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【観劇レポート】かわいいコンビニ店員 飯田さん「位置について」

#芝居,#かわいいコンビニ店員 飯田さん

【ネタバレ分離】 かわいいコンビニ店員 飯田さん「位置について」の観劇メモです。

初回投稿:2025年11月14日 17時32分
最終更新:2025年11月14日 17時34分

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名かわいいコンビニ店員 飯田さん
位置について
脚本池内風
演出池内風
日時場所2025/11/12(水)~2025/11/16(日)
吉祥寺シアター(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

かわいいコンビニ店員飯田さんとは

『1秒でも多く心動く瞬間を』
自分達の持っている小さな才能を勇気を出して発信し続ける舞台創作チーム

かわいいコンビニ店員 飯田さん

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

都内にある認可保育園。
モンスターペアレント、賃金、労働形態、保育士不足、
様々な問題を抱えながらも、明るく笑い飛ばしながら働き続ける保育士たち。
彼女たちはまた、自分たちの未来にも不安を抱えていた。
運動会準備に取り掛かる中、有休を使う安西に同僚の保育士たちは疑問を持ち、
少しづつ態度に現れる。
安西は、幼き頃シングルマザーの実母からネグレクトを受けていた。
その母親は消費者金融から多額の借金をし、
精神のバランスを崩すと、実家である茨城に呼びつけ、
安西に借金を肩代わりするように懇願する。
事情を知らない同期の九条は、
休みを優遇され、園の方針に後ろ向きの安西に対して、
納得いっておらず度々衝突。
疲弊していく他の保育士たちとの関係も次第に崩れ園の空気は険悪になっていく。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2025年11月14日
14時00分〜
上演時間145分(途中休憩なし)
価格5500円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

かわいいコンビニ店員 飯田さん「位置について」

ストーリーは事前紹介よりもむしろ保育園の保育士たちを巡る群像劇に近い。それぞれの事情を抱えながら、親や生活や低賃金と闘いながら、それでも保育士としての責任感を全うしようとしている保育士たちの物語。

団体二度目。前回OFF OFFシアターで観た作品がとても良かった。と思ったら吉祥寺シアター。出世直前の劇団を捉えたのかな…などと思ったけれど。今回は期待外れ。あまりにもありきたりな保育士の物語145分。一体何に焦点を当てて語りたいのか皆目分からなかった。

主人公っぽく出てくる安西先生はどうやら親が借金問題を抱えていて、相談出来ずに問題を抱え込むタイプ。理解のある彼氏もいて助けてくれるけれど、素直に助けを受け取るのがどうも苦手らしい。そんな状況が冒頭語られるのだが。毒親の借金を抱える事と、保育への情熱と、モンスターペアレントへの対応と、同僚との軋轢と、労働条件や社会的な地位の問題と、様々な要素が出てくる割にどの部分について語りたいのかが判然としない

前作「空腹」の感じからすると、社会的な構造問題だったり労働と対価が見合っていないみたいな話を、物語として昇華させるのが得意な作風のように(勝手に)思うのだが、今回の作品はそれ以外の要素が多すぎ。全てに焦点をあてるにはあまりにも描写が唐突過ぎるし、何か一つの問題に焦点をあてるにしては話が散漫すぎる。

ラスト、借金の督促の紙が大量に振って来て、彼氏も会社を辞めて「一からやり直そう」というのだけれど。ドバっと督促状の紙が落ちる大がかりな演出の割には何故にここであらためて借金の話?と小首を傾げずにはいられない。結局はありきたりな保育園の問題を、予告の上演時間を10分も超過してダラダラ描いただけになっていた。

物語は腑に落ちないけれど役者さんは健闘。特に、彼氏の温もりが欲しい水口早香の威勢の良い演技が印象に残る。佐々木優樹演じる野田先生の描き方が、ちょっと可哀そう過ぎなキャラクターだなぁと思い。