年12月23日MCR 「シド・アンドウ・ナンシー」
- 2023年09月17日MCR「絡め取りプリンセス投げ」
- 2023年06月14日MCR「死んだら流石に愛しく思え」最終版(2023年)
- 2022年12月03日MCR「無情」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
総勢16名による愉快な罵詈雑言が飛び交う演劇です。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年6月24日 19時00分〜 |
上演時間 | 100分(途中休憩なし) |
価格 | 3200円 全席自由 前半割 |
チケット購入方法
劇団ホームページからのリンクで、予約しました。
当日、受付で現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。様々な年代の客がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・笑える
・会話劇
・青春
観た直後のtweet
MCR「アカデミック・チェインソウ」100分休無
なんだろ。”15女子高生漂流記が止まらない”、みたいな。面白かった。MCRには珍しく、割と若い人が観た方が刺さるかもなぁ。女子高生はメタファーかと思ったけど、わりとガチかも。モラトリアムなタイムリープ。青春を遠い目でみる。オススメ! pic.twitter.com/l06JmdgiYZ— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) June 23, 2022
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
強引にまとめたストーリー
女子高校生?。修学旅行でホエールウオッチングしたら、船に鯨が体当たりして、無人島に流された。何日たっても助けは来ない。でも不思議な事に気がつく。海面の高さが、いつも変わらない。昨日採ったキノコが、翌日も生えている。どうやらこの島は、同じ日を繰り返し繰り返し、タイムリープしているらしい。助けが来ないのは、消息を絶った場所が分からないので、一日でたどり着けないから。そんな「同じような毎日」を繰り返す女子たちが暮す日々の物語。
感想
いつものMCRなテイストではあるものの、いつものMCRとはだいぶ違うなー、と思った。何がいちばん違うって、作品が刺さる先は実は高校生なんじゃないか、という事。高校演劇の演目として演じても、全然いい気がする(まあ、さすがに恒例の大麻ネタはダメだけど)。MCRと高校演劇…何だか対局にある演劇のようにも思うけれど、こんな風に融合するような感覚もあるんだなーというのが不思議だった。
次から次へと出てくる、女子高生グループ。MCRのこれまでの作品を考えると、どこか記号的な女学生は登場するものの、女子高生そのものを描くのは、はじめて観るように思う。ストレートに「モラトリアム」。同じ日常が毎日続くような、あの学生の感覚。そこで不安に思う事も、ありきたりだと思う事も、マイノリティな感覚も。全てが変わるようで、変わらなくて、でも何かは確実に変わっていて。そんな独特な感覚を、タイムリープで表現する。
場転くらいしか音楽はなくて、セリフで魅せる演劇。言葉の鋭さは相変わらずで、人の嫌な面をサラリとめくって微笑むような、MCR、櫻井智也の感覚はそのままなのに。どこか「青春のノスタルジー」、青春への懐かしさの方がしっくりくる。中盤、ちょっとまとまりに欠けて、退屈さが湧き立ったけれど、いつものMCR作品とは少し違う、でもMCRな、不思議な作品だった。
ラストシーン。踊りながら救助を待つ女子高生たちの中で、暗転の中でキスする三澤さきと加藤美佐江にドキッとした。