【ネタバレ分離】 EPOCH MAN〈エポックマン〉「The Closet Revue」の観劇メモです。

もくじ
初回投稿:2026年04月11日 10時45分
最終更新:2026年04月11日 10時51分
公演前情報
公演・観劇データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 団体名 | EPOCH MAN〈エポックマン〉 |
| 題 | The Closet Revue |
| 脚本 | 小沢道成 |
| 演出 | 小沢道成 |
| 日時場所 | 2026/04/04(土)~2026/05/04(月) ザ・スズナリ(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
E P O C H M A N
俳優・小沢道成が、2013年から始めた演劇プロジェクト。
人の心の中をえぐり出すような作風と、繊細かつ粘り気がありながらスピード感ある演出が特徴のひとつ。
問題を抱えた人物が前進しようとした時に生まれる障害や苦悩を丁寧に描きつつも、演劇ならではの手法で会場を笑いに誘う。
毎公演ごと、外部で出会ってきた好きな俳優・スタッフ陣、様々な仲間を巻き込むプロデュース企画を展開していく。
過去の観劇
- 2025年10月29日 EPOCH MAN〈エポックマン〉「我ら宇宙の塵」(2025年)
- 2024年04月01日 EPOCH MAN〈エポックマン〉 「漸近線、重なれ」
- 2022年02月26日 EPOCH MAN「鶴かもしれない2022」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
錆びた鉄階段を上り、美しき踊り子たちに誘われ、席についた瞬間、
あなたは誰にも言えなかった秘密の共有者となる。第31回読売演劇大賞優秀作品賞・優秀演出家賞を受賞。小劇場界としては異例のロンドン公演で数多の五つ星を獲得した小沢道成。その渾身の新作は、コンプレックスを生きる力に、悲痛な過去を歓喜のショーに塗り替える自由とアイデンティティの物語だ。華やかな音楽に乗せて語られるのは、ある“男”の半生。本当の自分をずっとクローゼットにしまい込んできた男が、虚飾のドレスを脱ぎ捨てて、さらけ出す素顔。なぜ私たちは偽りの自分を演じ続けるのか。なぜ私たちはありのままで生きられないのか。閉塞感に満ちた現代を蹴り飛ばす魂のレビューが今、幕を開ける。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
| 項目 | データ |
|---|---|
| 観劇日時 | 2026年04月10日 19時00分〜 |
| 上演時間 | 110分(途中休憩なし) |
| 価格 | C席4500円 全席指定 |
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ドラッグ・クイーン的?な(劇中、明確には語られないが)トークショーを観た男。感極まってその出演者の男に会いに、そして自分のステージに立たせて欲しいと、舞台裏を尋ねる。出演者の男は拒否…過去、誰かを舞台に立たせることで、取り返しがつかないことが起こったよう。訪ねた男は自分のゲイとしての人生を語りだすが…いつしか、出演者の男と訪ねた男との「ゲイ」に対する感覚がズレていることが浮き彫りになっていき。訪ねた男は、自分なりの求める世界を語り出す…と、身も蓋もなくストーリーをまとめるとこんなお話。
ずごいもの観ちゃったなぁという感覚。ドラッグ・クイーン的…とでもいうのだろうか…他にもたくさんあるけれど、ゲイである事を自虐的に捉えてある種の見せ物に昇華した「ゲイの社会との接点」が既に社会には存在してる。その存在を、ゲイが社会と繋がるための手段として程度肯定しつつも、でもそうやって誰かに「笑われること」で接点を持つことを明確に拒否する物語。価値観の「変化」が、時代の変化…要は「ショーを観た男」と「出演者の男」との年齢の差によるものなのか、はたまた別のものなのかは分からないが、それでも価値観を否定して、新しい世界に生きたいという強い願い。劇中の言葉を借りるなら「ゲイ」という言葉を「血液型がO型」的な分類として捉えるのではない世界を希求している…とでもいうのだろうか。例え「理想論」・綺麗事だとしても、次の一歩に進むためには、勇気もらえる人が多いだろうと想像する。
個人的な話として…先日「ジン・ライム・ロック」という作品を観た。自分の中で、同性愛の事を軽視しているわけではないのにも関わらず、悩みの扱い方の「奇妙な重さ」に対して観終わった後、ずっと引っかかり続けていたのだけれど。演劇が描くべ「重さ」の不自然さに、この芝居は明確な答えを出してくれていた感覚で、観終わった後むしろ清々しい。
物語以外の演出もすごい。スズナリの階段を上がると、何故かチケットと身分証明書のチェック。え、そんなに厳しい制約のある券だったかな…と思ったが、匿名性を守るために匿名性を許さない…という、既に舞台の世界観の演出だったのか。いつものスズナリの受付横スペースは、ドラッグクイーン(と明言されてはいないがそんな感じのダンサーたち)の控え室で、横からメイクしているのを覗くことができたり。舞台セットもシンプルではあるが、中央が凸になっている円形ステージとカータンレールに吊った洋服かけのクローゼットの紐が、作中での使い方も含めてとても効果的。一瞬、スズナリだということを忘れてしまうくらいの空間の圧力があった。昨年NYに行ったときにスケジュール入れれず観損ねてしまった「Cabaret at the Kit Kat Club」にちょっと全体雰囲気似ているような気がしたのでメモ。
C席。最後列での観劇だったが(EPOC MAN先行で取ったC席だったけれど)、むしろ舞台を全体俯瞰する方がこの作品は面白いかもしれない。スズナリでは珍しいロングラン。徐々に話題になるだろうなぁ。この作品も各種演劇賞を受賞するのでは…?の一作。




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