【観劇レポート】劇団迷々「赤い鳥の居る風景」
【ネタバレ分離】 劇団迷々「赤い鳥の居る風景」の観劇メモです。
もくじ
初回投稿:2025年09月20日 9時10分
最終更新:2025年09月20日 9時10分
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 劇団迷々 |
回 | 劇団迷々第5回公演 |
題 | 赤い鳥の居る風景 |
脚本 | 別役実 |
演出 | 川野直野郎 |
日時場所 | 2025/09/18(木)~2025/09/21(日) シアターシャイン(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
東京の小劇場を中心に活動する劇団。現在、劇団員は主催:唯乃 雅のみであり、毎公演ごとにプロダクションの形を大きく変えながら活動を行なっている。2023年4月から活動を開始。スタイリッシュな身体表現と貪欲な熱量が特徴の舞台を創る。学生・若者を中心にスタッフ・キャストを編成しているが、年齢や活動地域などに制限は存在しない不定形な形の劇団である。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
【あらすじ】
自殺した両親と死因を探る委員会。残された盲の女と弟は、両親の借金を返すことになる。親類や町の人々は優しさで二人を取り巻くが、静かな生活は、やがて奇妙な歪みを見せ始める。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2025年09月19日 14時00分〜 |
上演時間 | 125分(途中休憩なし) |
価格 | 3800円 全席自由 |
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
赤い鳥の居る風景
団体初見。作品初見。チラシのセンスが良さそうなので観劇。迂闊にも別役実作品だというのを知らずに見てしまった。しかも岸田國士戯曲賞受賞作品らしい。ずいぶんと別役っぽい脚本を書く若手さんだな、とか思っていたが、開始10分で、カバンをゴソゴソしてチラシを確認したら別役作品だった。無知にも程がある私。やっぱり別役実の不条理劇はどこか独特。初見の若い団体のようだけれど、別役作品は脈々と受け継がれているらしい。ストーリーは検索すれば出てくるのでそちらに譲るとして。
途中から怖さが募る。両親が死んで、姉は盲目で、弟はどこかぐうたらで、で借金あって。人生ハードモードな兄妹。妹の状況。「青い鳥」ではなくて「赤い鳥」を追いかけることをレゾンデートルにする「無思考の楽さ」を知ってしまったらその快楽をやめれない、的な話にも見えてくる。兄が刑務所から脱獄すべき理由を姉がとつとつと、でも感情昂って話すのが怖い。盲目の姉は、無思考かもしれないけれどでも教養と思考力はあって、あの語りに人生を見透かされたような感覚、でも決して姉のように叫ぶ人にはなりたくない感覚。盲目は、無知のメタファーというよりどこか「無知でいたい欲望」のメタファーなのかもしれない。
初演の1967年にはどう受け止められた作品んだろう。1967年の頃の自由さと2025年の今のそれが、少しずれているのではないのかな…なんてことをふと考えてしまう。
中盤まで誰が主役なのかが見えにくい作品だが、盲目の妹の演技が印象的。配役表が配られず役者名が分からず残念。