<観劇レポート>U-33project「嫉妬深子の嫉妬深い日々」

#芝居,#U-33project,#結城ケン三

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 U-33project「嫉妬深子の嫉妬深い日々」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名U-33project
三ヶ月連続公演第三弾 U-33project ver.9
嫉妬深子の嫉妬深い日々
脚本結城ケン三
演出結城ケン三
日時場所2021/11/26(金)~2021/11/30(火)
花まる学習会王子小劇場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2015年8月に発足した演劇団体​
読み方はユーサンサンプロジェクト 主宰は結城ケン三

世の中で話題になる出来事、ニュース、思考は全て
「マジくだらない〇〇」からなるという考えの元に作品を提供
“笑いを取りにいかない笑い”のスタイルを基本に
日常、非日常にある不条理に様々な視点で噛みつき
ユーモアで真意を隠すスタイルによって
笑いの中に真面目なテーマを隠しメッセージを伝える
憂と遊が燦々としている作品を提供します

U-33project

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

私の記憶には印象的な人がいる

“嫉妬深子”

皆がそう呼ぶ女の子は
いつも笑顔で明るくて
いつも周りに沢山の人がいる

だけど、いつも何かに嫉妬していた

彼女とは仲良しではないが
喋らない事もない
いわゆるただの同級生

でも私にとっては
凄く気になる存在だった

今日は卒業以来初めての同窓会
彼女は元気にしているだろうか

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年11月29日
13時00分〜
上演時間95分(途中休憩なし)
価格3500円 全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページからのリンクで予約しました。
当日、受付で現金で支払いました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。
月曜マチネだからか、割と40代upのお客さんが目立ちました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・コメディ
・考えさせる
・自意識

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

劇団の3か月連続公演の3作目。1作目で好きになって、追いかけて3作目。

学生時代の同窓会。いつも誰かに嫉妬していた、あだ名が「深子」。同窓会に集まっても、彼女は来ていない。あまりにもワクワクし過ぎて寝坊したようだ。でも、深子は同窓会に向かう途中、フリスクを口にしたら、未来の自分が話しかけてきた。自意識にさいなまれる。自分は、なぜあの頃あれほど他人に嫉妬していたのか あの頃考えていたなりたい自分になれたのだろうか、あの頃から変れたのだろうか。同窓会に向かうバスの中で、自分の自意識だったり、青春時代のモヤモヤした何かとたたかう話。

私自身の経験と照らし合わせると・・・。同窓会的な集まりがある日、劇中で寝坊した深子のように、どこかすごくワクワクする一方で、過去の出来事がフラッシュバックして素直に楽しもうとする感情をブロックしてくる。私にも、何度も心当たりがある。あの時の憂鬱の正体を、「嫉妬深子」のちょっと極端なキャラクターを使ってあぶり出す。

とても青臭い感覚。青春の光と影。自意識のせめぎ合い。タイトルの通り、あの時こう振舞えなかった「嫉妬」と「後悔」に似た感情。・・・誰もが感じる、でも、ちょっと直視はしたくない感情のフタを、強引に開けられて「ほら箱の中身見てみなよ」と目の前にドンって置かれた感覚。直視したくはないけれど、目の前に置かれると(40代の私には)妙に懐かしい。サラリと理路整然と、舞台上に立ち上がる感覚が愛おしくて、ほんの少しだけ涙した。

深子は、ラストシーンを除いて、常に体操服。どこか成長できない、あるいは、昔のままの自分、を投影している。一方周りの女子たちは、それぞれの性格を投影した服を着ていて。(深子が体操服なんだから、周りは制服・・・とはならず、でも制服っぽい要素がちょこちょこ織り交ぜられていて)、各々の個性を表現する服・・・「深子」が見た心象風景としての他人・・・になっているのが効果的。

気が付くと、出演者は全員女性。(3作目も観に行くぞと決めていたので、キャストが女性だけとは気が付かなかった)。物語の中でも、それぞれ個性的であることが、1つのキーポイントになっているけれど。観客としては(あるいは他の団体の創り手さんにとっても)女優さんの博覧会のようで、ここまで次から次へと違うタイプの女優さんが出てくるのが、物語とは関係ない所で楽しくもあり。「笑っていいとも」のパロディって、若い人にもまだ通じるよね。増刊号、的なのもしっかり含まれて面白い。ラストシーンに流れていた曲は、「カムカムバイバイ」の時と同じ曲だろうか。何の曲だろう。他でも聴いたことがあるような気がする。

「カムカムバイバイ」の時にも感じた、独特の青臭さを表現する劇団。観ていると何故か、演劇集団キャラメルボックスを、何度も思い出す。作風も「青臭さ」の方向も、全く・全然・明確に、異なる劇団だけれど。多くの人が理解する甘酸っぱい感覚を、上手く捉えて毎回再現してくれるのって、他にはキャラメルボックスくらいしか思い浮かばなくて。U-33Projectはまだ3作観ただけだけれど。この感覚が繰り返されるなら、なんだか癖になりそう。