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【観劇レポート】ちゃんとしなきゃ企画「彼女はパンツの女神」

#芝居,#ちゃんとしなきゃ企画

【ネタバレ分離】 ちゃんとしなきゃ企画「彼女はパンツの女神」の観劇メモです。

初回投稿:2025年10月17日 16時57分
最終更新:2025年10月17日 16時56分

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名ちゃんとしなきゃ企画
ちゃんとしなきゃ企画 第2回公演
彼女はパンツの女神
脚本五十嵐山人
演出五十嵐山人
日時場所2025/10/15(水)~2025/10/19(日)
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

五十嵐山人の個人企画です 。

ちゃんとしなきゃ企画

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

「下着売り場で女性がパンティを選んでる姿って、無限大のエロスを感じるよね?」
あの夏の日のパンティを忘れられない男、近藤二路生(にじお)36歳。
結婚し、安定した仕事に就いているがいつも退屈と欲望の狭間で揺れている。
彼の最大の楽しみは、女性のパンツを見たいという妄想を膨らませること。

唯一の青春、パンツの女神のことが忘れられず、こう問い続ける──
「俺の人生にとって本当に大切なものとは・・・?」

夢と妄想とギリギリの欲望をごちゃ混ぜに詰め込んだ「パンティ」に人生を囚われた男の魂の解放劇。
とあるスーパーを舞台に巻き起こる下らない大人たちの下らないお話。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2025年10月17日
14時00分〜
上演時間95分(途中休憩なし)
価格4000円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

ちゃんとしなきゃ企画「彼女はパンツの女神」

30代後半の主人公の男は最近結婚したばかり。流行ってないスーパーの店員で毎日面白くない仕事。一週間が長い。水曜日が辛い。そんなときに思い出すのは、高校時代に転校してきた「パンツの女神」。大阪から転校してきた彼女は、転校初日に偶然風が吹いてパンツが丸見えで彼女のあだ名になった。気にならないのか映画研究会の主人公と仲良くなってパンツ丸見えな彼女が出演する映画を撮ったり。同窓会に来た彼女は変わり果てていた・・・と思ったらそれは妹で、彼女は自殺していた。スーパーに入ってきたシリコンバレー帰りの起業家が主人公に起業話を持ちかけてくる。高校時代の想いで出が忘れられない主人公は、男視線の女性用下着…いや「パンティ」を作って大儲けしようとするする話。

団体初見。白状するまでもなくチラシに惹かれて観に行きました(笑)はいごめんなさい。物語は30代で中年の危機をむかえた男が、若かりし頃情熱を燃やした何かに突っ走っていくお話。…まぁどこかで聞いたこと・見たことがあるお話の構造、ではあるけど。追いかけるのは「パンツ」いや「パンティ」で、その手の物語とはちょっとヒネリとエロさがある。ちなみに『「パンツ」より響きがエロいから「パンティ」』と主人公が力説するからパンティなのです。

あの子のパンチラがもう一度見たくて見たくて、舞台狭しと駆け抜けていく。黒子が風を吹かせるものだからスカートがチラチラするのでパンティが見えるシーンはいくつかありましてこれが中々にエロいのですが、とはいえ物語はド直球な喪失の回復を試みる男の物語。

「パンティ」は何のメタファーなんだろう…と本来だったら考えるんだけれど、なんかそれを考えるのもちょっと野暮というか馬鹿馬鹿しささえ覚える物語上のモチーフとしての「パンティ」。真面目さとエロさの配合のバランス…という点では、パンティのエロさに反して「真面目」に傾いていて、ちょっとバランス悪いかなという気もしなくもないが(客席があまりのパンチらに唖然としているのか、私と、もうひとり離れた場所の女性声だけがクスクス笑っている場面が何度もあった。あれ、みんな笑うところだぞ。(笑))、演劇・演出としてのテンポの良さと、(パンチラの煙に巻かれて見落としそうだけど)脚本の語感の鋭さも際立ってる。第二回公演との事だけれど別作品も気になる。

40代の中年男性にとっては、どこか懐かしくて微笑ましくて愛おしいお話。でも、男女や年齢で観た感想は割れそうな気もする。特に女性からははどう見えたのか気になるところではあるが、ラストの前のシーン、出演している女性全員が居酒屋で「しょうもねえ男の話」をするのがなかなかに絶妙なバランス感覚。観ていて怒りだしそうな女性とかいてもおかしくない気もするが。

キレのいい役者さんが大集合しテンポの良い舞台を支えているも、やはり「かなとガッパイ」のかな、ナイスパンチラでした。この方は吉本NSC卒業で、主人公の友達役の方とコンビなのね。なるほど。