<観劇レポート>U-33project「もんくちゃん世界を救う」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 U-33project「もんくちゃん世界を救う」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | U-33project |
回 | U-33project ver.10 |
題 | もんくちゃん世界を救う |
脚本 | 結城ケン三 |
演出 | 結城ケン三 |
日時場所 | 2022/06/22(水)~2022/06/26(日) 王子小劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2015年8月に発足した演劇団体
読み方はユーサンサンプロジェクト 主宰は結城ケン三世の中で話題になる出来事、ニュース、思考は全て
「マジくだらない〇〇」からなるという考えの元に作品を提供
“笑いを取りにいかない笑い”のスタイルを基本に
日常、非日常にある不条理に様々な視点で噛みつき
ユーモアで真意を隠すスタイルによって
笑いの中に真面目なテーマを隠しメッセージを伝える
憂と遊が燦々としている作品を提供します
過去の観劇
- 2023年08月20日 U-33project「燦々」
- 2023年05月26日 U-33project「コスモポリタン」
- 2022年09月16日 U-33project×route.©️「真っ赤なブルー」
- 2021年11月30日 U-33project「嫉妬深子の嫉妬深い日々」
- 2021年10月21日 U-33project「シャンデリヤvol.2」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
◆ストーリー◆
あるところにおじいさんとおばあさんがいました
そしてもんくちゃんもいましたもんくちゃんはある悩みがありました
〝文句〟
どんな時でも突然現れるそいつは
頭の中を支配する迷惑な存在でしたしかし文句には、願いを叶える不思議な力があったのです
もんくちゃんは仲間を集め、強大な敵を倒す旅に出る
果たしてもんくちゃんは世界を救うことが出来るのか?
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年6月24日 19時00分〜 |
上演時間 | 105分(途中休憩なし) |
価格 | 3500円 全席自由 |
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
様々な年代の客がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・シリアス
・笑える
・会話劇
・考えさせる
観た直後のtweet
U-33project「もんくちゃん世界を救う」105分休無
独特の、みずみずしい青臭さ、が特徴の劇団だと思ってるけど、これさすがに青臭すぎて道徳の教科書じゃねえか?と思ったら。最後に見事に裏切られ。結果ほどよく青臭く。女優魅せるの上手いな。特にもんくちゃんとストーリーテラーが最高。オススメ。 pic.twitter.com/aiEmZP7MTg— てっくぱぱ@観劇垢 (@from_techpapa) June 24, 2022
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
私なりの強引なストーリまとめ
もんくちゃんは、もんくを研究するお爺さんと出会う。そして、もんくが溜まっている、犬・猿・キジをお供に、もんく鬼退治に出かける。初戦は惨敗するも、もんくちゃんは気付く。「もんく」じゃなくて「意見」を言えばいいんだ。鬼とのリターンマッチは、「意見」をぶつけて圧勝。調子に乗ったもんくちゃんは「意見」という名のもんくで暴走。いつしかそれは、誹謗中傷の嵐になっていく。桃太郎の話を下敷きに、桃太郎が際限なく力を持ってしまった時の物語。
感じたとこ
桃太郎をなぞった鬼退治が失敗した後に「文句じゃなくて意見を言えばいいんだ」と、もんくちゃん。そのあたりまで…前2/3くらいは、正直なところ「なんと説教臭いいのか」と思った。これまで観たU-33 projectは、イイ感じで青さを表現してくれる作風。でも、これだと青臭すぎて、何だか「道徳」の授業でみせられるビデオのようで。あれれ、どうしちゃったのかな…と、少しゲンナリしてしまったのだけれど。
もんくちゃんが暴走し、犬猿キジも暴走しはじめて。子供向け演劇のセットのような童話な世界が一気に、マジック書きの悪口で染められていくのをみていると、背筋に寒いものが走る感覚。気がつくといつものU-33ワールドな、みずみずしい青臭さ、にはめられてて、思わずムムムと唸ってしまう。
SNSとかナントカな世界。「もんく」は、おじいちゃんとおばあちゃんの喧嘩だけじゃなくて、やろうと思えば世界中に拡散されて、力を持ってしまうようになってしまった。ラスト、うずくまって「ただ私の事をを知ってほしかった(うろ覚え)」というもんくちゃん。…SNSまで話を広げなくても、身近なところでも、それは世界を救う道具にも、壊す道具にもなる。そんな世の中に、私たちは生きている。
この演劇に、そんな今の世の中に対する「答え」があるとは思わなかったけれど。白い舞台セットが、「便所の落書き」のように汚れていく中で、うずくまるもんくちゃんの姿が、今の世の中をものすごく言い表していて。気がつくとド直球な青臭いテーマ。U-33らしい「みずみずしい青臭さ」が漂ってきて、あーやっぱりこの感覚だ、と思った。
今回も女優さんが多い座組だけれど、魅せ方が本当に上手い。もんくちゃんを演じる、ゆでちぃ子。の声と表情がかなり独特で、頭の裏っ側に残りそう。ストーリーテラーの中村透子の動作が、いちいちとても可愛くて印象的。
U-33 project、これまで観た何本かの芝居で、「ここがクライマックス」って言うときに、ピアノ演奏の同じ曲が流れている気がするのだけれど(勘違いかもしれない)、今回も冒頭の暗転とクライマックスに使われてたような気がして、ものすごく脳裏に残っている。何ていう曲だろう。オリジナルなら曲を売って欲しいな、と思う。
(2022年7月19日追記)
たまたま、この曲を見つける。記憶が正しければこの曲 もっぴーさうんど「escort」。フリー素材とは思わなかった。